医原性顎関節症とは?

  医原性顎関節症とは?

お役立ちコラムCOLUMN

2024.11.20

医原性顎関節症とは?

このページは2024年11月20日に更新されました。

実はあまりメディアや、医院のホームページではとりあげませんが、余計な歯科治療を受けたために、歯のトラブルだけでなく、全身の不調にまで見舞われている例は非常に多いです。

歯科業界や医療業界でも今は経営至上主義にシフトとしているため、マウスピース矯正やインプラント、審美治療などの素人が飛びつきやすく儲かる自由診療を積極的に導入している医院が増えており、このような院で治療を受けた場合、治療直後だけでなく、長い経過の中でトラブルに遭遇する確率は非常に高いといえます。

その中で今回は、歯列矯正で噛み合わせに対して不適切な治療をされたことで起こる全身の症状について書かせていただきます。

歯列矯正の治療のやり方の問題で起こる顎関節症(顎だけでなく全身にまで様々な症状が起こる症状)について書いてゆきます。

顎関節症とは?

顎関節症は、一般の方でもよく耳にするようになったポピュラーな病名なってきたようです。

しかし、実際にその疾患のほんとうの恐ろしさが一般的に知られるようになってきたとはまだ言いがたいのではないでしょうか?

普通、患者さんが「自分は顎関節症かも?」と気がつくきっかけは、「口が開きにくい」、「しゃべっていると顎が疲れる」、「顎がだるい」、「ものを食べると疲れる」といった症状ではないでしょうか?

また少しひどくなってきて「顎のポキポキ鳴る」、といった不快な症状から「顎からジャリジャリといった音がする」といった症状へ変わり、「次第にものが噛みにくくなり」、「頭痛や目の痛み」までてくるころに慌てて歯医者さんを探す人も結構いらっしゃるでしょう。

いずれも、本人が自覚しやすい症状です。

しかし、顎関節症のなかには、「不定愁訴」と呼ばれ、病院にいっても、原因も治療法もわからない多種多様の症状を引き起こすものがあり、それが噛み合わせや不適切な歯科治療と結びつかず、症状から他科の受診しいつまでも症状が消えないということも少なくないのです。

噛み合せの治療で改善が認められる顎関節症と考えられる「不定愁訴」の症状には以下のようなものがあります。

呼吸に関するもの

「睡眠時無呼吸症候群」「呼吸が浅い」「動悸、息切れ」

身体の症状に関するもの

「頭痛」、「指の関節などのむくみや痛み」、「手足の関節の痛み、違和感」、「股関節の痛み」、「背中や肩甲骨の痛み」、「ひどい猫背」「生理痛」

思考や、やる気に関するもの

「疲れやすい」、「ネガティブな思考」、「怒りやすい」、「情緒不安定」

顔の症状に関するもの

「顔面チック」、「表情のこわばり」、「眼瞼下垂」、「吹き出物」

その他の疾患

「自律神経失調症」、「鬱」、「多動性症候群」、「自閉症」、「甲状腺機能亢進症」、「橋本病」、「シェーグレン症候群」、「関節リュウマチ」など

これらの症状や疾患は、歯科治療とは結び付かな用に見えますが、歯科治療をすることで治るケースが非常に多く、特に噛み合わせを治すとその変化は大きく、実際に治療を受けた患者さんは人間の身体のバランス(ホメオスターシス)の維持にこれほど関係しているのかと驚かれるのです。

つまり、経営ありきの歯科治療では不適切な治療によって通常では感がれられないような症状が出てくるということです。  

上のイラストは、左が正常な人の噛み合せ、下は、抜歯矯正後、顎が後ろに下がり、筋肉にアンバランスが起こった状態を示したイラストです。

不適切な知れる矯正で、首や頭蓋骨、さらに肩甲骨や胸骨にまで変化が起こり姿勢や呼吸にまで影響が出ることを示したものです。

上は骨の名称、下は筋肉の名称を示したものです。

このイラストでは「茎突舌骨筋」が緊張することによって「舌骨」の位置が後ろに下がり、気道が狭くなります。「胸鎖乳突筋」が強く緊張することによって、「側頭骨」が下に引かれ頭蓋骨が変形している様子が見られます。

「側頭骨」の中には「聴覚器官」が入っているため、「側頭骨」を含めた頭蓋骨の一部が変形することによって、「聴覚異常(耳鳴りなど)」「平衡感覚の異常(めまいなども含む)」の原因となることがあります。

また後頭部についている「上頭斜筋」、「小後頭挙筋」、が緊張することによって「環椎(第一頚椎)」「軸椎(第二頚椎)」が後ろに引っ張られるため、頚椎のソリが「リバースカーブ(逆ゾリ)」になります。この異常なソリによって、頚椎の中を通る脊髄が圧迫され、髄液の流れが素材され、手足や内臓にまでつながる神経に影響が出ます。

また頭蓋骨の後下部も下に引かれることによって「後頭骨」を含めた頭蓋骨が下側に変形し、脳の一部が圧迫され、思考にまで影響が出ることがあるのです。

また「肩甲骨」と「舌骨」の間にある「肩甲舌骨筋」と「胸鎖乳突筋」が緊張することによって、「肩甲骨」が前上方に引き上げられ、「鎖骨」と「胸骨」は後上方に引き上げられることによって「胸郭」が狭くなり、呼吸がしにくくなります。顎周囲の筋肉が緊張することによって、さまざまな骨格に影響がでることを考えると、噛み合せが悪いことによる顎関節症は全身にも深刻なトラブルを引き起こすことがわかるのです。

RECENT POST

CATEGORY

ARCHIVES