- 2020.04.04
知って納得”マウスピース矯正”
このページは2020年12月3日に更新されました。(歯科医療を科学し結果にこだわる番町D.C運営ポリシーはこちら)
「マウスピース矯正ってよく見るけどどうなの?」、「ブラケットを使わない矯正で本当に治るの?」、「料金はやや高めだけどそれだけのメリットはあるの?」そんな疑問はありませんか?
実はマウスピース矯正とは、本来のブラケットを用いた矯正治療とは全く治療法が異なります。
「部分的な歯の位置を治す程度の治療」ぐらいと考えておくのが無難ではないかと私は考えます。
マウスピース矯正では、今噛んでいる顎の位置を最終的な噛み合わせの位置である過程し、模型をデータ化しコンピュータ上で3Dシュミレーションで完成した歯並びと噛み合わせと作成します。
今の歯並びから完成予測の歯並びまでの段階的な歯の移動のシュミレーションを作成します。
この段階的なシュミレーションを3Dプリンターで模型にし、その模型から段階的な矯正用のマウスピースを作ります。
この段階的なマウスピースを交換しながら歯列矯正を行ってゆきます。
ところで、顎関節は他の体の関節と違い、蝶番の様に決まった位置を中心にして動きません。
顎関節は極めて特殊で、前後左右上下と3次元的にかなり自由に移動できる関節です。
矯正中、歯の移動で上下の歯の当たり具合が変化するため、顎は均等な歯の接触を求めて3次元的に位置を変化してゆきます。
この顎の位置の変化によって、顎周り首周りの筋肉のバランスが変化し、全身に問題が起こることがあるのです。
つまり歯列矯正中、顎の位置は常に変化する可能性があるので、初めに取った型通りに顎関節の位置が収まり続けているかというとそうでないことのほうが多いと考えられるのです。
ブラケット矯正の様に、常に現在の顎の状況に対してゴムかけやワイヤーの調整でかみ合わせを作っている歯列矯正と比較するとマウスピース矯正の場合、治療の経過による顎の位置の変化には対応ができないといえるのです。
マウスピース矯正治療でも問題が出ない場合もあるとは思いますが、患者さんによっては奥歯が全くかみ合わないといった問題を起こす例も少なくないのです。
そう考えるとマウスピース矯正は噛み合わせが絡む全顎矯正には向いていないのではないかと私は思います。
「マウスピース矯正では顎の位置が変化するとは最初から想定していない」ので「顎の位置が変化してしまうといつまで経っても噛まない」ということもあるでしょうし、「体調まで悪くなって普段の生活に支障が出る」までになるケースがあることを耳にします。
ですから全顎的歯列矯正を行った場合マウスピース矯正だけではうまくいかなかった場合はブラケット矯正に切り替えて治療をやり直すこと必要があるのです。
そもそも、先生がブラケット矯正の経験が豊富でで、マウスピース矯正の特徴を知っている先生であれば、あえてマウスピース矯正に手を出そうとしないのではないかと私は考えます。
マウスピース矯正の利点である「目立たず、取り外せる歯列矯正」なのですが、それは治療の完成度とは相反するものであると私は考えます。
歯列矯正は歯科医療の中でも最も難しい治療技術で、歯を思い通りに動かすことは容易なことではなく、それは歯科医師の間では常識といえます。
マウスピース矯正はここ10年ぐらいで爆発的に増えていますので、今後様々な問題が起きてくるのではないかと危惧しています。
このような治療がはやった背景はできるだけ「高度なテクニックや、手間をかからない治療法を取り入れたい」という歯科医師側の考えと、「ブラケットをしないで、目立たず、歯列矯正を受けたい」という患者側の要求、「材料や製作費をの売り上げをのばしたい」企業の思惑の3者の利が一致したためではないかと思っています。
この構図とよく似たものに、「保険診療で経営難に陥り、自由診療で経営を立て直したい」歯科医側と「失った歯を入れ歯ではない方法で治したい」という患者の要求「医療器具を販売したい」企業の三方の利害関係が一致したために、爆発的に増えたインプラントがありました。
今は問題も多い治療としてブームは下火になっています。
インプラントは「歯を失った人に人工の歯を植えるという画期的な方法」と考えがちですが、事故で歯を失った場合では有効な治療とも言えますが、歯周病や虫歯などで失った人の場合、インプラント自体が向いているとは言えない治療だと私は思います。
マウスピース矯正がインプラントと同じ経過を辿るとは断言できません。
しかし、昔からマウスピースによる矯正治療はあり前歯などの僅かな位置調整程度にしか使われてきた治療法です。
3Dスキャナー、プリンターの進歩で効率と行いやすくなりましたが、全顎矯正(すべての歯の矯正治療)に適応できる治療ではないと私は考えます。
またマウスピース矯正がブラケット矯正と同じ治療結果が得られるという理論も科学的根拠もないのです。
見た目を治す目的がメインで、噛み合わせに問題が出る可能性を覚悟して受ける必要があり、私はお勧めしない治療法です。
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