- 2024.11.14
どんどん変わる予防的治療
このページは2024年11月14日に更新しました。
私が昔、一日ドクター一人当たり30人以上の患者さんを診療していた歯科事情と比べると、状況はかなり変化してきた気がします。
もちろん患者さんの意識によっても違ってきますが、今は歯科治療の予防的な意味合いが理解されつつあります。
そして昔は治療の対象としていなかった歯の状態でも、今は治療が必要という考え方になってきています。
今の歯科では25年以上前に私が診療を始めたころとは状況が変わってきており、ぱっと見で虫歯とわかる状況の患者さんは減っています。
しかし、汚れを取ったり、ルーペなどを使って丹念に調べると根元の歯の色が変わり、探針で触ると柔らかく、歯が痛んでいる感じがよくわかります。
このような歯はたとえ虫歯になっているように見えなくても治療が必要です。
左上の歯の写真は根元が茶色くなっています。
この部分は根元で、右の図を見るとわかる通り、歯の構造上神経がとても近い場所です。
この一の虫歯が深くなるとすぐに神経に到達してしまいます。
この部分は歯茎が近く、出血もしやすいため、材料を漏れがないように詰めるのが難しいうえ、皿状の窩洞(歯を詰める場所)になるので、取れやすく、一度深い虫歯から根の治療になってしまうと、きちんと治療することが困難です。
ですから、歯のダメージが深くまで進行する前に材料で保護してあげる必要があるのです。
残念ながら、日本ではこのような虫歯はレジンを詰め荒れることがほとんどですが、神経に近いため、少しでも深い虫歯だとレジンの刺激で神経が死んでしまうリスクがあります。
歯茎近くを詰めなければならないため、滲出液や出血があるとレジンは十分な接着力が出ないという問題点があります。
一方グラスアイオノマーは、神経を刺激しない、などのメリットがあり、こういった歯の状況に対応できます。

アメリカではこのような歯にはほとんどグラスアイオノマーが使われています。(上の写真はカプセル式グラスアイオノマーRIVA)
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