エネルギーと治療

  エネルギーと治療

お役立ちコラムCOLUMN

2016.09.07

エネルギーと治療

ほとんどの医師や歯科医は考慮しないでしょうし、また信じようともしませんが、「エネルギー」というのは治療にとって非常に重要な意味を持つと思います。

一番わかりやすいのが、打撲などの怪我です。

ものが強く当たったり、強くねじられたりすると、捻挫やひどい打撲となって治りが非常に悪くなります。

これは、物理でも習ったと思いますが、例えば速いスピードでぶつかってきたボールが身体に当たると、強いエネルギーが一瞬にして身体に吸収されたことになります。なぜならボールはとまり、持っていた運動エネルギーが一瞬でなくなったように見えるからです。

当たった時に持っていたボールのエネルギーは実は全て身体に吸収されてしまったわけで、そのエネルギーの量に応じ、組織が完全に破壊されていなくても、運動エネルギーから変化したエネルギーが蓄積し、組織の治りは悪くなります。

ですから、できるのであればこのような場合でも、その過剰なエネルギーを取り除いてあげることが出来れば、治癒は早くなるわけです。

歯の治療でも同じで、歯を抜いたり、歯を削ったりする際、強引に行ったり、強い力をかけて行うと治りは悪くなります。これはその場所に不要なエネルギーを与えることになるからです。

一番わかりやすいのは抜歯です。

学生のころから先生が抜歯するのを見て来ましたが、口腔外科(歯の抜歯やガン、腫瘍などの治療を専門とする科)の先生の中には結構力任せに歯を抜く先生もおり、そういった先生の治療後に限って、腫れがひどかったり、治りが悪かったりしていました。

そのときははっきりとは気がつきませんでしたが、「先生が力任せに麻酔や、抜歯をすることによって、強いエネルギーを患者さんに傷口に埋め込んでいる」ということに最近気がつきました。

私も歯を抜くときは出来るだけ力任せには行わないで、時間がかかっても出来るだけ傷口にエネルギーの負担が残らず、内部のエネルギーを開放するようにおこなうと、治療後の経過は非常に良く成りました。

目には見えなくてもこのようなエネルギーを考えて治療を行うべきなのだと思うようになったのです。

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