- 2016.05.22
歯科業界なぜこうなった?
歯科業界にいても私も25年以上経ちました。
学生の頃から、日本の歯科の教育、歯科医師の姿勢には違和感を持つことは少なくありませんでした。
この疑問にある程度の答えが得られたのは、アメリカの大学を出られた先生との出会いでした。
私のいた環境がたまたま悪かったのかもしれませんが、有名な人気の講習会にもたくさん出ましたが、私のモヤモヤとした疑問に答えられる先生はいらっしゃりませんでした。
特に有名な先生にかぎって、肝心な治療で本当に困っていることを質問すると、たちまち逃げ腰になり、答えを出さず煙に巻くことがほとんどで、歯科で有名な先生は、この程度のレベルのなのかと、世の中の仕組みを理解するきっかけにもなりました。(有名な先生は殆どの場合は歯科業者と組んで名前を売るためどうしても偏った器具、材料を宣伝しなければならないという、臨床家としては矛盾を抱えることになりからです。)
日本の歯科がこんなにもひどい(少なくとも私はそうおもっていますが)のは、日本の歯科医師の平均的レベルの低さと患者さんの歯に対する平均的意識レベルの低さの両方によるもであることを理解するにはそう時間はかかりませんでした。
日本には国民皆保険制度があり、これで病院に気楽にかかれるのですが、医師や歯科医師にとってこれほど競争意識のないぬるま湯の世界はは有りません。
腕があろうが無かろうが、「同じ病名、同じと思われる処置」を施せば、全く同じ金額を請求でき、しかも国が7割を保証するという仕組みです。国が費用を保証するわけですから、ほとんどの診療がお役所からの仕事のようなもので、強く質を問われることはありません。また、ここで重要なのは「同じと思われる処置」という言葉です。
私が「同じと思われる処置」と表現したの文字通り「請求では同じ処置ですが、手間や内容は似て非なるもの」であることに他なりません。「手間をかければ経費は増え、技術を高ければ、医師に対する支払いコストは上がります」当然のことです。
つまり、同じ料金で治療をおこなうのであれば、コストをかけず、同じ処置をしたくなるのが当たり前のことですが、これが誤ったコストダウンや限界に近い低い評価の報酬では、内容までおかしくなってきます。
今の日本の歯科では、自由診療のみの歯科医院はまだ少ないですから、保険と自由診療とをまぜこぜの、混合診療、つまり、百円均一と高級ブランド品を同時に扱うお店がほとんど、のようになってしまっているもです。
ブランド品にはそれなりも品質管理が必要ですが、その管理が百円均一レベルで行われてしまう恐れがあり、実際にそのような医院がほとんどであるので、自由診療をうける価値があるのか疑問でしょう。
こうなってしまったのも、過去からの遺産である、国民皆保険制度を歯科で、引きずりすぎたからからにほかなりません。
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