矯正治療の抜歯の必要性とその危険度?

  矯正治療の抜歯の必要性とその危険度?

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2020.05.10

矯正治療の抜歯の必要性とその危険度?

このページは202037日に更新されました。(歯科医療を科学し結果にこだわる番町D.C運営ポリシーはこちら)

「矯正治療前に、親知らずを抜くといわれた?」、「親知らず以外に4本の歯を抜かれると言われた?」このような経験で、「どうして親知らず以外の歯を抜かなければならないのだろう?」と考えたことはありませんか?

この記事では、「矯正治療前に親知らずを抜歯しなければならない理由」と、「果たして治療のために本当に親知らず以外の抜歯も必要なのか?」について私なりの理論について書かれています。

また親知らず以外の歯を抜歯をされたことで、思いもかけない影響が出ることがあるということについても書かれています。

いずれもみなさんが一度は気になっていたことばかりだと思います。

私自身も歯並びが悪く、大学時代、先輩の矯正専門医や、同級生の矯正専門医の何名かに矯正治療の診断の相談をしていました。

そして、ほぼ全員に小臼歯4本を抜歯する治療しか無いと言われてきました。

4本も抜かれるとむしろ隙間が大きすぎて、問題が出るのではないかと感じた私は、抜歯をされるのであれば、矯正治療は避けたほうが良いと感じました。

やがて、44歳で歯列矯正を自分で始めたときに抜かなくてよかったと感じました。

現在はCTスキャンなどの新しい機器が開発され、診断方法も旧来のセファロレントゲン撮影だけではなくなりました。

さらに矯正装置もセルフライゲーションのように今までとは全く異なる機能の装置が開発され、治療技術も格段に進歩したのです。。

①.今までの歯列矯正の限界
②.これからの歯列矯正で何を考えるべきか?
③.親知らずの抜歯がなぜ必要か?
④.小臼歯の抜歯は慎重に検討すべき
⑤.抜歯と全身の関係とは?

①.今までの歯列矯正の診断の限界
今までの歯列矯正の診断では、機械もレントゲン(セファロレントゲン)と並行模型(診断のとき先生から見させられるきれいに磨かれた模型)しかなく、治療にあたっての情報が限られていました。

しかし、近年機器が進歩し、CTが歯科でも一般的になりつつある今日では、今までは考えもしなかったことを診断できるようになりました。

例えば、頚椎や、顎の三次元的位置、舌の位置や顎の歪具合などです。それによって呼吸機能や頚椎の位置異常による体調不良など様々な診断ができるようになってきました。

上のCT映像では、頚椎がいびつに変形していることがわかります

このような頚椎の配列だと、顎だけでなく全身にまで様々な症状が出てくるのは当たり前のことなのです。

このような診断方法は、今までのセファロレントゲン撮影による分析では明らかにできなかった内容なのです

②.これからの歯列矯正で何を考えるべきか?
これからの歯列矯正では、単に歯並びをきれいにするだけではなく、健康のレベルを上げるための方法として行われる必要があると考えます。

健康のレベルを上げるための歯列矯正では、CTスキャンだけでなく、咬合器による噛み合わせの綿密な診断も必要になると思います。

上の写真のように半調節咬合器を用いた場合、平行模型ではわからない骨の歪みがあることを診断できます。

単に上下の模型を採得するだけで矯正治療を始める矯正は実はその人の3次元的な状況を知ることができないのです。

③.親知らずの抜歯がなぜ必要か?
現代人の殆どが顎の大きさが小さくなっています。、これは硬い食べ物がなくなり、咀嚼する力が必要なくなったからだと言われています。

そして、親知らずが埋まった状態で前の7番の歯を後ろから押していることがあります。

そのようなケースでは抜歯をしないと、7番の歯の移動を邪魔することがあるからです。

万が一残したまま治療を終わらせてしまうと、矯正の保定の時期に咬み合わせがおかしくなったり、一番奥の歯の後ろ側に虫歯が出来てしまったりする可能性もあるので、垂直に生えてきていない場合は抜歯することが望ましいでしょう。

親知らずを抜く理由は以下のとおりです。
1、歯が前の歯を押すことによって、歯列を乱す力をかけてしまう。(歯を後ろに起こそうとするとき邪魔になる)
2、親知らずの位置によっては、手前の歯の後ろ側が歯周病になったり、虫歯になったりする。

といった理由です。

では親知らず抜くタイミングですが、歯列矯正を始めるときで無くても早めに抜歯をしておくことが望ましいです。

できれば学生自体に抜いてもらうのが良いのですが、その理由としては
1.時間が比較的取りやすい。
2.体力があるので、感染などのリスクに抵抗力がある。
3.骨がまだ柔らかく、歯を抜きやすい。

大人になって、「どうして今まで抜かなかったの?」と思うような親知らずを多く見かけます。
高校生を過ぎたら、自分に親知らずがあるのか?生えてくるのか?
調べておいた方が良いでしょう。

④.小臼歯の抜歯は慎重に検討すべき
矯正治療で小臼歯を抜歯する必要を診断されることがあります。

逆にすべての小臼歯を抜歯すべきではないという考え方もあります。

私は、「小臼歯の抜歯はあまり必要がない」と考えています。

その理由は、先程でてきたCTスキャンの画像や、半調節性咬合器を用いて診断すると、審美的な理由以外抜歯の必要が考えられないからと、審美的な理由の多くは、歯の突出感ですが、奥歯を高くして顎を回転することで突出感を少なくすることが可能で、その場合唇が閉じにくいという問題は起こりにくいです。

多くの抜歯矯正を行う理由が「審美性を担保できないといった理由」や、「歯が並びきらないといった理由」です。

しかし、3次元的に見ると、歯を引っ張り出したり、顎の位置を正しい位置に移動させたりすると出っ歯感や歯の前への傾斜感を解決することがある程度可能で極端な前突感はなくなります。

たしかに成人の歯列矯正の場合は歯の傾斜を完全に審美的に理想的な状態にまで移動させることは難しいかもしれません。

しかし、抜歯をすることはお口の中を狭くしてしまうリスクがかなり高く、口の中が狭くなってしまうと舌の収まるスペースが狭くなり、呼吸の質という生きてゆく上でとても大切な機能に影響を与える可能性があるのです。

特に敏感な体質の患者さんの場合、抜歯による歯列矯正で機能に問題が出て悩まれる方も多いので小臼歯の抜歯はよく検討する必要があります。

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