PRO root MTA

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お役立ちコラムCOLUMN

2009.12.18

PRO root MTA

このページは2022年10月21日に更新されました。

PRO root MTA セメント

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当医院では、神経が露出した場合や虫歯が深く、将来痛みが生じる可能性がある歯に対しては、PRO root MTAセメントを使用しています。

この材料は、今まで使われてきたダイカルと比べるとはるかに神経の保存確率が高いと言えます。根のパーフォレーションなどにも使用します

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このように完全に神経が露出した場合でも、良く洗浄して、PROroot MTAを入れることによって神経を保存できます。PRO root MTAの歯髄保存効果はかなり高いといえます。ただ残念ながら、治療中にじわじわとした出血が認められる場合は歯髄の保存は不可能な場合が多いです。

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別の症例ですが、 レジンインレーを取り除くと、中に茶色みがかった色の虫歯が認められます。この虫歯の場合相当深くなっていることが予想されます。

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虫歯を感染に取り除くと、は本来の色になりましたが、神経が露出しそうな状態です。

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最も神経に近い部分に慎重にPROroot MTAを入れてゆきます。これがうまくいくと、患者さまもほとんど痛みが出ることがありません。

本当に虫歯を取り除くということ
虫歯を完全に取り除けているとは言えない治療が多くみられることは非常に問題です。わかりずらいと思いますが、本当に虫歯を取り除くこと自体が技術であり、それが出来なければ、虫歯の再発が起こり、治療の意味がなくなります

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治療前・・茶色い部分がところどころ残っている。

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治療後・・歯と同じ白い色だけしか認められない。

このような症例にいくら顕微鏡を使っても虫歯を取り残して治療が終わってしまっては、結果はよくありません。

また当医院では強酸性水をユニットに流しているために、虫歯を削った部分を洗浄すると、非常に殺菌効果が高いため、確実な消毒ができ、また治療中に万が一神経が出てしまっても、神経を救える確率が高いのです。(水道水をユニットに流している場合は治療中に感染する可能性があり、ここまで経過はよくない)

また、レジンは吸水性あるため、MTAの上に詰める材料としてはあまり適当ではありません(グラスアイオノマーの方が経過が良い気がします)。ちなみに虫歯を残したままMTAを詰めたり、レジンを詰めたりすると数年後に虫歯が大爆発していることがあります。しかも厄介なことに痛みはほとんどありません。

レジン充填を審美治療として好んで充填する先生がいらっしゃいます。しかしながら、残念なことに、どんなに良い治療を行っても、歯の再治療は必ず発生します。
どんなにきちんと点検し、作り上げた車でも必ず故障を起こすように、歯も24時間酷使されているのです。当然再治療のことは考えておかねばならないのです。

レジン充填は、コアー(土台)や歯に直接充填されたものでも、歯との境界が非常にわかりずらく、自分の歯を誤って削ってしまうことがしばしばあります。しかし再治療の場合はレジン材料の劣化等を考えて、必ずすべて除去しなければならないのです。ですからこの治療法はあとで治療を行う先生にとって非常に厄介です。

このような除去が困難な材料を使う治療は、もはや後で治療をやり直す先生のこと考えない、極めで独善的な治療となってしまうのです。私もこのような治療の患者さんを再治療するのにずいぶん泣かされてきました。もう少し人間の体というものを考えた治療をしていただきたいものです。

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