審美という名の治療と裏にある真実

  審美という名の治療と裏にある真実

お役立ちコラムCOLUMN

2017.06.09

審美という名の治療と裏にある真実

日本の審美歯科治療は保険制度の崩壊とともに急速なスピードで浸透し、ほとんどの歯科医がインプラントの次の波といわんばかりに、セラミックや審美レジン修復を取り入れています。

私自身が顎関節症と噛み合わせの専門として、トラブルに見舞われた患者さんを診ている限りでは、審美歯科治療は患者さんの精神や全身の状態を蝕むほどの本当に恐ろしい治療だと思うことが何度もありました。

特に臼歯部に審美治療を施された場合、人にもよりますが、人生が180度違ったものになっり、顔は崩れ、体調は常に不調、気持ちも常にふさぎこむといった状況になった人をたくさん見かけることがありました。

また、審美的な理由で無理に前歯を引き下げる抜歯矯正も、多くの場合、その人の人生を180度ひっくり返してしまうほどのリスクがあります。顎が後ろに下がってしまうので、呼吸器系や自律神経系に大きなダメージを与えてしまいかねない治療なのです。

奥歯の治療ではアメリカではアマルガムやゴールドによる修復治療が一般的です。しかし、日本ではすでにアマルガムは生産されなくなり、まるで悪者のように思われていますが、そもそもは東京医科歯科大学での汚水の処理の管理不足が発端となって、使用が制限されたため、日本で虫歯の治療に欠かせない優良な材料が今にも日本から消えそうになっています。

またゴールド(金)も歯科用の材料としてはほとんど売れていないといううわさを聞きました。

保険診療で金銀パラジューム合金を使った診療は審美面から嫌がられる場合がありますし、歯科医院も採算が合わないなどの理由で、レジン充填をする先生が増えていることを考えると、ほとんどの患者さんがレジン修復や、セラミックなどの咬合に不適切と思われる審美材料による歯科治療を受けていると考えられます。

噛み合わせの専門家として、審美治療は実は体調不良の大きな原因と考えられるので、この様な日本の状況にはゾッとします。

保険制度上の問題から、インプラントやレジンセラミックが取り入れられはじめた20年ほど前より日本人の口腔内環境と咬合の環境とが恐ろしいほど劣化しているのではないかと思いますが、そのあたりから過敏症やアレルギーのひどい人などお医者さんで手に負えない患者さんが急速に増えています。

私は日本の歯科医療が崩壊し、インプラントや審美歯科治療、そして審美矯正が増え始めた時期と重なっているのは偶然とは思えません。

私の医院で勤務しているスタッフの中には、審美的要求でアマルガムを除去し、レジン修復にしたとき、本当に感動するぐらいきれいになったと感じましたが、審美性を手に入れた代償に急速に体調不良になり、原因不明の頭痛や動悸に見舞われる様になったと語っています。

そして、そのレジンを当院でアマルガム修復しなおすことで、見事に復活しました。歯科医療とは本来なんであるかをそのスタッフも再認識したようでした。

何を隠そう私自身も歯科に対する認識レベルが低かったのですから、偉そうなことはいえませんが、日本の歯科医療は世界的に見て決して高いとはいえません。保険制度の問題から、大丈夫か?と思うような自由診療が増え続けています。

そしてインターネットの情報を操作して、自分の都合の良いようにしている歯科医院が多く存在することは、実際の臨床で患者さんを診ている歯科医からするとどうしたものかと考えてしまいます。

私が今最も危惧しているのは、今のような歯科治療の異常な状態が蔓延すると、歯科治療を受けたほとんどの日本人の身体は、バランスを破壊され、力が十分に発揮できなくなり、場合によっては日本自体の競争力がなくなってしまうのではないか?と恐れているのです。

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