薬と体と歯科

  薬と体と歯科

お役立ちコラムCOLUMN

2011.07.16

薬と体と歯科

現代医療は、今まで治療不可能と思われた人々を救ってきました。

薬に関しては抗生剤の発見によって、薬が万能のように考えられるようにもなってきたのは疑いもない事実です。

でも薬は効果がある半面大きな副作用があります。ですから私は薬はめったに飲みません。
どうしようもないほどおなかが痛くなったり、食べ物にあたったり、しない限り少々の痛みでも痛み止めは使いません。

後が怖いからです。

私が歯医者になってよかったと考える事の一つに、薬というものを使わないでほとんどの歯科治療がおこなえるということです。
薬は一時は使うのはよいのですが、使い続けると体に問題が起きることが非常に多いからです。
虫歯は取り除けば終わりですし、根の治療は汚れを感染した歯と一緒に取り除けは治ります。

薬は、麻酔や、ある種の感染症に対する抗生剤などは非常に効果がありますし、一時的な痛みを止めるための痛み止めも効果は抜群です。

ところが、原因を取り除くと言った意味で考えるとどうでしょう?
特に慢性の病気は薬では治すことは不可能ではないかと思います。
ほとんどの慢性疾患の薬は、結局症状を抑え込むだけで、治ったように見せるだけだからです。症状を止める役目はあっても、根本的原因を取り除けるものはほんのわずかしかないからです。

そこで、東洋医学のような漢方、鍼灸、あんま、整体などが必要になってくるわけです。体質自体を変えると言った考え方です。

また西洋医学でもオステオパシーと言って疾患を全身の症状としてとらえて治療を行う分野も実際に大きな効果を上げています。

多くの歯の治療は、虫歯を取り除けば、きちっと痛みは消えますし、根の感染源を洗い流せば、根の痛みは消えてしまいます。ですから、割と単純と思っていました。

しかし、最近歯周病や、歯のひびが原因の虫歯、顎関節症等は、単に感染を取る治療だけではうまくいかない事が分かってきました。

歯周病は糖尿病など、免疫系が弱くなると発症しやすくなりますし、男の人では50を超えると、体力や代謝が落ちてくるので、ほとんどの人がかかりやすくなっています。

歯のひびも、全身の体力が落ちて、全身の筋肉の硬直が取れにくくなったり、循環障害がおこって体がリラックスした状態に戻りにくくなてくるに従い、かみしめが多くなってくる事が原因です。
もちろん咬み合わせが悪ければかみしめはさらにひどくなり、悪循環がおこります。

つまり、全体的に落ちてきた代謝を上げ、血液やリンパ等の循環をよくしないと、歯科疾患も治りにくいのではないかと思います。

そういった意味では、歯科治療も体全体と深く関係があると言わざるを得ないでしょう。

私の場合は患者さんに肩から上の体の緊張に気が付いてもらい、それをできるだけ和らげるようにしてゆくと、かみしめも少なくなり、全身の循環も良くなるので体調は改善し、歯科治療もやりやすくなります。

多くの場合、かみしめによって、徐々に奥咬みになってしまっていて、顎や肩、首の緊張が抜けなくなっていることが多く、それが、ひどい顎関節症と、循環障害の原因になっていることがあります。

特に奥歯の治療をされた後に咬み合わせが低くなってしまってから調子が悪くなる人が沢山います。
でも咬み合わせが原因と分からない事も多いようです。

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