顎関節症の治療は奥が深い

  顎関節症の治療は奥が深い

お役立ちコラムCOLUMN

2014.09.05

顎関節症の治療は奥が深い

顎関節症の治療を私自身が発症してから15年以上経ち、自分の歯の治療もしながら、顎関節症の治療は非常に奥が深いことを改めてに感じています。

かみ合わせを考える矯正治療を今まで積極的に行ってきて感じるのは、顎関節症に悩む患者さんは非常にデリケートであり、かつ、周りの環境に影響を受けやすい方であるということです。

良くまじめな人が顎関節症になるといいますが、確かに几帳面で真面目できれい好きな人ほど顎関節症の患者さんは多いです。

これはストレスに対する反応が非常に敏感で、自分自身がデリケートであるために、防御態勢を取りやすいからだと思います。この防御体制をとることによって緊張が生まれ、筋肉が硬直化し、結果として骨格系が歪んで顎関節症が発症するわけです。

また、そのような人は子供のころから緊張する場面が多いため、顎を引きがちになり、顎の位置が悪くなる傾向があり、それが大人になってひどい顎関節症の原因になることもあります。

私自身が治療をしてきて感じたのは、単に顎の位置を良い位置にして噛み合わせを作るだけでなく、周りの筋肉の緊張が常に取り除けていないと、原因が取り除けません。そして、そのためには本人に自分が無意識に緊張していることを理解し、普段からそれを取り除く努力をしなければならないことを教えなければなりません。

顎関節症がひどい患者さんでは、ストレスにさらされすぎ、怒りや、不機嫌などの自分ではおさえきれない精神状態や過剰なイライラがでてしまう人を多く見かけます。

これらのストレス過敏による顎関節症は本人では到底どうにもできず、患者さんにとっては本当につらいことだろうと感じます。

しかしこのような症状が出ることが顎関節症に含まれると気が付いている人は少なく、そのような患者さんでも、たった一本被せものを高くしただけで、症状が消えてしまうことも少なくありません。私が詰め物の高さが変化しない治療の固執するのも、患者さんが知らないうちに顎関節症になってしまうことを防ぐためです。

多くの歯科医が、顎関節症は間接円盤に問題が出ている程度の認識しかありませんが、実際は頸椎のズレや、舌根沈下などのレントゲンだけではわからない多くの問題を基礎として発症しているのですから、それらを総合的に診断しなければ原因を治す治療はできません。

またデリケートな人の場合は顎関節症は心や気分にまで影響してきますから結構深刻な疾患であることは間違いありません。

私が治療した患者さんの感想はほとんどが「治療前の状態に絶対戻りたくない」ということです。なかなか表現は難しいのですが、単に調子が良いといっても、心や気分にまで影響したものが取り除かれるので本人の喜びはひとしおである気がします。これこそが生活の質であり、歯を白くして、見た目を改善することなど取るに足らない治療に見えてきます。

私が治療した患者さんも見た目の問題から始めは金で治療することを拒んでいても、結局機能を優先した結果このような体調改善を得られ、「先生の言われるとおりに治療をして良かった」と言われることがほとんどです。

私たちはプロです、プロは結果を知っていなければなりません。結果を期待できない治療を、患者さんの希望どおりにおこなう医師はもはや医師ではありません。商人です。商人に治療をしてもらって治るわけがありません。彼らの興味があるのは患者さんの健康ではなくお金なのですから・・・。

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