ついに噴出したインプラント問題

  ついに噴出したインプラント問題

お役立ちコラムCOLUMN

2012.06.02

ついに噴出したインプラント問題

先日ついにインプラントの重篤な問題事例が400件以上あることが新聞でも報告されました。

しかし、神経麻痺が60万本も販売されているインプラントで400例とはいささか少なすぎる気がします。

実際は本人もはっきり認識できない問題を含めると倍以上あるのではないでしょうか?

何しろ親知らずを抜くのでも、どんなにきちんと気を付けて抜いても500例に1回ぐらいは多少の神経麻痺は起こると思います。60万本のうちの400とは0.1%以下ですから(実際はいっぺんに2本以上植えているケースもあるのでもう少し多いと思いますが)この400という数字は相当重篤なケースではないかと考えられます。

私の医院にもインプラントの失敗や、問題のある症例がいらしたことがありますが、多くの場合患者さんの感覚がおかしくなってしまっているので、治療をしても無駄ということに気が付き、今はインプラントを受けた患者さんの初診患者さんは特殊な場合を除いてお断りすることにしています。

実際、大学病院では、失敗している患者さんの処置は大変困っていることでしょう。

私が思うのは、歯を失うのはそれなりの理由があるということです。

歯を失う前に、当然虫歯になったり、根の治療がされたりというプロセスが必ずあったはずです。
その際、受けた治療にもよるでしょうが、弱っている歯で平気で固いものを食べてはいけないことぐらいは容易にわかるはずです。それにもかかわらず平気で固いものを食べる人がいます。

足をくじいた人が、思いっきり全速力で走るでしょうか?
そんなことをしたら将来歩けなくなります。

それと同じで、歯を失ってしまった人はそれなりの使い方しかできないものです。
つまり完全に歯を失うまで、きちんとした使い方をしてこなかった患者さんが多いといえるでしょうし、それを教えなければならなかった歯科医にも責任の一端はあるでしょう。

ですから、そうなった後にインプラントのような人工の歯で思いっきり噛もうと思うこと自体、自分の体を顧みない間違った考え方の結果でしかないのです。

それを煽って勧める歯科医も歯科医です。

健康を失った場合、自分がなぜそれを失ってしまったのかを考え直し、神様からもらった体をいかにこれから大切に使うかを考えるべきで、なんでもかんでも自分の思いどうりに治療してもらおうと考えるほうがおかしいのではないでしょうか?

歯科医が医療を行うものとしての根本的な感覚を失ってしまっては人間のためになる医療は絶対できません。

同じことが医療にも言えます。
治すのではない、単に延命処置をしているだけの医療もたくさんあります。
これらが本当の意味で改善されないと、日本の社会保障費がまっとうな金額になることは永遠にないでしょう

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