- 2017.04.20
歯の治療と心の関係
歯の治療をしていると、患者さんの雰囲気が徐々に変わってくることに気がつきます。
歯科医であれば気づいている先生も多いと思いますが、「歯は心に大きな影響を及ぼしている」といえます。
また歯科医はよく「歯を見ればその人の人生が分かる」といいます。つまり「歯は心と身体、そして人生を映す鏡」でもあるのです。
私が矯正治療を勉強しようと、さまざまな講習会に出ているとき、症例の治療前と治療後をスライドで見る機会が何度もありました。
そして先生は触れることがありませでしたが、ほとんどの患者さんの顔写真で「髪型が全く変わってしまったり、着ている服の趣味が全く変わってしまったり」することがあるのに私は気がついていました。
「矯正していると何でこんなに激しく変化するのか?」当時不思議に思ったものです。
しかし、自分が矯正治療をしながら、頚椎や頭蓋骨の変形などを触診し、自分の体調変化を研究してゆくうちに、やっとその理由が分かるようになって来ました。
歯列矯正は口の中を広くしたり、かみ合わせを変化させて、大幅に顎の周囲や首周囲の筋肉緊張を変化させます。
それによって、頚椎の形状が変わったり、頭蓋骨の形状が変化するのは臨床のかなでは日常茶飯事です。
逆の例もあります。10年ほど前、矯正学会で見た症例報告では、良い状態だっ矯正治療前の首の形状が矯正治療後リバースネックに変化した症例が掲示され、それをみた私は「歯は診ているけど、首は見ていないだろうな?」唖然としたものです。
このような激しい変化によって、「患者さんの気分は一変します」これが上手くいけば今まで暗く、陰気だった人が一変して「明るく快活な性格」になったりすることも稀ではありませんでした。
このような変化が最も良く示すのが髪形と洋服の選択です。今まで黒を基調とした服しか着なかった患者さんが、突然明るい色味の服を着るようになったり、ロングヘアーを絶対にカットすることのなかった女性が、突然髪をばっさりショートヘアーにカットしたりするのです。(具合が良くなると邪魔になるみたいです)
このように明るい変化ばかり起こってくれるのであれば矯正は万々歳だと思います。
しかし、場合によっては逆に
「すっかり落ち込んで外に出なくなった」とか
「死にたいほど暗く辛い気分になった」という人も少なくありません。実はこれは精神病ではなく、東洋医学的な分析をすれば原因は一目瞭然です。
これは、かみ合わせを誤った方向に治療されることで起こります。
歯の治療とはそれほど注意が必要な治療なのです。
ですから、アメリカ人は自分の歯に非常に気を使いますし、歯がガタガタな会社社長も、政治家もほとんど見たことがありません。
怪しいと思われるかもませんが、患者さんを診療していると、「歯が良くなると運気が向いてきた」といわれることも結構あります。
実際に以前から願っていた留学が決まったり、海外赴任が決まったり、といった一体何故?と思うこともしばしばです。
実は私自身、歯の矯正をはじめて2ヵ月後に、マンションの一室のとてもわかりづらかった場所で行っていた診療所を今の場所に移転することができました。自分でも噛み合わせと運気との関係を身をもって知りました。皆がそうなるとは限りませんが、治療との相性が良いとこんなこともあると思います。
おそらく身体の軸が整うようになったり、歯にたまっていた汚れや悪いものが取れることによって、自分に良いエネルギーがたまりやすくなるのだと思っています。ただし、そこにいたるまでのプロセスも重要ですから、ただ歯を治せば良いというわけでもないと思います。
理論的に全てを説明することが難しいのですが、歯を良い状態にすることは何か目に見えない強い影響が人生にまで出ると今は考えています。
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