直接修復材料の種類と特性

  直接修復材料の種類と特性

お役立ちコラムCOLUMN

2020.02.25

直接修復材料の種類と特性

このページは2022年8月25日に更新されました。(心も体も軽くなる番町D.C.運営ポリシーはこちら)

A,直接修復材料

① 奥歯のかみ合わせや目立ちにくい前歯小臼歯の虫歯に詰める材料
アマルガム-Kerr tytin spherical alloy(アメリカ製・・現在日本での製造は無い)

(tytin社のアマルガムは最も強度が高く、非常に充填が行いやすい、深い下掘れ状(アンダーカットのある)虫歯に最適)

② 前歯、奥歯の歯根部(神経から近く充填が難しい部分)に充填する材料
グラスアイオノマーセメント-RIVA(虫歯に対する耐性-フッ素による効果)が高く、吸水性がほとんどない、レジンよりもろい)

本当に虫歯を取り除くとことの難しさ

虫歯を完全に取り除けていない治療を多くみかけます。一定の条件下で処置でなければ虫歯を完全に除去すると歯に痛みがでて抜髄(心経を抜くこと)になること多く、これを恐れて深い虫歯を完全に除去することをためらう先生が多いからです。

痛みの出ない虫歯除去の3つの条件

「ラバーダム防湿」
「歯の切削時のきれいな水(次亜塩素酸水など)」
「MTAの覆罩、修復材料の選択」

治療前
左上の茶色い部分が虫歯。

治療後
見た目がきれいになっている

レジン充填を審美治療として好んで充填する先生がいらっしゃいます。しかしながら、残念なことに、どんなに良い治療を行っても、材料は必ずいつか劣化しやり直しが必要になります。

どんなにきちんと点検し、作り上げた車でも一定の期間ののち部品交換が必要なように充填された歯科材料は一定の期間ののちルーペなどで確認して、随時再治療を行う必要がありますになります

コアー(土台)や直接充填されたレジンは、歯との境界が非常にわかりずらく、除去する際、拡大鏡を使っても境界がわからず健全な歯まで傷つけてしまうことがあります。

レジンは審美性が高く、外れにくいのですが、このようなデメリットがあり私は使っておりません。(先生の考え方による)

材料が外れる、痛むのは、自分の歯にかかる負担を材料が肩代わりしていると私は考えます。材料は交換できても、歯は交換できません。

また劣化した材料を取り除き再治療を行うことは、歯や体にたまったストレスエネルギーの除去にもなると考えています。

アマルガムを使った虫歯の治療

アマルガム充填とは?

歯科用アマルガムは歯科治療の歴史の中で100年以上使用されていた、歯科材料の中で最も信用と歴史のある材料です。
一口に虫歯といっても治療の際にはさまざまな虫歯の部位や、原因、そして虫歯の状況によっていろいろな充填方法や修復方法を選択しなければなりません。

歯の治療は何十年も歯をもたせるための技術全てが完全に集約されていなければなりません。このためには歯に加わる力や、材料の性質を完全に理解し、その材料が十分に機能するように材料を使っていかなければならないのです。

日本でアマルガムを行う先生が少ないわけ

日本でアマルガム充填を行う先生が少ないわけは、アマルガム充填の教育が現在ではあまり行われなくなったということに尽きます。

しかし、過去においても現在においても、初期の虫歯から、大きく欠損した虫歯まで、いまだにアマルガムに勝る充填材料はないのです。
アメリカ製のアマルガムは固まるスピードがとても速く、このスピードに慣れていないと、技術的にも治療が困難です。

アマルガムは詰まるまでの形態つくりに細心の注意が必要であることと、固まるまでの3分ぐらいで、かみ合わせの面の高さ、形態を完全に再現しなければならず、また外れないような維持形態を付けるため、歯を削る際、細心の注意が必要です。したがって、虫歯治療に必要な技術のすべてが集約されており、アマルガム充填ができない先生は歯科医ではないとアメリカではいわれるほど重要な治療です。

上の写真は適切に充てんされたアマルガム充填の例です。アマルガムが他の材料と比較して優れている理由には次の3つがあります。

まず、虫歯は必ず下掘れになっているため、インレーなどの修復材料では歯を多く削りすぎてしまうからです。歯を削りすぎると、かみ合わせの面を人工的に作らなければならず、かみ合わせを狂わせてしまう可能性が大きくなるからです。アマルガムはかみ合わせの面の歯の切削量を最小限にしてくれます。

次に、臼歯部には強い咬合力(噛む力)が加わるため、十分な強度が必要になります。最近よくつかわれるレジン(樹脂)は、見た目は白くてよいのですが、強度が咬合力に対して不十分であったり、吸水性(水を吸う性質)があったり、材料自体に抗菌性がありません。一方アマルガムには、金属としての十分の強度と、強い抗菌性があるため、虫歯が拡大しにくいのです。

これらの治療は神経を刺激しない位置にチタン製でできたピンを打ち込まねばならず非常に神経を使う仕事です。

虫歯や、かみ合わせでお悩みの方へ

虫歯治療は歯科医療で最も基本的な治療でありながら、治療が難しい分野です。

また型を取って詰めたり、かぶせたりする治療の場合、技工士さんが、物を製作する技術的な問題以外に、仮歯の期間にかみ合わせが狂ってしまうなどの問題で、かみ合わせがおかしくなることがあります。

当医院では、虫歯がある場合は出来るだけ即日充填、即日かみ合わせを治療することを心がけ、主にアマルガムによる治療をお勧めしております。

一方アマルガムは、固まる際に膨張し、体積が増します。また材料自体の抗菌性が高く、30年ぐらい前に行ったアマルガムを外してみても、虫歯になっていないことがよくあります。

 

当医院におけるアマルガム治療例

治療後

強度のあるアマルガムを使うと上の写真のように歯自体をビルドアップ(盛り上げて歯冠部を製作する)することが出来ます。

ゴールドを用いた修復治療

ゴールドは、口の中で最も長持ちし、歯科も噛み心地、材料の安定性では他に追従するものはありません。瀬戸物はすぐに割れる、レジンは擦り減ったり虫歯になり易いいという点では、遠く金に及びません。

1.当医院で使用している金属(インレー用)

JRVT-PF(パラジュウムフリー)
(金含有量80%以上パラジュームは含まれていません)

被せものよりも、インレー(歯に詰める形態の修復物)のほうがマージン(歯と詰めものの境界のこと)
が長いので、適合は難しくなります。

この金属は、鋳造で融解すると、卓越した細部の流動性をもちます。つまり削った歯の型の細部までの再現性が高いことを意味します。
この金属の伸び自体も非常によく、すり合わせ(金属を伸ばして歯との境界部の適合性を高める)が行い易いです。適度な金属の柔軟性があり、噛んだ感覚がとても心地良いです。

2.当医院で使用している金属(ブリッジ、コアー用)

Degunorm(ドイツデクサ製)

当医院で使用しているコアー、ブリッジ用のゴールドはデグサ(ドイツの会社、現在はデンツプライ三金に吸収合併)のデグノームを使用しています。この金属はもともとゴールデンゲートシステムといって、お口の中を同一の金属で治してあげようという考え方から開発されたものです。金属アレルギーにも対応しており、アレルギーを起こしやすい物質(パラジューム)などは含まれていません。非常に生体親和性が高い材料です。

上の写真は、ゴールドを正しいステップにて作成したものです。
拡大部分を見ても金属と歯との境界に隙間は確認できないほど完全に合っています。

ゴールドは技工士さんですら自分に使ってほしいと思っている最高の材料です。歯に対して適度にすり減ってくれるので、自分の歯に対して悪い作用がほとんどありません、セラミックは見た目がきれいですが、歯より固いので長い間の使っていると自分の歯を削ってしまいます。また歯に対する適合性は、ゴールドに遠く及ばす、歯の削る量も非常に多く、自分の歯を失ってしまうのです。

これらお口の中できちんと機能する金属を選択するには確実な選択眼がないと不可能です。私は20年以上技工を自らやってきて現在の金属の選定に至りました歯科医院によっては、金と言いながら14カラット(カラットとは24カラットの金を純金としてそれに対する金の含有量を数字で示したもの)程度しかない金を入れたりする先生も中にはいらっしゃいます。14カラットぐらいしかないと金としての十分な特性は示しません。

金の含有量は80%(おおむね20カラット)程度以上はないと金としての良さが得られません。当然よい金属を使えばそれなりにコストも高くなります。

最近ファイバーコアーと言ってレジンで土台を作る先生も多くいらっしゃいますが、レジンはしょせん樹脂です、その強度は金属とは比べ物になりません。ファイバーコアーを数年後に見てみると虫歯で歯はボロボロになっています。これはレジンの持つ吸水性によるものです。長期間お口の中にあると水分を吸収して細菌の増殖を引き起こすのです。

また同じ樹脂でも選ぶ材料によって硬さは違います。ハイブリットではまだしも、充填用のふつうのレジンでは強度は十分とは言えません。ましてすべての歯の土台(とくに奥歯)に使えるほどの材料ではありません。

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