矯正治療それぞれ(でも本当は?)

  矯正治療それぞれ(でも本当は?)

お役立ちコラムCOLUMN

2011.06.28

矯正治療それぞれ(でも本当は?)

矯正治療ほど、難易度に違いがある治療は歯科では他にありません。
よく、ホームページのフレーズで、「1年で終わるスピード治療」なんて私でも"くらっ"としてしまう言葉がちりばめられたページを見かけます。
もちろん、中には簡単な症例もあるでしょう。
一年で終わらせることが可能な矯正治療はないとは言いません。
しかし、それは単に「歯並びを治すだけなら」という条件付きです。
単に歯並びを治しても、体全体からみて、「傾いた船の上で、なんとか傾いた中で安定した状態」というのが非常に多いのです。
この場合ほんの少しでもバランスが狂うと一気に船は沈没してしまいます。
体も同じです。歯並びが一見治ったように見えても、体のバランスが全然治っていな場合がほとんどです。
咬み合わせがバランスがとれているか、誰でもわかる一番簡単なテスト方法は、鏡で自分の左右の目じりを結んで線を引いてみます。そのラインと、ニコッと笑ったときの上の歯列のラインを比べてみます。
バランスが悪い人は、そのラインが目じりを結んだ線に対して右上がりか、左上がりになっています。
右上がりの人は右側に、左上がりの人は、左側に咬み合わせがずれていることがほとんどで、肩コリや、首の痛みが、ずれている側におこりやすくなります。
本来は矯正治療でこれを治してあげることが必要ですが、先生が歯並びしか気にしていない場合、治っていない事の方が多いようです。
人によっては、緊張が左右とも強くなりすぎて、どっちに歯列が上がっているのか、私でも判断できない事もあります。そんな人の場合は、単に首こりや、肩の痛みだけでなく、内臓にまで問題が生じていることがあります。
またデーモンブラケットのように、筋肉の力を抜いてくれるようなソフトな力で動かす矯正装置を使うと、筋肉がゆるみ、治療とともに、左右の歪みがよくわかるようになります。
私も患者さんを矯正治療している時、顔がどんどん片方に歪んでくるので、治療を失敗したのかと非常に焦ったりしましたが、実際は緊張が取れてきて治っている過程であることに気が付きほっとしました。
矯正治療は、首から上の筋肉の緊張を取り除いてくれるので、うまくやれば、他の内臓などの疾患の原因である、頸椎や、腰椎のズレ等も治ることがほとんどで、非常に慎重に行わねばらない治療だと思います。
ということは逆に悪くなる可能性も十分あるということです。

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