本心は裏切れない

  本心は裏切れない

お役立ちコラムCOLUMN

2014.07.29

本心は裏切れない

先日、テレビを見ていたら、池上彰さんがバブルの話をしていました。

話が進むうち、当時バブルに踊らされ、多額の借金を背負わされた人が、当時を振り返り。
「銀行マンも、このままバブルが続けばいずれどうなるかわかっていたでしょう、しかし、おかしいと思いながらも当時の状況では変な営業でも、続けるしかなかったのでしょう」と語っていました。

もちろん、銀行マンもその道のプロですからいつかは異常なバブル景気に終わりが来ることは分かっていたでしょう。しかし、必要もない、おかしな融資を繰り返した結果、ついに、バブルの崩壊と、銀行の信用失墜を引き起こしてしまいました。

医療業界は世の中の他の業界のブームから10~20年遅れで来ると言われています。

私が何気なく、一般の業界の常識でふと医療界を見ていると、今医師や歯科医がまさしくバブル崩壊のはじまった頃のような医療業界信用崩壊が始まっているのではないかと思わせる事実がたくさん起こっています。

歯科では、つい最近起こり始めたインプラント問題や、感染予防の問題、そしてこれからはホワイトニングや、審美治療(マウスピース矯正など)、ヒアルロン酸注入(こんなことを歯科て行っているとは知りませんでした)が問題になってくるでしょう。

医科では、「C型肝炎は治療できます」と盛んにCMで流していながら、実際は副作用による死亡例がたくさん発覚したり、「子宮頸癌の予防接種を受けましょう」と盛んにプロモート活動していた結果が、副作用で中学生が重篤な状態に陥り、結局予防接種は控えるべしという結論になりました。そもそもプロモート活動が必要であったのでしょうか?

我々医師はその道のプロです、臨床に長年携わっていれば、どんな治療が経過が良くて、どんな治療が経過が悪いのかはわかっているはずです。

歯科で言えば、審美目的で治療を行えば本来の歯の治療は絶対うまくいかないでしょうし、インプラントも本当にお口の中を長い期間保証することを考えれば決して行わない治療でしょう。特に人生の終末にどうすべきかは考えておくべきことなのです。歯は完璧に磨けなくなり、感染を引き起こしやすくなりますが、リスクが高すぎて抜くこともできません。

診療の帰りに、それほど出っ歯でもないのに、審美ブラケットの矯正装置を装着され、すでに歯を抜かれている中高生を見かけます、「この子の将来はどうなるのか?きっと大人になってどんどん体調は悪くなるだろう」と思うと心が痛みます。審美ブラケットを使う先生は審美のことがメインで治療を行っているに決まっているからです。

よっぽど無知で不勉強な人でない限り、歯科医師や医師は本来どの治療が患者さんにとってプラスになるか、ならないかは、実際に治療をしてみた感触で、心の奥底では絶対にわかっているはずだと思います。しかし、自分の生活のため、名誉のため、お金のために、心とは裏腹な治療をついやってしまうのです。

私が見てきた限りでは、そのように心を裏切った治療をし続けると、その人の顔つきは悪くなり、家族やその周囲にトラブルが頻繁に起きるようになっているのを見ます。

一見お金持ちで幸せそうに見えながら、実は毎日酒におぼれ、いい年をしてスポーツカーを唸らせ憂さを晴らしていたり、子供が不登校になったりと、一体どうしてこんなことになるのかといった周りから見ると理由がわからないトラブルを抱えているのです。

でも、結局はその人の生き方に問題があるのでしょう。

やはり、「人にやってはいけないことをしていれば、必ず報いが自分に戻ってくるのだろうな?」といつも思っています。自分もそうならないよう気を付けなければなりません。

今の世の中そこまでしなくても生活できるはずなのに、どうしてそこまでしてお金を稼ごうとするのか?しかも医師というそれを絶対してはいけない立場なのに何故?としばしば思うのです。

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