医院における材料等の安全管理

  医院における材料等の安全管理

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2009.06.26

医院における材料等の安全管理

このページは2022年10月21日に修正されました。

本医院で最近、多く起きたヒヤリ、ハット事例と、その改善には以下のものがあります。
ヒヤリ・ハット事例と、その改善代表例
1. 麻酔薬によるアレルギー、体調不調(オーラ注という麻酔薬は注射後に体調不良を訴える人が多くいました。今はその原因と考えられていた保存料のメリルパラフェンは入っていないようです。)
しかし、当医院では、治療中気持ち悪くなったり、貧血を起こしやすくなる人が非常に多かったです(薬剤に対する感受性は人によって異なります)。メーカーは安全と言っていますが、私は個人的には臨床の経験からいつ何がおこるかわからない危険な薬剤ではないかと思っています。
今は当院ではキシロカインを使用しています。キシロカインオーラ注の時に起こった問題は今のところほとんどありません。
しかし価格がオーラ注より高いのです。また、まれに麻酔薬のリドカイン自体にアレルギーがあり、浮腫を起こしたり、気分が悪くなる人がいます。
このような場合はキシロカインを使用することができずシタネスト(エピネフリンが含まれない麻酔薬)を使いますが、使用期限が短いのと、麻酔が効きにくい欠点があります。


2. ラテックスアレルギー(まれにラテックスアレルギーのある患者さまがいらっしゃいます。そのような場合はノンラテックスのラバーダムを使用しています。これらのアレルギーについてはカルテのわかりやすい位置に表示され、スタッフが準備の際、間違えることがないようにしています。)


3. ネオクリーナーによる事故(根の治療に使う)ネオクリーナーは強力な薬剤で、やけどを引き起こします。また服が漂白されることもあるので、当院では特別なエプロンを使用して、事故を未然に防いでいます。


4. 痛み止めのボルタレンは強力ですが危険も伴い、患者さまによっては腸炎を引き起こすことがあり、当医院では使用をやめました。(実際腸炎で入院してしまった人もいます)


5. イソジンで毎日うがいをすると強力な腐食作用で歯が溶けてしまいます。耳鼻科でもらったとしても、毎日うがいにつかうのは非常に危険です。またトレー法などでイソジンを虫歯予防に使うのはかえって歯を痛めてしまう可能性が高いので避けたほうがよいでしょう。


6. 根管充填に使用するキャナルスの液に含まれるプロピレングリコールはまれに過敏症の人がおり、その場合、使用すると非常に危険です。このような人たちはそれまでの根管治療の経過が良かったにもかかわらず、根管充填を行うと急に痛みを訴えたりします。この材料は化粧品、3-mixMP法、根管貼薬剤などに入っていることがあり、注意が必要です。


7. 仮歯に使われるレジン(日本製のもので比較的多い)は、粘膜に対する刺激性が強く、人によってはアレルギー症状を起こします。当医院では、敏感な患者さまには使わないようにしており、最終的には日本の仮歯用のレジンは在庫がなくなり次第使用しなくなる予定です。現在は治療に関係ない技工用の材料として使っています。


歯科治療におけるISOの継続的改善のイメージ
歯科治療におけるISOの継続的改善のイメージ

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