- 2014.07.25
歯科医療は世界のトレンドへ
インターネットの発達のおかげで、日本の歯科界もようやく、世界的なスタンダードな治療への移行が始まってきたような気がします。
NHKで取り上げられたインプラント問題や読売新聞で取り上げられた感染予防対策など、世界では議論も終わっているような内容ですが、やっと日本でも一般の人に知られるようになりました。
インプラントはアメリカでもヨーロッパでも訴訟の嵐ということは20年以上前から聞いていました。インプラントが矯正治療にまで使われるようになったときは、矯正部門の営業マンは「怖くてできるだけすすめたくないが、使う先生がいる以上我々も販売しなくてはならない。」と複雑な心境を語っていました。
私はこのホームページで10年以上インプラント反対の立場を理論を持って解説してきました。
以前ポルトガルの先生が開発したツーバイフォーという総入れ歯にインプラントを使う治療法が非常にはやりましたが、最近は全く聞かなくなりました。
またインプラント治療を受けるのに、慎重な患者さんも増えているようで、最近はインプラント治療の需要は下降傾向だそうです。
歯科用顕微鏡を私が初めて知ったのは1991年ごろで、当時は東京医科歯科大学の根管治療OPE室に1台、何千万の顕微鏡があり、OPEを見学しました。
当院で購入したのは2004年でしたが、当時はほとんど顕微鏡を持っている医院はありませんでした。しかし今では顕微鏡歯科はかなり一般的なものとなってきました。また当ホームページでも顕微鏡の良さは、詳細に紹介してきました。今では、根管治療ではぜひ必要な機器であることも認知されてきました。
タービン等の感染予防に関する話は私はすでに20年ほど前に聞かされていましたし、日本で一般的に売られている滅菌器が実はきちんと滅菌できていない事実を知ったのはもう8年以上も前です。当時は武骨で非常に大きなクラスB滅菌器しかなく、病院に置く場所がなく、買うのを断念した覚えがあります。
その滅菌器もコンパクトなものが見つかり、やっと購入でき、滅菌に関しても、私のホームページでも薦めていたクラスBの滅菌器もやっと日本で売れ始めてきたようです。時間はかかりますが歯科医療も一歩づつ変わってきています。
とにかく医療の分野は特殊な分野だけに、正確な情報が海外から入ってくるのは時間がかかるようです。
私自身、ホームページというツールを用いて、最新歯科医療の情報を患者さんだけでなく、歯科医療関係者にも、にわかりやすく伝えてきたつもりです。もし、私のホームページがこのような歯科界の変化に少しでも貢献できたとしたら本当にうれしく思います。
今後、課題になってくるのは、患者さんの歯科医療に対して、コストや治療を受ける価値についての意識改革と、歯科医療教育自体の遅れ取戻し、をどう取り組むかでしょう。
私自身大学病院に在籍中、本当の世界の歯科のトレンドについて全く知らなかったことに気が付いた時には正直焦りました。
材料の営業マンたちの中には多くそのような情報を持っている人がいますが、大学という教授という一大権威のもとで成り立っている教室という世界では、なかなか本音はしゃべってくれないのです。
本来正しい教育をすべきこのような組織が現在の歯科医療界の最大の癌ではないでしょうか?
また、患者さんも、歯科医療がいかに人間の身体の不具合と関係しているかを知っていかなければならないと思います。
また、歯科治療自体の技術レベルの高度さ、そして、当然かかる費用はそれなりに高額であるということ、そして、それゆえ健康のために歯を大切にすることが非常に大切であるということを知ってもらう必要があると思うわけです。
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