EBMとは?

  EBMとは?

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2017.11.16

EBMとは?

EBM(evidence-based-madicine)は近年盛んに医療業界でも歯科業界でも盛んに言われています。

たしかに、全く根拠のない治療をすべきではありません。しかし、実際に臨床で治療をしていると、根拠に基づいた治療(EBM)だけで患者さんが治るかといえば、それは非常に難しいといえます。

私も研究者として4年以上大学で動物実験をしたり、細胞培養をしてきた経験で考えますと、科学(science)とはあくまでもある程度予測を立て、それに対して証明する手順であり、現在の科学技術で証明できるものに限られます。

昔は機器や機械の精度から証明が難しかった治療手法や薬剤の作用起序なども技術革新とともにだんだん証明が進み、それをEBMと呼んでいるわけです。そう考えるとEBMとはある程度結果がわかっているものに関して証明してゆくものと考えられます。つまり治療におけるEBMとはすでに、ある程度手法の効果が認められていたことを証明しているにすぎません。

ということは、はじめに治療技術があり、それが証明された後にEBMとして一般的に使われる様になるということです。
実際には治療効果がありながら、現在の科学技術的に証明できない技術はたくさんあります。

特に東洋医学的な経絡の概念、そして人同士の影響や正気や邪気の概念、生命エネルギーの概念などは、科学的に証明を行なうことができるようになるのは相当未来のことになると考えられます。
私も顎関節症の治療は研究し始めた頃は、何故これで治るのかは分からないが、治す方法をがたくさん見つけました。そして年を重ねるごとに治るメカニズムがわかってきたので、その都度本ホームページで公開しています。しかし、特に東洋医学的な感覚は証明が難しいです。

治療技術は必ずしも全て証明できるものばかりではないです。それらに関してはあくまでも確実に結果のでる手順に従って行なうことで望む結果を出せると理解しています。携帯電話の構造や仕組み、何故離れたところとやり取りできるのかを知らなくても電話をかけたりメールを送ったりすることができるのと同じ考えです。そこには間違いを犯さないためのルールを持つ必要があり、そのルールを守っている限りよい結果を生み出すことが可能なのです。

つまりEBMがない治療が絶対にだめというわけではないということです。全く適当な勘で行われた治療は困りますが、使いこなされた経験や技術を用いた治療は、たとえ今の科学でEBMがあると証明できなくても効果が出せれば、活用すべきですし、そこに医療人としての裁量権というものがあると理解しているのです。そういった意味でEBMに強い西洋医学も、逆にEBMに弱い傾向にある東洋医学もいずれの良い点を使いこなして治療を行うことがよりよい結果を出すためには必要だと考えるのです。

しかし実際には東洋医学の本当の技術が伝わりにくく、漢方薬の診断や、気功技術なども、本当の技術を持っている人が実際には少なく、間違った方法で行なわれていることがほとんどで、本物を探すのは非常に難しいといえます。

歯科治療に関しても、本当の技術をもっている人は非常に少なく、虫歯の治療手順すらきちん理解して正しく行なえる人は相当少ないと考えられます。

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