- 2014.09.12
私の噛み合わせの決め方とは?
噛み合わせについては、今まで100年以上の歯科医学の歴史の中で、いろいろな先生が議論してきました。
私は中心位という言葉を大学を卒業してから初めて聞き、その採得法を教えてもらったり、本で勉強したりして、かみ合わせの調整に使ったり、矯正のかみ合わせの位置を決める際の基準にしてきたりしました。
しかし、技工士などからこのような咬合学の大家と呼ばれる先生方の症例を聞くといずれもうまくいっていないことを知り、かみ合わせを治すことは絶対できないのではないか?という絶望感を味わいました。実際にアメリカで咬合学に対して意見が分かれているのもこのような問題があるからに相違ありません。
確かに、自分で日本の大学の先生の方法であったり、、アメリカの大学で実際に教えている方法で、かみ合わせの取り方をしても、患者さんは一向に調子がよくなりませんでした。
またそのように治療をされるとかえって息苦しくなるといった患者さんも多く、本当にこのようなかみ合わせの取り方で大丈夫なの?と思うようになりました。
その後長い年月をかけてやっとわかったことは、通常の人のずれた噛み合わせは、顎についた筋肉が引っ張って出来上がってしまっているものですから、一度緊張している筋肉が弛緩させながら、正しいと思われる顎の位置を3次元的に移動させてやり、それに対する筋肉や頸椎の位置などの反応を見て採得する方法が最も結果が良いことに気が付きました。この時、単に顎を押したり、前に出しただけではうまくいかないので、私は噛みわせの位置を3次元的に合わせるための道具を奥歯に噛ませます。その位置で筋肉の弛緩や頸椎の位置の正常になるのであれば、そのかみ合わせの位置を記録し、次回以降の治療の使うのです。
この筋肉や頸椎が正常になる、かみ合わせの位置になるように歯に材料を足して強制的に顎の位置を変化させると、急激に顎周囲の筋肉の緊張が取れ、顔つきが変化します。そして、今まで歪んでいたとは思えなかった顔の骨格までが、実は歪んでいることが分かるようになったりします。これは顎周囲の筋肉が弛緩するために骨格の形が分かりやすくなるからでしょう。
そういう治療をしているうちに、最も緊張を起こしていた顎の筋肉は、治療の途中でどんどん弛緩してゆき、次々違う奥にある筋肉の緊張状態が発見されるようにになります。その都度首や顎の位置関係をチェックしながら、現れた筋肉の緊張を弛緩させてゆくうちに最終的に顎全体の筋肉が弛緩してゆき、体調の変化につながってゆくのです。ですからこのような治療中に頭の形が変わってくることも多いのです。
頭の形が変わるということは脳の血流や脳脊髄液の流れが変わるということなので、体調は相当変化するはずなのです。
このように顎周囲の筋肉の緊張をすべてとることができるように顎の緊張をとりつつ、かみ合わせの位置を少しずつ変化させてゆくという考え方は、かみ合わせの治療にとって非常に重要な方法ですが、この方法を理解して治療を行っている人は非常に少ないでしょう。
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