- 2019.11.21
- 歯科医療関係者向け
求人が忙しくて治療どころではない?
今、歯科医院では大変な人不足となっていると聞きます。
一昔前までは衛生士の人不足で多くの歯科医院が困っていたようですが、今は歯科助手の募集もままならない時代になってしまったようです。
募集しても人が来てくれない歯科医院はとにかく給与を上げて、何でも良いからスタッフが来て欲しいと考えるようです。
しかし、単純に給与を上げても、良いスタッフが来てくれるとは到底思えません。求人雑誌やWeb求人を見ると、びっくりする様な高給で募集する歯科医院も少なくなく、いったいどんな治療をしているのか、考え込んでしまうような歯科医院もあります。(本当にそんな条件で雇っているのか疑問です)
私の経験では、病院の質が悪ければ悪いほどスタッフの定着率が悪いと思います。そして、スタッフが直ぐにやめてしまう理由の多くは医院の経営の仕方や、院長の問題がほとんどです。そうなると、給与を上げて、数ある求人の中で目だたせ、足りないスタッフを一人でも多く雇いたいのだと思います。
ただ、院長自身に誠実さがかけていたり、約束したことを簡単に反故にしたり、とにかく人を集めたいからとりあえず高給にしようとする医院にには、当然それを目的としたスタッフが集まりやすくなり、治療の質よりもお金に興味がある人が集まりやすいとおもいます。
実際は求人募集を見慣れている衛生士は、募集をしている側よりも、募集をしている経営者側の意図をわかった上で求職します。給与が高ければ、それだけやらなければならない仕事も多く、自分の大きな負担がくるであろうことはある程度理解していますから、モチベーションはお金を稼ぎたいと思う人です。しかし、医院の内容が悪ければ、ある程度で見切りをつけて次の職場を探すことになり、あまり良くない意味での人材の流動化が起こります。
結局歯科医院の経営にはマイナスにしか働きません。
実際に自分の居場所を見つけた歯科衛生士は、その居場所で長期間勤め続けるので、そのような医院は経営も安定します。
わたしの場合、今までの歯科医として働いていただいた衛生士とのお付き合いは5人ぐらいありますが、誰もとても頑張ってくれました。しかし、医院の質を上げようとし、取り組みを変えようとしたりするときに、どうしてもお別れしなければならないときが有りました。
また、自由診療ならではの診療にいらっしゃる患者さんの重篤度から、疲れはててやめてしまわざるを得ない衛生士さんもいらっしゃいました。
当時は衛生士がここまで大変な職業と気が付いてあげることが出来なかったのが今でも悔やまれます。
私の医院では、今は整体など身体を整える費用を出来るだけ負担するようにしています。スタッフの健康は継続的に診療を行うために何より大切です。
そして、自分自身も体の手入れを怠りません。整体やリンパマッサージを体が疲れきってしまう前に必ずもとの状態に戻すために行かせてもらいます。場合によっては診療より優先する場合もあります。
健全な体と精神がなければ、スタッフにも患者さんにも適切にゆとりを持って対応してあげることが出来ないからです。ゆとりが持てるようになることが良いスタッフに定着してもらえる最高のコツかもしれません。
そうなるためには、医院を効率化する必要があります。実は効率化できるところは本当にたくさんあります。
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