日本の歯科医は悩める存在である

  日本の歯科医は悩める存在である

お役立ちコラムCOLUMN

2013.09.22

日本の歯科医は悩める存在である

私が歯科医になって最初の3年間は、「歯科治療は本当にこれでいいのか?」

といった疑問の毎日でした、大学に残っている先生はいろいろなことを教えてくれたのですが、実際自分が行っている診療や教えてもらった診療は、「はたして本当に治っているといえる正しい治療なのか」というようなものばかりでした。

私も先輩に治療を受けた時、その先輩は、私が治療に疑問を持っていることに気が付いたのか「おれのやっていることは間違っていない!」と繰り返し言っていました。

しかし、今考えると、日本の歯学部では、教授陣の質の悪さ、教官のレベルの低さから、きちんとした治療技術を教えることができる人はほとんどおらず、それが日本の歯科医療のスタンダードを作っているので、いくら間違っていないといっても、教育自体が間違っているので本当の意味で治っている治療ができる先生は自力で勉強している先生しかいないといえます。

残念ながら、当時先輩に治療された歯は、私の中で、今でも一番問題を抱えた歯になってしまいました。

私はラバーダムをして虫歯を取り除きますが、ラバーダムをしているという、非常に条件の良い見やすい状態でも、熟練している私が治療をしても、20分ぐらい虫歯の除去にかかることがあります。

しかし、日本のほとんどの歯科医はラバーダムをしません。これで虫歯が完全に取り除けるわけがありません。これは世界の歯科医師では常識で、きちんとした治療をする先生は防湿(ラバーダムなどを用いた)を何よりもきちんと行います。

日本の患者さんの、再治療のほとんどの原因は虫歯がきちんと取り除けていないことです。これを知らないで治療を受けている患者さんが、今でも日本ではたくさんいらっしゃいます。なぜなら、虫歯を完全に取り除く教育を大学で受けた覚えのない沢山の歯科医が治療を行っているからです。

私と縁があった先生には、少しでもこの技術を教えようと思っていますが、自分が治療ができていないと思っている先生が少ないので、教わりに来る人もあまりいません。

虫歯を取り除くごくごく基本的なこともそのようなレベルなので、かみ合わせを含めた全体的な治療など望むべくもないでしょう。

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