トラウマ治療

  トラウマ治療

お役立ちコラムCOLUMN

2018.05.20

トラウマ治療

私たち歯科医が治療をしてゆくと、敏感な患者さんの場合、物理的な歯の欠損や病気を取り除いても完全に回復しないこともあります。もしきちんと治癒するはずの手順と手技で行われても治らない場合は、単なる物理的な疾患が原因ではなく、トラウマと呼ばれる、精神や心に刻まれた傷が大きく影響していることが考えられます。

トラウマとは、「過去に受けた傷」と一言で片付けてしまうにはあまりにもおくが深い内容です。

私たち人間は意識があり、感情がありますから、人生におけるさまざまな経験の中で、自分では表面上忘れ去ってしまった事柄でも、深く意識の中に心の傷として残ってしまうことが数多くあります。

自分自身の経験から考えると「突然理不尽な要求をもとめる」理解不能な患者さんや「前医で自分がされた治療について、何度も吐露する」といった経験は医師であれば誰でも経験するはずです。
実際はこれを聞いてあげるのも、患者さんにとっては治療になっていることは後で気がつきました。
また医師でなくても、顧客から理不尽な要求をされたり、自分ではどうにもならないことを不満を言われたり、家族の不幸や、身内のトラブルなど、心が苦しくなる思いをすることは誰にでもあるはずです。

そして、その心に溜まったエネルギーが解放されないまま残り続け溜まり続けると、些細なことに対する恐怖心が抜けにくかったり、感情になみがあって、ふさぎ込んだり、過剰に明るくなったり、家の中が荒れたりします。

私はこのような物理的な形になっていないトラウマも何らかの形で肉体に、そして脳のメモリーとしても身体の中どこかに残ってしまっていると考えます。
特にうつ病などは身体にも残ったトラウマ(特に打ったとか怪我をしたというようなものではない)が痛みとして症状に現れるのだと思うのです。

そして溜まってくると、たとえば、上手なマッサージ師にもんでもらったり、ヨガをやったり、運動をしたりすると、痛みやこりだけでなく、心まで軽くなることがありますが、きっとそれらの行動が良い作用を及ぼしトラウマのエネルギーが何らかの形で消失したからだと思います。

私たち医師はそれらを取り除く専門家である必要がありますし、実際疾患となった部分はそのトラウマの集大成でもあるわけですから、取り除くことによって場合によっては患者さんに大きな変化を生むことがあります。

根の治療でも、歯の抜歯でも、そして虫歯の治療でも、治療がうまく行くとそのようなトラウマの集大成が取り除けたような感覚を覚えることがあります。
そのときは、普段とは比べ物にならないほど、とてもつかれ、診療後は家に帰るのがやっとになります。

そしてそんな経験から、自分を元に戻す方法を絶対に知らなければならないを感じるようになったのです。
そして、整体、ヨガ、オステオパシーなどを転々とし最後に気功で自分を制御することがもっとも効果があることに気がついたのです。

RECENT POST

CATEGORY

ARCHIVES