質の評価ができない医療

  質の評価ができない医療

お役立ちコラムCOLUMN

2019.07.29

質の評価ができない医療

一般的に、われわれが商品を購入する際には、その品質を確かめることがほとんどです。

それは、購入してもすぐに壊れたりしては、いくら安く買えたとしても、結局は損になると考えるからです。

ところで、一般的な商品における品質は一体どうやって決まってくるのでしょうか?

日本では製品の品質は高いと考えられていましたし、実際その信頼性が"Made in Japan"のブランドとして世界からも高く評価されてきました。

これらの「高い品質の評価」を得るために部材の調達から、組み立て、そして製品の動作チェックなどのいくつかの工程をマニュアル化し、高い品質の製品として送り出してきた結果といえます。

ですから、「品質管理」と呼ばれる、さまざまな作業の工程の管理しかたで、その会社の製品の品質は決まってくるわけで、日本のもの作りではその能力は高く、その考え方を世界標準化したものが「ISO90001」であるといえるです。

一方医療においては治療を提供する場合、「品質」という言葉では不適切であるため、、ISO90001では治療の「質」という言い方をし、治療における品質管理を「医療の質管理」と呼んだわけです。

残念ながら、医療の場合は先生の考え方によって治療法にはばらつきがあるうえ、患者さんごとに体質も感受性もそれぞれ異なっているので、何をもって「医療の質」と判断するがは非常に難しかったわけで、ここをISO9001でも焼きなおしに相当の苦労をしたようです。

そんな中でも医療業務には、質に大きく関与していながら、なおかつ機能的に管理できる部分があることも確かです。

例えば、治療に使用する機器、器具は正しく機能しているかといった機器のチェックが出来ているかどうかは治療結果を大きく左右します。機器機械は突然故障することもあり、異音や動作のちょっとした異常などに常に目を光らせておく必要があります。また定期的なメインテナンスが必要な機器もあります。

また、そもそも購入する機器に関しても、どのような機能を持つかを十分精査し、比較検討して購入を行うことで、治療結果にも大きな差が生じてしまいます。

本ホームページでも紹介していますが、CTスキャンなどのレントゲン機器などは、メーカーによって撮影による精度が全く異なります。つまり、正しく診断結果や適切な治療ができるかどうかが機器の選定によって決まってしまうこともあるのです。

また、治療にとても重要な器具の滅菌管理についても、管理方法によって治療結果に大きな影響を与えてしまいます。これらはマニュアルなどによる正確なルーチンワークが要求されるのです。

医療の場合、質に影響を与えるものが非常にたくさん存在し、またそれらが複雑に絡み合っているために、先生の治療行為そのものが適切でなかったのか?、治療環境が悪かったのか?、それとも患者さん独自の問題であったのか?といったことを判断することが非常にむずかしくなってしまうのです。

私どもISO9001を取得して10年間サーベランスを受け、その経験から「医療(歯科医療)の質」について管理すべき項目について理解し、それを実践することによって治療の効率化と治療の予知性を得ることが出来たのです。

1、感染対策の管理は治療におけるもっとも重要で、結果に影響を及ぼす作業である。

2、診療の効率化や、滅菌消毒の効率化は、スタッフの負担を減らし、余裕を持った診療アシストを行うことが出来る。

3、IT化によって在庫の管理を適切に行うことで、治療に用いる在庫不足や、使用期限の管理が容易になり、診療におけるストレスが軽減し、治療にゆとりが生まれる。

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