- 2014.07.16
なぜ親知らずは抜かなければならないのでしょうか?
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親知らずを抜かなければならない理由は?
10代後半になっても生えない親知らずは、もう生えるスペースがないためにきちんと生えないか、埋まったまま出てこない可能性があります。では、どうして親知らずを抜かなければならないのでしょうか?
1,骨の中に埋まったままであると、将来膿胞化する可能性がある。
埋まっている親知らずの歯冠(頭の部分)はエナメル質と呼ばれ、骨とつくことはありません。従ってその部分に膿がたまり、膿胞になることがしばしばあるのです。
年を取ってから見つかった場合、手術で摘出しようとしても、歳をとればとるほど骨は固くなったり、治療によるダメージが大きく、手術が難しくなります。できれば大学生ぐらいまでに抜歯しておく方が好ましいのです。
2,親知らずが中途半端に生えていると、第二大臼歯の後ろの部分が、親知らずと接しているため、歯が磨きにくく深い虫歯になリやすい。ここが虫歯になってしまうと、治療が非常に難しくなります。
親知らずと、第二大臼歯の間には食べ物のカスが入り込みやすく、虫歯が深くなっていることを頻繁に見かけます。
ひどくなってしまうと、第二大臼歯が抜髄、あるいは抜歯になってしまう可能性が高くなりますので、できるだけ早めに抜歯をしておくことが大事です。(25歳ぐらいまでには抜歯をしておく必要があるでしょう)
3,親知らずが最後臼歯に引っかかって、矯正治療が上手くいかないことある。
親知らずは、下の歯の場合、後ろから斜め前に向かって生え、最後臼歯に引っかかるように生えていることがほとんどです。前歯や奥歯の歯列の幅が足りず、矯正治療で歯を抜かないで歯が生えるスペースを確保するため、奥歯を後ろに起こす治療が必要な場合がしばしばあります。
後ろから押している親知らずは、最後臼歯を起こす治療の邪魔することからです。
つまり、埋まっている親知らずは矯正前、それができない場合でも、矯正後はできるだけ速やかに抜くことが必要です。
(成人の矯正治療では、ほとんどのケースで矯正治療前に抜歯を行います。高校生、中学生で矯正治療を開始する場合は、幼弱な親知らずの場合、却って抜歯が難しかったり、抜歯によるダメージが患者さんにとって強すぎることがあるので、矯正終了まで待ってから抜歯を行う場合が多くあります。この場合も適切なタイミングが来たらできるだけ速やかに抜歯を行う必要があります。)
親知らずがどうして大人になってまで残っているのでしょうか?
私の経験では、特に日本では大人になっても親知らずが残ったままになっている患者さんが非常に多い気がします。
これは、一般開業医で難しい親知らずを抜歯することにあまり積極的でないことがあげられます。
また、難しい抜歯は大学病院へ紹介するケースが多く、大学病院まで積極的に抜歯を受けに行くことを躊躇する患者さんが少なくないこともあるのだと思います。
歯科治療の重要性に対する意識の低かったり、怖くて治療を受けられない患者さんも多くいらっしゃるため、抜歯を薦められても積極的には治療を受けない場合もあります。
しかし、親知らずの抜歯は年をとればとるほど、難しくなります。それは年と共に骨が硬くなってしまうからです。また歳とともに、抜歯に対する体の抵抗力が落ちるため、治療後の治りも悪くなります。そして仕事を休まなければならないなどの条件が必要なケースが多く、治療を躊躇しているケースもあります。
また親知らずはいろいろな生え方をしており、場合によっては非常に難しい場合があり、口腔外科でも簡単に抜けるというわけではありません。可能であればCT撮影をして歯の位置をきちんと確認してから早めに抜くことが望ましいと考えられます。
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