- 2011.12.18
本来の治療の質を考えよう!
最近は技術に対する評価がどんどん廃れ、技術そのものの伝承も難しくなってきています。
入れ歯では、大学ではもはや入れ歯をまともに作ることができる教官すら少なくなっています。
入れ歯はそもそもドクターが作成するものであり、技工士はその指示に従うものです。
しかし、今ではドクターが指示を出せず、逆に技工士に設計を聞いているといったうわさを聞くぐらいですから、そのレベルの凋落ぶりは、情けないと思います。
入れ歯の出来が悪いと、入れ歯の内面の調整とかみ合わせの調整は、まるで永遠に続くかのように行われます。大部分の患者さんは、入れ歯はこんなもんだと諦め、通院しなくなります。
患者さんが来なくなると、先生は、治療がうまくいったと喜ぶといった、笑えない話もあります。
入れ歯の治療は、本来であれば、インプラントで解決するのではなく、技術を鍛え上げることによって解決すべきでしょう。
アメリカではもう30年以上前に入れ歯の技術は完成し、きちんと技術を教えられたドクターは噛めて、痛くない入れ歯を作れるのです(もちろん少数ではありますが)
多くの患者さんは、もちろん日本の公衆衛生の浸透レベルが低いこともありますが、半分は自分の責任で失ってしまった歯を、元どうりの戻せないか?とまるで魔法を求めるような治療を求めます。
しかし、一度失ってしまった歯の機能を100%取り戻すことは実際は不可能ですし、インプラントのような治療は体に対する侵襲が大きすぎます。
最近審美治療をしてはやっている虫歯の治療の、プラスチック(レジン)を詰める方法は、比較的容易に行え、特に難しい技術も必要としません。
型をとって、詰め物を製作するためには、正確な歯の窩洞形成が必要し、アマルガムも短時間に歯の形を作ると言った記述が必要です。もちろんレジンも形を作ると言った技術は必要ですが、そう高いレベルの技術であはありません。
そういった意味で、歯科でも、比較的技術のいらない治療にシフトしてきているのが全体の流れですが、その質は確実に落ちています。
今は患者さんも徐々に、白いからと言ってつめた材料が、昔詰めた金属材料よりはるかにモチが悪いことに気がつき始めていますし、実際の治療に当たる先生はそのことに一番に気が付いてきていることでしょう。
100年以上もかけて培われた歯科の技術がすたれるのは悲しいものです。
またアマルガムのように、最も確実に治療ができ、虫歯にもならず、また最も高度な技術が必要とされる治療が、日本では本当に行われなくなってきたのは誠に残念です(多くの先生はきちんと詰められたアマルガムが虫歯になっていないことをよく理解しているはずです)
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