歯科で自由診療を行うということ

  歯科で自由診療を行うということ

お役立ちコラムCOLUMN

2016.07.15

歯科で自由診療を行うということ

歯科治療は、いまや保険制度では限界に来ていることは、私のホームページでも何度も書いております。

これは、今までと違って歯科医が十分な数増えたために、「並んでも、待っても行く歯科医院」といったイメージが消え、「いつでも予約が取れる歯科医院」となってきたこともあり、一医院あたりの患者さんの数は20年ほど昔から考えると相当減少しており、通常の保険の歯科治療では採算が合うほど患者さんが来院してくれない状況となったからです。

しかし、かといって自由診療を勧めたとしても、経済状況や患者さんの意識の問題もあり、簡単に治療を受けてくれるわけではありません。

そこで歯科医院の2極化や3極化が起きてきているのです。

自由診療でそれなりの治療を提供できなかったり、意識が高く、多少高額でも良い治療を求める患者さんを集めることが出来ない先生は、いわゆるワーキングプアーと呼ばれ、開業医でありながら年収200万程度の収入しか得られないことになるわけです。

しかし、実際には歯科医になるまでに、国立でも何百万、私立では4から5千万以上のお金がかかり、開業にはさらに数千万単位のお金がかかることを考えると、歯科医は非常に大変な職業となってきています。

私は自由診療しか行っていませんが、実際に患者さん治療を成功に導き、満足していただく治療を提供して、一定の数の患者さんに御来院いただけるようになるのは、かなり難しかったですし、大学で教育を受けた一般的な普通の歯科治療の考え方を完全に捨てなければここまでくるのは難しかったと思います。

いま、歯科医は十分なそのような結果の出る歯科治療の技術を習得することより、訪問介護などまだかすかに残っている、保険でも採算が取れ、経営が成り立つ歯科治療のほうにシフトし、何とか経営を続けているようですが、その点数もいつ国が削って行くのか時間の問題です。

歯科治療をお受けになる患者さんにも直接関係があると思いますから、私なりの歯科医療の将来を書かせて頂きます。

歯科医院は大量に患者さんを保険でさばく、大型歯科医院と、自由診療をメインで行う歯科医院とに2極化してゆくと思います。

残念ですが、保険でさばく歯科医院ではほとんどが雇われの若い歯科医師、もしくは年を取っても開業できない歯科医が治療を担当することになるので、治療内容に関してはなかなか良いものを期待しても難しくなるでしょう。

一方で、自由診療メインでも腕の立つ歯科医は、必要以上の患者さんを取ろうとせず、紹介患者さんメインの治療となるので、飛び込みで治療を受けようとしても治療してもらえなくなります。

つまり、今の変わり目の日本では、早めに自分がきちんとした治療をしてもらえる歯科医院を探しておく必要があると思います。

多くの患者さんを治療して歯科医の立場として思うのは、突然痛いから治療して欲しいといわれる患者さんにの中には、こちらが喜んで引き受けたいと思う患者さんが少ないということです。

歯科治療は特に痛みが出るときはかなり状況が悪いときです。痛みが無いうちに早めに良い歯科医院のめぼしを付けておくことも、患者さんと歯科医師の両方にとって、重要なのではないでしょうか?

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