- 2024.10.17
「歯医者選び」を「失敗しない」ために
このページは2024年10月17日に更新されました。(歯科医療を科学し結果にこだわる番町D.C運営ポリシーはこちら)
歯医者さん選びは患者さんにはとても難しい作業です。
歯医者選びを誤り、信用して治療を受けたが、不具合が治らず結局転院先でやっとやり治すことで解決した。といった「骨折り損のくたびれ儲け」の思いをする人は結構いらっしゃるのです。
そこで今回は患者さんが”よく陥りがちな”「歯医者選びの失敗例」を挙げながら、難しい歯科医院選びで「失敗しないコツ」を書かせていただきます。
今日ほとんどの歯科医院がホームページを持つ時代になりました。
少しでも多くの患者さんに来院して頂くために、検索上位表示への競争は熾烈を極め、大手の歯科医院は上位表示を狙った大規模な対策をとる様になってきています。
私の経験では大規模歯科医院では他の業種と同じくどうしても経営重視の傾向があり、本当に患者さんの為になっいるのか疑問な医院が多いように感じます。
歯科は「歯科医の数だけ治療の考え方がある」ほどバラエティー富んでいます。その中で本当に治してもらえる先生かを見極めるのは容易ではありません。
今回は純粋に自分が治療を受ける立場で考え間違いの少ない歯医者のかかり方について書かせていただきます。
私の歯科医院の経営の考え方については下の動画を御参考ください。
「歯科医院選び」で「よくある間違い」
①.近所で見つけようとする
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① すぐ近所で見つけようとする
本当に腕の良い歯科医がすぐ近所にいるとは限りません。処置が悪いことで”治療後の経過が悪く”、時間とお金だけでなく結果的に「生活の質」を落とすだけでなく「悩みを一つ多く抱え」てしまいかねない重要な問題なのです。
番町D.C.ではISO9001マネジメントシステム(2004~2015年)、2004年に取得しその後11回サーベランス(継続審査)を受けていました。
ISO9001の基準に従って医院の環境を分析すると、「治療を100%効果的かつ効率的に行う環境」が整っていないことに気がつき、改善に改善を行ってきました。
(番町D.C.のマネジメントシステムについてはこちら)
歯科治療は外科治療です。感染予防は基本中の基本です。これががきちんと行われていないということは患者さんを受け入れる準備すらできていないと言えるのです。
いくら病院がきれいに見えても「口の中に入れられたバキュームに唾液の臭いがする」などが原因で転院される患者さんもますから、感染予防のレベルは見た目だけでは判断できません。
そこでどのようなプロトコールで滅菌処置が行われているか?歯科医院が公開していることもとても重要なのです。(番町D.C.の滅菌のプロトコールについてはこちら)
ホームページで「感染対策についてが十分な説明がなされている歯科医院」を遠くても探しましょう。また、ほとんどの歯科用ユニットでは水の問題で感染対策が不十分であることは意外に知られていません。しっかり情報を確認しましょう。
また、ホームページで調べる際も治療方法に対する科学的な裏付け理論があるかも重要なポイントです。インプラントやマウスピース矯正、セレックステムなど歯科医学的に確証のある治療法ではありません。特に気をつける必要があります。
番町デンタルクリニックのユニットの感染対策についてはこちら
絶対に受けて欲しくない危ない"自由診療トップ3"はこちら
② 先生を決めずに治療を受ける
治療においてはまず、先生自身の治療方針、治療技術が最も大切です。単なる「病院がきれい」とか「スタッフの言葉使いが丁寧」、「先生が優しそう」といった基準は必ずしも治療技術のレベルを保証するものではありません。
ホームページでを診る際は、本当に先生自身が記事を書いているのかは重要です。多くはライターが記事を書いています。先生とのやり取りがあればよいのですが、事実と異なることを患者さん集めに書いていることも多いのです。
見分けるためには記事に具体性があり、その内容が医学的に論理的であるかが大切です。
ホームページを見て大規模な歯科医院で歯列矯正を受けてみたら、院長が見てくれたのは初回のみ、後は若い先生がチェックも受けず終了、結果に納得できず当院に転院してきた患者さんもいらっしゃいます。
すべてがそんな医院ではないとは思いますが、どの先生がどこまで治療をしてくれるかを確認してから治療を受ける必要があります。
お口全体の治療の調和と希望するのであれば、一人の先生が治療計画に従って責任を取ってくれる(担当制をとっている)医院をお勧めします。
もし何名かの医師がいる場合はまず担当医を決めることです。もし紹介者がいる場合は先生の名前まで教えてもらうべきです。
アルバイトで週1回しか来ないとかいう先生だと、いつ辞めてしまうかわかりません。仮に気に入った先生なら、どこまでもついていった方がよいかもしれません。
歯科治療は個人技なので、誰が治療をするかがとても重要なのです。
医師の入れ替わりが激しい医院では「治療の質がばらつく可能性があり」お勧めはできません。
③患者のためか?経営のためか?を判断する
今日、歯科医院の競争は激しく経営は厳しく、東京だけでなく、ほとんどの歯科医院が保険診療だけでは経営が成り立たなくなっています。
結果的に積極的に自由(自費)診療を取り入れる傾向にあります。
自由(自費)診療は保険診療と比べて良質の治療であることは事実ですが、経営のためになっても患者さんの為とは言い切れない自由診療を勧めるケースが多いです。
「経営のための自費」なのか「患者さんのための自費」なのかを見分ける目が必要です。
経営のための自費を見分けるには、「医学的な論理性と必然性」の説明を求めることです。説明に納得できない場合はすぐに判断しないか、断る勇気も必要です。
インプラントは選択しなければならない医学的必然性はなく、審美歯科には治療としての効果はなく、価値は見た目以外ほとんどないといえます。
疑わしい場合は、医院の中の信頼できそうなスタッフに勧められた自費について本当にお勧めか確認してみるのもよいでしょう。
スタッフはどちらかというと患者さんの立場で考えてくれることが多いからです。
歯科医院によっては、”治療の途中から自費診療を勧められる場合”があります。
歯の痛みや辛さで精神的に追い詰められ、冷静な判断ができずつい承諾してしまうケースがあります。とりあえず仮の処置をお願いして、「家に帰って家族と相談してから考えます」とだけ答え、治療内容について納得するまで調べてから判断する冷静さも必要です。
補足
歯科医院は保険診療での経営難から技術も身につけず無理に自由診療化している医院もあります。
それが自由診療におけるトラブルの原因であることも残念ながら事実です。
数年前にはインプラントのトラブルが多いことがNHKでも取り上げられました。NHKはよくこのような問題を取り上げたと拍手喝采したいぐらいです。
最近のマウスピース矯正や審美歯科治療についてもクローズアップ現代か何かで取り上げて欲しいものです。
実は今は技術が不要な審美歯科治療が自由診療の格好のターゲットになっています。
特に技術が必要ない審美を目的としたマウスピース矯正は旨味があります。(マウスピース矯正の問題点についてはこちら)
この治療法は症例が限られており、全顎の歯列矯正に適応できる方法ではありません。
歯列矯正は一本一本の歯と顎の緻密なコントロールが必要とされるからです。
しかし、「見た目がいい、お手軽」を売り文句に手を出してはいけない症例にまで広げています。
手軽さに目が眩みやっては見たものの「何年たっても治らない、噛まない」というケースをよく見ます。
私たち歯科医は、一部の利益優先の歯科医院によって患者さんがトラブルを抱え、歯科医療のイメージが下がることを避けたいと考えております。
そのためにまず患者は正しい知識をつけ、そのような歯科医院が経営難になって淘汰される必要があると考えています。
「失敗しない歯科医選び」では患者さん自身のデンタルリテラシー(歯に対する意識)をまず高める必要があるのです。
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