歯科医の道具とは?

  歯科医の道具とは?

お役立ちコラムCOLUMN

2009.12.26

歯科医の道具とは?

歯科は医療の中でも最も多くの種類の道具を使う診療科ではないでしょうか?

また、わずか数ミクロンの違いで治療の結果が大きく左右されるので、道具に対するこだわりは半端なものではありません。
私のホームページに載っているように白須賀ゲージを開発した白須賀先生などもかなりのコリ症で自分で納得する道具を開発するのに何百万もかかったみたいですが、特許を取ってもいくらにもならないようで、治療にこだわると全く趣味の世界になってしまうようです。結局このような特殊な道具は歯科医でもこだわりがある人はそう多くないためにあまり売れないからです。それにそれほど高い値段も付けるわけにいかないからです。
私も治療で使う道具はかなりこだわりました。
歯を削る道具はやはりカボが最もよく使えました。また医療用のレンズではカールツァイスに勝るものはありません。
いずれも初めに購入する際に値は張るのですが、一生使えるので考えてみれば高くない買い物だと思います。
私自身かなり技工操作(患者さんのお口に入る制作物を作る仕事)が大好きなので、大学院を卒業して医員として大学で働き始めた際に、思い切ってカボの技工用エンジン(石膏や金属などを削る道具)を買いました。当時の最高級品で26万もしました。当時の私の月給がおおよそ15万でしたから、清水の舞台から飛び降りるといった感じでした。
しかし、このエンジンですが、1995年に購入したのですが、今まで一度も故障もなく調子よく動いています(kavo k11)15年近くも問題ないのですから私ほど使っていれば、国産のものでは2回ぐらい購入しなおさなければならなかったと思うと、得をした感じです。ちなみに今でも全く問題ないのでもう10年ぐらいは問題なく使えそうです。
私が歯科医の先生をいろいろ見てきてわかったことは、道具を見ればその人の技量はおおむねわかってしまうということです。
技術のない人に限って、安くてぼろい器具を使い、使い捨てのように壊してしまいます。
また矯正のブラケットなど治療に最も大切な材料も、メイドイン○○の様なチープなもので治療しようとします。
ひどい先生になると、一度患者さんに使ったブラケットを治療が終わると、はずした後洗浄して別の患者さんに使うらしいです。
とにかく値段が安いということは必ず利益を出すために何かをしているということは理解しておいたほうがよいでしょう。
ちなみに一度外したブラケットは、はずす際無理な力が加わり、変形していることが多く、歯科のように精度が要求されている治療では使わないのが常識です。
まあ再利用するような先生は、もともとの精度が低いので、ブラケットの変形など誤差の範囲内かもしれませんが・・。
診療の器具、機器、機械にどんなものが使われているかをよく観察するとよいと思います。
機器類はとにかくドイツ製がよくできています。
日本製も一部よいものがありますが、プロ仕様のものとなると、ドイツ製のものにかないません。
ちなみに韓国は開発した人をオリジナリティーを全く無視したコピー品を作ったりします。
この辺はもう少し、棘の道を進んだ、開発者に敬意を払うべきではないのでは?と考えたりします。
カールツァイスの模造品を今度どこかのメーカーで出すようですが、あまりにも全く同じつくりで、羞恥心のかけらもない製品をよく作るなあ、と前回のデンタルショーで感心してしまいます。

まあ、顕微鏡を使わないより、安くても顕微鏡を使ったほうがはるかに治療はうまくいくので、安くそこそこの顕微鏡が手に入ることもある程度は必要なのかもしれません。

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