“歯科治療の基本”、”咬合学”を知らずして治療するべからず!

  “歯科治療の基本”、”咬合学”を知らずして治療するべからず!

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2020.02.29

“歯科治療の基本”、”咬合学”を知らずして治療するべからず!

このページは2020年3月1日に更新されました。(心も体も軽くなる番町D.C運営ポリシーはこちら)

「咬合学」を知っていますか?ほとんどの方はその言葉さえ聞いたことがないでしょう。

咬合学とは実は人間の体に強い影響を与える「下顎の位置をどこに設定し、どのような噛み合わせ方を与えるべきか?」という問題を解き明かそうとした歯科治療で最も重要な100年以上の歴史がある学問なのです。

①.咬合学の歴史
②.なぜ咬合学が重要なのか?
③.咬合学の種類
④.咬合学すら教えない残念な大学教育
全身と調和した咬合理論(番町D.C.オリジナル)

①.咬合学の歴史

咬合学は前述したように、100年以上の歴史を持っています。最も代表的なも理論体系はナソロジーと呼ばれ、1920年代にナソロジカル・ソサエティーが設立されたのが始まりで理論化されてゆきました。

ナソロジーでは、歯科治療を単なる歯の修復と補綴とその精度という領域だけを考えるのではなく、咀嚼という運動機能を体系的にとらえ、どのような噛みわせの位置や歯の接触様式が口腔の機能にとって好ましいのかを研究してきたのものでした。

②.なぜ咬合学が重要なのか?

例えば歯が全くない総入れ歯の患者さんの場合、基準となる噛み合わせはもともとありません。

つまり、噛み合わせの高さや下顎の位置は一定の基準をもって歯科医師が決めなければ心地よく噛める入れ歯は作れません。その時の基準を決めるのに咬合学が必要となったわけです。

「部分入れ歯や総入れ歯が合わない」「矯正治療後に噛み合わせがしっくりこない」といったトラブルの原因の実際はほとんどは咬合学に基づいた治療がなされていないことが原因となっています。

つまり咬合学とはただ噛めるだけという要求では収まらない、「ベストな噛み合わせで健康で楽しく食事をしたい」という番町D.C.が目標とする「先進的かつ本物の歯科医療を提供する」ためには必要不可欠な学問なのです。

③.咬合学の種類
咬合学は現在大まかに分けで2つの学派が存在します。

1.ナソロジー学派
ナソロジー学派はアメリカで起きた学問体系で、100年近い歴史があり、理想的な顎の位置を「中心位*1と呼び、その位置に顎を誘導して噛み合わせを採得します。

ナソロジーの中でも様々な派閥が存在し、「中心位」の採得法もドーソンテクニックなど沢山の種類があります。残念ながらいずれの学派も安定した治療結果が出せないために「何度も中心位の定義が変わる」などいまだに確立できていないのが現実で、今現在は活動が縮小傾向にあります。

2.シークエンシャル咬合学派
ヨーロピアンナソロジーとも呼ばれ、複雑な全調節咬合装置(キャディアックス)*2を用いて、顎の運動を三次元的に分析し、その結果から噛み合わせの位置を決める方法ですが、装置が複雑で扱いが難しく実用的でない部分があります。

理論的には「機能に問題がある顎の運動を記録することで正常な状態の噛み合わせの位置を推測」するという手法をとっているのですが、その理論自体に無理があり臨床結果が必ずしも良好でないことが番町D.C.に転院された患者さんの結果から伺えます。

この二つの理論はどちらも確実な理論体系となりえなかったために結果を出せなかったのです。

両学派とも理想的な噛み合わせの位置を、上顎骨の関節窩(頭蓋骨の一部)に対する理想的な下顎頭(顎関節のてっぺん)の位置関係で決めることに固執したため、噛み合わせには身体全体のバランスが大きく関与しており、全身のバランスをを噛み合わせの位置を採得する際に考慮するという思考にかけていたからです。つまり「木を見て森を見ず」だったのです。

顎関節は、二つの関節が一つの骨で繋がっており、連動しながら前後左右に移動が可能という、身体の他の関節と比べて極めて特殊な構造をしています。

顎関節症による不定愁訴が噛み合わせが狂ってしまったことが原因で起きていると考えると顎関節の位置関係の修正だけで全身の不定愁訴が改善するとは考えられません。私はもっと「大きな視野で噛み合わせの採得法を解明する必要がある」と考え研究を続けてきたのです。

④.咬合学すら教えない残念な大学教育

歯学部における大学教育では咬合学の教育がなさせることはほとんどありません。

私が在学していた国立歯科大学の最高峰と呼ばれる東京医科歯科大学においても「咬合論を体系立ったシステム」で教育する講座はなく、これほど大切な理論がほとんどの歯科大学で十分に教育されることなく毎年2,000人近い歯科医師が世に送り出されているのが現状なのです。

私が患者さんを診察してきた経験からの推測では、噛み合わせが原因で起きた不定愁訴の患者さんは相当の数に及ぶと思われます。正しい理論に基づく咬合学をこれからの歯科大学で教育することは日本人のQOL向上のために必要なことではないかと感じています。

⑤全身と調和した咬合理論(番町D.C.が理論的に導き出した咬合論)

私には学生時代「総義歯の噛み合わせが合わない方」、「不定愁訴を持つ顎関節症の方」と向き合い、大学院時代にアメリカの大学、大学院を卒業した先生から治療技術を教わり(詳しい内容こちら)ました。さらに日本中や世界の名のある咬合理論を研究しあさった結果、誰も咬合論を確立していないことに気が付きました。

しかし開業9年目で私自身が顎関節症と気づき整体治療、オステオパシーなどのあらゆる代替療法を受けながら自分で歯科矯正試行錯誤しながらおこなったことで完治した経験を持っています。

その経験から噛み合わせは全身と大きな関わりがあり、ただ上顎と下顎の解剖学的位置関係と噛み合わせの診断だけの咬合学では不調(不定愁訴)を治すことは難しいと気づいたのです。

「”合わない入れ歯を克服”した経験から”噛み合わせによる不調を解決”できた話。」こちら
「日本の歯科医療の矛盾に絶望後アメリカの技術と出会い自由診療化へと進んだ道のり」の動画はこちら

そしてさらに研究を重ね独自の咬合論を確立することができたのです。
実際の噛み合わせの採得では、「首まわりや全身の筋肉にストレスのない様に特殊な方法で顎の位置を決める」ことで単に不定愁訴がなくなるだけでなく、今までに経験したことがないほどの良好な体調を得られる噛み合わせにすることができるのです。

「完全自由診療科と結果を保証できる治療技術獲得への道のり」の動画はこちら
体調が激変”歯並び”だけじゃなく”顎の位置も治す”歯列矯正の極意こちら

歯列矯正において咬合学が完成していないために「噛めるだけでなく全身の健康まで得られる歯列矯正ができる歯科医療機関」はほとんどありません。咬合学がしっかりしていないために歯列矯正の結果に確実性がないのです。

このような全身の治療と統合した咬合学理論に基づいた歯列矯正が今後世界に広まってゆくことが必要だと私は考えます。

*1中心位・・・・・・下顎の左右の顎関節頭がそれぞれの下顎窩に適切に収まった状態の噛み合わせの位置のこと。
*2キャディアックス・下顎と顎関節の上顎骨に対する運動をコンピューターで計測する装置。
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