矯正治療では歯列不正の原因も考えるべき

  矯正治療では歯列不正の原因も考えるべき

お役立ちコラムCOLUMN

2017.05.23

矯正治療では歯列不正の原因も考えるべき

矯正治療に実は失敗が多いことが徐々に知られるようになって来ました。
しかし、患者さんの不安を取り除くために、「失敗しない矯正治療」と題してさまざまなことが言われるようになっていますが、いずれもどうして失敗しないかの根拠が薄く感じます。失敗しないということは実は歯だけの問題ではないので非常に奥深く、難しいことなのです。
矯正治療は治療を受ける人のや体質や習癖、そして幼少のころから受けてきたストレスなどが複合して起こってしまった歯列と顎の位置の変化を治す治療だと私は考えます。歯列が偶然に乱れてしまうことはまずありません。
つまり、なぜこのようなひずんだ歯列になったのかという原因を考察をしてからでないと、良くなっても徐々に歪んできます。当院ではその原因についても患者さんとお話します。
人は敏感な体質だと、歯列不正は起こりやすくなります。これは、ちょっとしたストレスでで筋肉が緊張したり、固まったりするので顎の位置は動きやすく、正常な位置から左右的にも前後的にも狂いやすいからです。
そしてそのような反応は幼少期、極端なことを言うと母体の中にいる赤ちゃんのときから起きています。
敏感な赤ちゃんは母体に強いストレスがかかればそれに反応して緊張してしまいます。それが顎や全身の歪の原因となっていることが考えられます。
永久歯の噛み合せの位置は実は乳歯の歯列が完成すると、その噛み合せに沿って6歳臼歯がかみ合うので、乳歯列が悪ければ、永久歯列も悪くなります。
乳歯列の悪さは一見してよく分かりませんが、幼少期からのストレスの反応で顎をかみ締めていれば、噛み合せが低いと、歯列全体が圧平されてしまい、アーチが狭くなって、永久歯が並ぶスペースがなくなり叢生(がたがたの歯並び)が引き起こされるのです。
また、狂ってしまった歯列や顎の位置の狂いは、永久歯列に引き継げられ、成長とともにさらに歪んでゆき、そしてその影響は全身の歪へと広がり、全身の体調不良を引き起こすほどのレベルになってしてしまうのです。
最近診療して気がついたのは、成人した人では、脳の使い方によっても歪みの起こり方が変わってくるということです。左脳(論理脳)を良く使う人の左側の筋肉は緊張しやすく、顎が左に曲がりやすくなります。
最近の成人はほとんど左に顎が曲がる傾向があります。
最近「アンチエイジング」という言葉をよく耳にします。食事や運動は非常に重要な要素だと分かっています。しかし、それ以上に体の歪は老化に直結していると思います。体が歪めば全身の循環は悪くなり、細胞の代謝が損なわれるからです。
まずは体のひずみを取ることが本当の「アンチエイジング」の始まりと思うのです。
実際に当院で矯正治療を含む治療を受けた患者さんのほとんどが歪みを治す治療を受けているので、10歳以上若返ったように見えます。
歪みを取る矯正治療や噛み合せの治療はこれからの健康増進に非常に大きな役割を果たすであろうと考えるのです。

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