- 2014.04.03
根管治療のやり方で技術レベルがわかる
歯の治療の中で、根管治療と矯正治療は特に高い技術が必要です。
今回は根管治療について書かせていただきます。
日本では根管治療は当たり前というのが正直なところです。根の治療になるので、通常ですと歯の神経はなくなっており、「寿命もほとんど尽きかけている歯」と言えるのですが、日本では簡単に神経を取ってしまう傾向があるので、このような歯の治療が意外に多いのです。
一方その治療の仕方ですが、アメリカでは訴訟になってしまうような低レベルな治療が横行しているのも日本の特徴です。
これも御上が決めた保険制度のなれの果てです。
根管治療は、もしきちんと行うのであれば、顕微鏡を使用するのはぜひ必要です。
また、日本ではまだ使う先生が圧倒的に少ないのですが、ラバーダムを使用することは必須条件ではないでしょうか?これは細菌が治療中の歯の根に入らないために必要なのです。
また、もし顕微鏡を使ったとしても、それをきちんと使いこなすには、相当の修練が必要です。これは、根の治療がほとんどミラーを使って行わねばならないので、上下左右が逆になったものを見ながらミクロン単位の治療をする必要があるからです。
これを考えれば、脳外科のマイクロサージェリーは根管治療よりはるかにハードルが低い治療だとわかります。
ですから、顕微鏡を使った治療を行うというだけでも相当ハードルが高くなるわけです。おそらく、死のリスクさえ除けば、医療でこれより難しい治療はないでしょう。
また、よく根の治療で、かぶせものをすべて外してしまう写真がホームページ等で紹介されていることが、これはあまり好ましい治療とは言えません。
このような治療をしていると、根の治療中が仮止めが取れやすく、いったん仮止めが取れてしまうと、中に細菌が入ってしまうので、歯の周りを削ってしまうことは勿論、かぶせものを外すのも、やむを得ない場合以外行わないほうが良いのです。
特に奥歯の場合は、かぶせものを外してしまうと、根の治療が終わるまでの間、かみ合わせががなくなり、顎全体の、かみ合わせが変化してしまう可能性があるので、絶対に外すべきではありません。
真ん中から穴をあけて治療を行うべきです。右の写真がそのやり方です。
また患者さんがよく勘違いされているのですが、痛みが消えたとたんに根の治療をしている歯でかもうとしますが、これは絶対してはいけません。
歯が折れてしまうからです。
この様に根の治療ひとつとっても、なかなかその実情を知ると難しいことが多いのです。
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