治療の明暗を分ける噛み合わせの診断!

  治療の明暗を分ける噛み合わせの診断!

お役立ちコラムCOLUMN

2009.12.18

治療の明暗を分ける噛み合わせの診断!

どのような治療を行うにしてもそうですが、治療において診断はもっとも重要なプロセスです。

歯の治療ははよく航海にたとえられます。

矯正治療では、「今の噛み合わせ」が「生理的に正しい噛み合わせ」からどれだけずれていて、どう正しい噛み合わせにするのか?
それを分からずに治療をはじめることは、今どこにいて、行き先がどのなのかも知らずに航海に出かるようなものなです。

セファロレントゲン分析からわかること
セファロ分析(下の写真)からは、首の骨がリバースカーブ(逆ぞり)になっていること、気道が狭くなっていることがわかります。

下の写真が実際の口の中ですが、歯並びのアーチが狭く、舌を置く十分なスペースもありません。このような歯並びのタイプの人は睡眠時無呼吸症候群をおこしやすく、疲れが取れにくい体質になります。

また頸椎(黒の矢印)にも正常なS字状のカーブがなく頭を上手に支えることができていません。この患者さまは実際絶えず首のこりや痛みに悩まされていました。
このような状態は矯正治療で改善が期待できます。

このような症例では抜歯矯正をすると歯列の幅が狭くなり、ますます体調が悪くなる可能性があります。

この症例では歯を抜くことはできるだけ避けるべきという診断になります。(このような症例は実は日本人には非常に多いのです。それは日本人の骨格と関係しています)

顔は左上がり、顎は右上がりになっている

模型分析
模型には様々な情報が満載されています。歯型を見ればその人の性格、癖、そして習慣がわかるほどです。

左の写真は歯ぎしりを分析するブラキシチェッカーと呼ばれるフィルムです。

これをみると歯ぎしりがどの歯で行われているのかわかります。

この写真ではしとくに右上の4番が強く当たっており、顎が右に動かそうとしていることがわかります。このことから、噛み合せが左にずれていることが予想されます。

左の模型の写真から上のかみ合わせの面が右に傾斜して下がっていることがわかります。

このような場合、かみ合わせが、左にずれることが多く、そのズレがいろいろな不定愁訴の原因になることがあります。

最近の矯正の診断のトレンド
セファロ分析は、つい最近までは矯正治療の王道といわれ、数値によってわかりやすく診断ができました。
しかし、CTスキャンの普及とともに、2次元的な分析では噛み合わせや顎のゆがみの診断は不十分であることがわかってきたのです。。
CTでは次のようなことがわかるようになって来ました。。
1、舌や位置や気道の大きさ(呼吸が正常に行えているかがよくわかります)
2、頚椎の3次元的歪み
3、顎の位置の歪み
これらを考慮して矯正と噛み合わせの関係を理解し、診断に生かす必要が今後ますます必要になって来るでしょう。
当院での噛み合わせについての考え方はこちら

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