- 2020.06.16
「歯並び」「噛み合わせ」「下顎の位置」の関係とは?
このページは2020年12月4日に更新されました。(心も体も軽くなる番町D.C運営ポリシーはこちら)
皆さんは「歯並び」、「噛み合わせ」が治れば矯正治療が終わったとお考えではないでしょうか?
実は矯正治療を含めて歯の治療では「下顎の位置」がとても大切なのものなのです。
この記事では矯正治療を受ける前にどんな歯科医を選ぶかで最も大切な基本知識としてして理解しておくべき「歯並び」、「噛み合わせ」、「下顎の位置」の違いについて解説いたします。
この記事を読むことで、矯正治療では単に「歯並び」や「噛み合わせ」だけではなく「下顎の位置」をきちんと考慮して治療すべきであることを理解することができます。
私がこのように断言できるのは、歯科大卒業後、総入れ歯専門の講座で5年間在籍勉強し、「入れ歯が合わない患者さんを満足させるために噛み合わせについて悩み、ある師との出会い(関連のお話はこちら)」その技術をもとに「自分の顎関節症を体の治療と矯正治療で克服し(関連のお話はこちら)、歯列矯正はどうあるべきかを研究してきた」経験があるからです。
この記事で歯科医師を含めて一人でも多くの人が「本当の矯正治療の意味と歯と身体の関係を科学的、理論的に理解して」もらえるとありがたいと思っています。
「噛み合わせ」「歯並び」「下顎の位置」の関係
①.歯並びとその治療法
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①.「歯並び」とその治療法
歯並びとは見た目の歯の並び具合のことを言います。現在の矯正装置はほとんどが「ストレートワイヤーテクニック」*1(矯正治療の歴史参照)に基づいたブラケットが使われています。この方法は、ブラケットを「正確に位置づけ」(詳しい内容はこちら)さえできれば、ワイヤーを太くしてゆくだけで、歯並びはある程度自然に整うという、「非常にシンプルで、再現性の高い技術」となっています。
また今日では「マウスピース矯正」のような主に歯並びを治すことが目的の矯正治療も増加しています。ただ単に「歯並びだけを治す」だけであれば比較的簡単な方法が出てきていると言えるのです。

②.「噛み合わせ」とその治療法
噛み合わせとは歯科医学的には矯正診断でⅠ級、Ⅱ級(出っ歯)、Ⅲ級(受け口)の定義があり、一般的に正しい噛み合わせとはⅠ級関係のことで上顎の第一大臼歯(6番)の頬側近心咬頭が、下顎の第一大臼歯(6番)の中心溝に噛みこんだ状態を言い、矯正歯科医はこの位置ですべての歯がしっかりと噛みこむことを理想的な「噛み合わせ」と定義しています。
その他、顎を左右に移動させたときの歯の接触形態(ディスクルージョン*2)や、前歯の理想的なオーバージェット(約2mm)、オーバーバイト(約2mm)などの定義があります。
いずれも上下の歯の位置関係を示しています。
ところで、患者さんの下顎の位置が身体のバランスや体調(起こる症状はこちら)にも関係していることは以前から知られていましたが、歯列矯正で仕上げる下顎の位置(咬合学についてはこちら)をどう定義するかについてはほとんど考慮されてこなかったのです。
③.「下顎の位置」とその治療法
歯並びが治り、噛み合わせが良くなったとしても「上下の歯列を片方づつにきれいに並び」そのあとでⅠ級関係ですべての歯が緊密に噛み合う位置に「下顎が移動している」ことも少なくなく、それが正しい顎の位置でない場合は体調に問題が起きる人もいると私は考えています。
ですからたとえ「きれいに歯が並び上下の歯列がⅠ級関係で緊密に噛み合った」としても「必ずしも機能的に理想の顎の位置で噛みあっている保証はない」といえ「見た目では成功した歯列矯正でも患者さんの体調が今一つ」という治療結果もあると私は考えます。
なぜなら歯列矯正中の歯の当たり具合によって下顎の位置は「左右的にずれたり」、「奥に入っていたり」ずれてしまう可能性があるからです。
生理学的な下顎の位置は歯並びや上下6の噛み合わせの位置とは関係なく存在します。下顎の位置が生理学的な位置にあれば、たとえⅠ級関係が出来上がっていなくても、下顎の運動はスムーズになり、身体のバランスも整うということがあるのです。
現在まで歯科医師は、噛み合わせと全身の関係を読み解く努力をしてきました。
それが咬合学と呼ばれるものですが、実は「歯科界では理想的な噛み合わせの理論が明確に決まっていない」のです。噛み合わせの理論は、全身のバランスとの関係抜きでは完成しません。
当院では、歯の治療だけでなく、身体全体の治療である整体やオステオパシー、伝統医療である氣功治療などのあらゆる治療技術を科学的に究明、統合分析した結果「全身に負担の来ない下顎の位置を見出して、今までにはない考え方(治療の考え方はこちら)」で治療を行っています。
④.審美目的の歯列矯正は危険
歯の見た目をよくすることは、患者さんにとってとても魅力的です。しかし、歯科治療は体にも大きな影響を及ぼす治療ですから、まず体に負担のこない治療を受けることが先で、その結果審美性も整うといった治療が理想的だと私は考えます。
人によって歯の移動できる範囲は異なりますし、審美とは人によってもその判断基準が異なります。人種によって骨格には個性があり、ある人種にとっては審美的と思われる歯並びが他の人種にとっては健全ではない場合もあるのです。審美性を求めることで、かえって機能的な治療結果が得られない(体調不良、噛めない等)ことも実際は多いのです。
「自由診療化が起こす問題点」の動画はこちら
*1,ストレートワイヤーテクニック・・理想的な歯列の形を詳細に分析した結果から理想的に歯が並ぶように、一歯一歯にプログラムされたブラケットを正確な位置に装着することで、再現性が高く、細かい調整の必要がない技術として急速に普及してきました。
*2,ディスクルージョンとは咀嚼運動をする際の顎の運動の形式の一つで、側方に顎を移動した際犬歯だけが当たる噛み合わせの様式のこと、ナソロジーではこの噛み合わせの様式が望ましいとされているが、様々な意見がある。
「噛み合わせ」と「全身」との関係とは?」はこちら
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