- 2024.07.25
直接修復材料の種類と特性
このページは2024年10月15日に更新されました。(心も体も軽くなる番町D.C.運営ポリシーはこちら)
虫歯の治療法には「直接法」と「間接法」とがあります。
虫歯を取り除きその場で材料を詰める方法が「直接法」、型を取って型から口の外で製作する方法を「間接法」といいます。
通常、「直接法の方が充填精度が高く、感染のリスクを下がり」ますが、「材料強度は間接法の方が高い」傾向があります。
A,直接修復材料
①RIVA・・前歯、奥歯の歯根部に充填する材料
グラスアイオノマーセメント-RIVAは「歯に対する刺激」や、「吸水性」がほとんどないが、少しもろい性質がある。
神経に対する刺激がなく、歯と同じ白いので、「WSDなどの根元の充填」や「前歯や虫歯が深い歯」の治療に適している。強度をあまり必要としない場所に詰められる。(噛み合わせの面には通常使わない)

②Amalgam//奥歯のかみ合わせや目立たない前歯小臼歯の虫歯に詰める
Logic+(アメリカSOD社製)
(SOD社のアマルガムは強度が高く、非常に充填が行いやすい、深い下掘れ状のアンダーカットのある虫歯に最適です)
アマルガム充填とは?
歯科用アマルガムは歯科治療の歴史の中で200年以上使用されてきた、歯科材料の中で最も信用と歴史のある材料です。
現在のアマルガムはその物性と取り扱いが改善されており、非常に有用な材料です。
虫歯といっても、できた場所や歯の残り具合によってえらばれる材料は違ってきます。そして虫歯の状況によっていろいろな充填方法や修復方法を選択しなければなりません。
歯の治療には歯をもたせるための技術と考え方が集約されています。
そこには「歯に加わる力」と「材料の特性」を理解し、効果が100%の発揮されるように充填を行う必要があります。
車に使う部品の材料が「エンジン」と「ドア」とで異なるように歯でも部位や目的によって使い分けるわけです。(私が審美治療を治療ではないという理由でもあります。)
痛みの出ない虫歯除去の3つの条件
①「ラバーダム防湿」
②「歯の切削時のきれいな水(次亜塩素酸水など)」
③「MTAの覆罩、修復材料の選択」
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治療前
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治療後
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レジンは手軽で好んで充填される材料です。
しかし、車が長距離を走れば部品交換が必要になるのと同じように、噛めば噛むほど充填した材料の劣化を生じ、再充填が必要になります。
充填材料としてレジンは審美性が高く耐久性が比較的高いのです、吸水性(水を吸う性質)があり、歯との境界が非常にわからなずらいため、除去するときに健全な歯まで傷つけてしまうことがあります。
特にコアー(土台)などに直接充填されたレジンは、除去が難しく特に根管治療のやり直しを難しくします。(私がレジンが好きではない理由です)
日本でアマルガムを行う先生が少ないわけ
日本でアマルガム充填を行う先生が少ないわけは、アマルガム充填の教育が現在ではあまり行われなくなったということに尽きます。
しかし、過去においても現在においても、初期の虫歯から、大きく欠損した虫歯まで、いまだにアマルガムに勝る充填材料はないのです。
アメリカ製のアマルガムは固まるスピードがとても速く、このスピードに慣れていないと、技術的にも治療が困難です。
アマルガムは詰まるまでの形態つくりに細心の注意が必要であることと、固まるまでの3分ぐらいで、かみ合わせの面の高さ、形態を完全に再現しなければならず、また外れないような維持形態を付けるため、歯を削る際、細心の注意が必要です。したがって、虫歯治療に必要な技術のすべてが集約されており、アマルガム充填ができない先生は歯科医ではないとアメリカではいわれるほど重要な治療です。

上の写真は適切に充てんされたアマルガム充填の例です。アマルガムが他の材料と比較して優れている理由には次の3つがあります。
まず、虫歯は必ず下掘れになっているため、インレーなどの修復材料では歯を多く削りすぎてしまうからです。歯を削りすぎると、かみ合わせの面を人工的に作らなければならず、かみ合わせを狂わせてしまう可能性が大きくなるからです。アマルガムはかみ合わせの面の歯の切削量を最小限にしてくれます。
次に、臼歯部には強い咬合力(噛む力)が加わるため、十分な強度が必要になります。最近よくつかわれるレジン(樹脂)は、見た目は白くてよいのですが、強度が咬合力に対して不十分であったり、吸水性(水を吸う性質)があったり、材料自体に抗菌性がありません。一方アマルガムには、金属としての十分の強度と、強い抗菌性があるため、虫歯が拡大しにくいのです。
これらの治療は神経を刺激しない位置にチタン製でできたピンを打ち込まねばならず非常に神経を使う仕事です。
虫歯や、かみ合わせでお悩みの方へ
虫歯治療は歯科医療で最も基本的な治療でありながら、治療が難しい分野です。
また型を取って詰めたり、かぶせたりする治療の場合、技工士さんが、物を製作する技術的な問題以外に、仮歯の期間にかみ合わせが狂ってしまうなどの問題で、かみ合わせがおかしくなることがあります。
当医院では、虫歯がある場合は出来るだけ即日充填、即日かみ合わせを治療することを心がけ、主にアマルガムによる治療をお勧めしております。
一方アマルガムは、固まる際に膨張し、体積が増します。また材料自体の抗菌性が高く、30年ぐらい前に行ったアマルガムを外してみても、虫歯になっていないことがよくあります。
当医院におけるアマルガム治療例
治療後

強度のあるアマルガムを使うと上の写真のように歯自体をビルドアップ(盛り上げて歯冠部を製作する)することが出来ます。
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