今の時代と医療変革の必要性

  今の時代と医療変革の必要性

お役立ちコラムCOLUMN

2012.04.20

今の時代と医療変革の必要性

今の時代は非常に変化が激しく、今日当たり前であったものが明日には全く非常識になってしまうことが起こりかねない時代になってきています。

歯科医療でも最近感じるのは、つい5年ほど前まではインプラント治療が治療の花形で、これをやらない先生は遅れている、技術がないのではないかと疑われるような時代でした。

しかし、今はどうでしょうか?次々とインプラントによる問題が噴出し、訴訟のなかでもインプラントに関するものは歯科ではもっとも多いものとなっています。

しかしこのことは私はすでに15年以上も前にわかっていたので、警告はし続けてきました。
私の知り合いの先生方は、私がインプラントをしないことを不思議に思ったり、「早くインプラントを導入しないと手遅れになる」とまで言った先生もいらっしゃいます。

しかし、やはり私の思ったとおりでした。
実は勘のいい人にはすでに20年先、30年先にどうなるかなど簡単に予想できるのです。

20年以上前私が大学を卒業したての頃、まだ歯科は儲かるほうの仕事でした。

しかし、当時から、私は特殊な技能を身に着けていないと、歯科はこれからは過剰になって食べてゆくのもやっとになると思っていました。

ですから早くからアメリカの最新の歯科治療を学んだり、矯正治療の最新の技術に積極的に取り組んだりしていました。

結果今はそれが功を奏しています。

20年前の当時、私は50人近くいる高齢者歯科の医局で、ラバーダムと拡大鏡を使って治療をしていたのですが、ラバーダムを使うのは私だけで、看護婦さんにいつもお願いして私のためだけに新しいラバーダムを出してもらっていましたし、拡大鏡は周りの歯科医に「オウム真理教のヘッドギアーだ!」と揶揄されていました。

しかし早くからこの治療法を習得していたので、今は何の苦も無く治療に生かせています。

つい最近までは、裸眼で治療を行うのが当たり前だったのに、先進的な歯科を行う先生にとって、ルーペや顕微鏡を使うのはもはや当たり前、それができない先生は、時代遅れの感が否めません。(保険診療ではまだ一般的とは言えませんが)

私が2004年に顕微鏡を購入した時は、顕微鏡は全国で多くても200から300台ほどしかありませんでしたが、今や千台の大台は超えどんどん増えてきています。それもたった8年もかからない間にです。

顕微鏡はアメリカで1980年代に発明されたものですから、私が購入した当時はすでにアメリカでは何千台売れていたのですから、ここ最近の日本の変化は非常に激しくなっていると思います。

医療に関してもこれから今までの価値観は必ず変化してくると考えられます。

臓器の使い捨てのように扱う発想の「再生療法」は絶対に上手くいかず、いかに今ある臓器をきちんともとどうりにするのか?といったことが医療のテーマになってくると思います。もちろんそれが本質でしょう。

またどんなに最新の治療を受けたとしても、たとえば重粒子療法でがんを取り除き、痛みなく、治療が終わったとしても、これでその人の問題が解決するわけではないでしょう?

そもそも、がんになる生活習慣や、精神状態、がもとにあるわけですから、それを治療せねば臓器を取り換えるというのは本当に最後の最後の手段で、それよりも前にすることがたくさんあるはずです。

今後の医療はそのような、肉体の改善と、精神の構造改革にも目が注がれるようになってくると思います。

私自身歯の治療をしていて、歯磨きだけでなく、普段の考え方や、生活習慣を変えてもらうことによって、あるいは歯を治すことによって、そのような変化が起こることによって(これはあくまでもおもに私の軽いかみ合わせ等の誘導と、本人自発的気づきによるものですが)体調が激変することを目の当たりにしてきました。

特にお子さんの場合は、受けている精神的ダメージや、肉体的な癖、思考の傾向や癖が、固定化して間もないので、治療の効果は大人よりはるかに高い気がするのです。

このような、観点を今後医療に持ち込むことによって、不要な薬代や、意味のない繰り返しの手術など必要がなくなってくると思うのです。

そうすれば、今抱えている社会保障費の問題や、高齢者の抱える不安などが徐々に解決されてい行くと思うのです。

しかし、これが達成されるには、医師たちの意識改革がぜひとも必要でしょう。
今までのようなやり方とは違う、結果の修正ではない医療を行う努力を始めるべきでしょう。
勿論、そこには、ドクターと患者さんの両方の意識改革が必要だと思います。

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