- 2011.10.29
- マネジメント
車と歯、意外な共通点
歯と車、一見何の関係もなさそうな二つの事ですが、意外な共通点を私は見つけました。
車はやはりよく調べると、「ドイツ車が一番よい」、というのはみなさんもよくご存じではないでしょうか?
もちろん、好みはありますから、どこが一番と決めるけるのは必ずしも適切とは言えませんし、目的によって、変わってくることは事実でしょう。
しかし、それでも、そう言われてきている理由は何かあると思います。
私は、やはり、車を作る時の考え方にあるのではと思います。
日本が作る車には、高価な大型車から、軽自動車や、小排気量の車等の安い車など、多種多様な車種が用意されています。
日本車は、ほとんど故障もしないし、多種多様な消費者のニーズにこたえる装備が満載で、非常に消費者にとってうれしい車だと思います。
しかし、日本の小型車は、「ぶつかった時大丈夫?」と思う車が沢山あります。
「事故に合うまでは、日本車程よいと思う車はない」と言われる所以でしょう。
一方ドイツの車は、小さい車があってもそれほど値段は安くありません。
でも、乗ってみると、納得。小さい車でも大きい車ほどではありませんが、安全性がきちんと考えられていることに驚きます。またオプションなしでほとんどの安全設備が付いています。
つまり、「購入者に受ける、安くて、修理だがかからず、装備が選べるの車」、と言った迎合する考え方ではなく、「車は、人と荷物を安全に運ぶ道具である」といった、基本を守った作られ方をしているのです。
歯も同じことが言えます。
患者さんが喜ぶ、「痛くなくて、きれいで、早くて、できるだけ安い治療」が、はたして患者さんにとって為になる治療でしょうか?
私の知り合いが、「近所の歯医者さんで治療してもらったら麻酔もしないで、痛くなく治療が終わって、うちの子供は本当に喜んでいました。」と言っていましたが、
レントゲンであやしい影があるので、外してみると、大きな虫歯が・・。
虫歯を取らなければそれは全く治療も痛くなかったでしょう。
白い歯?それが全てでしょうか?そうであってはならない治療の場所もあるでしょう。そこまで審美にこだわる意味と必要があるのでしょうか?
最近は患者さんのニーズにこたえることが良いと考える歯医者さんも少なくありません。
しかし、それが患者さんにとってプラスになるものであるのか、それともマイナスになるものであるのかよく考えてから行わねばなりません。
患者さんは歯医者さんほどの治療の知識はありません。間違っていることは正しい知識を伝え、最低限守るべき基本的方針に即した治療を行うのが本来の治療の姿でしょう。
歯科医は車を作る時より重い責任を負っていると考えるべきです。
今の歯科医の全体像を見ていると、そうでない人が増えているのにつけ、かなり不安に思います。
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