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咬合論(歯科でもっとも重要かついまだ解明されていない事実)とは?

咬合論とは、歯科医であれば必ず最後は解明したいと思って行き着く理論です。

咬合論とは、人間の歯の噛みあわせをどこに合わせればよいかといった歯科の最重要な命題であり、さまざまな先生がさまざまな理論を取り入れて考察してきたものです。

そもそも、咬合論が始まったのは、噛み合わせの無い総入れ歯の患者さんや、噛みあわせが崩壊した患者さんの噛みあわせの位置を一体どこに合わせ、どう治したら良いかといったことからはじまりました。
そして大まにいうとと、アメリカ発のナソロジー、とヨーロッパ発のシークエンシャル咬合に分けることができます。

私ももともと補綴学出身ですので、咬合にはとても興味があったので、大学院の1年生ぐらいから必死にナソロジーの勉強をし、開業してもシークエンシャル咬合の考え方も学びました。

そして、患者さんや自分自身の咬合の変化を調べてゆくうちに、「どちらの理論も正しいとはいえない」という結論に達したのです。
私が実際に顎関節症の患者さんに行っている治療はとても特殊です。

しかし、どちらの理論でも治療が不可能である症例を必ず成功させる自信があります。

その自信はどこから来るかというと、根本的な発想を変えた点にあります。

一部異論はあると思いますが、基本的にナソロジー、シークエンシャル咬合はどちらも、理想の噛み合わせの位置を先に決めてから、その位置で噛みあわせを完成させることを治療の基本とします。

しかし、患者さんの変化を調べるうちに、噛み合わせの位置が全身のバランスに大きく作用するため、顎の三次元的な位置や筋肉の緊張具合、頚椎の位置関係などから「自分がここが正しい」と思う位置に顎の位置を変化させ、噛めるようにすると、多くの患者さんで身体全体のバランスが変化してしまうのです。

その変化の大きさやかかる時間は患者さんによって異なりますが、1週間から1ヶ月ぐらいは変化し続けた後、安定してきます。

しかし、その安定してきた位置で改めて筋肉と骨格の位置関係を調べて見ると、自分が以前「ここだと」思った位置とは異なった位置に骨格、筋肉のバランスの取れた新しい正しいかみ合わせの位置が出来上がっていることに気がつきます。

つまり、患者さんの身体のズレ具合にもよりますが、かみ合わせに変化を与えると、それに対する全身の揺らぎがある程度収まるまで位置を完全には決めることができないわけです。ということははじめから「ここだ」と決めてかみ合わせの位置を決めて治療を終了すること自体がとても無謀なことだと解ったのです。

このことに気がついた私はかなり衝撃を受けましたし、顎の位置を考えても咬筋あたりまでのことしか考えない歯科医には想像もできないことが歯科治療でおきていることに気がついたわけです。

よく行われる顎関節症治療につて(私の見解)

顎関節症には今まで次のような治療法が行われています。

1. 温熱療法、投薬療法、筋肉のストレッチ、開口訓練
2. 補綴治療(歯を削ることによって被せ物で治す方法)
3. プレート療法(口の中に入れる板で治す方法)
4. 筋肉のマッサージ
5. 金属などの修復物の除去

これらの治療法に対する私自身の見解を書かせていただきます。

1、
温熱療法は筋肉を緩ませる方法として一定の効果があると思われますが、一時的な療法で根治療法ではありません。肩こりがある人がマッサージに行って揉んでもらうと2~3日は良くなっていますが、1週間もするとまたもとの状態に戻ってしまいます。結局はこの筋肉の緊張の原因となっている歯の不具合やかみ合わせを治さなければ根本的に治らないといえます。

また投薬療法は、対症療法であり、あくまでも急性症状を取り除くために使われるものです。ほとんどの患者さんが痛み止めや筋弛緩剤、抗うつ薬などを何年も飲み続けている人がいますが、薬なしに症状が消えることはありません。

筋肉のストレッチは効果があります。これを温熱療法と合わせて用いると少しづつ硬直しにくい体になることがあります。得に温泉などは効果が高いです。筋肉が硬直する原因が歯だけでない場合は特に効果的です。

2、
の補綴治療は、確かにかみ合わせを治すという観点からすると現実的です。慎重に噛みあわせの変化を確認しながら正しい噛み合わせの位置で補綴すると非常によくなります。ただし、歯を大きく削ってしまうので、自分の歯がなくなってしまうデメリットもあります。

3、
プレート療法は、板状のプレートで噛みあわせの位置を変更することで治すものです。
高名な先生が取り入れています。プレートを入れて少しづつ調整を行ってなおしてゆくようです。しかし、プレートを一生入れていなければなりませんし、プレートによって歯が動いて噛み合わせが変わってしまったという例も聞かれますので慎重に治療を受ける必要があります。

4、
筋肉のマッサージは効果がありますが、戻ってしまうこともしばしばです。噛みあわせの位置や歯に問題があるのであれば、噛み合わせや虫歯、根の病気を治すことも重要だと思いますし、マッサージだけでは治りに限界があります。

また、わたくしが様々な先生方が行っている治療とは異なっている見解である点について説明いたします。

1. 高度な咬合診断装置(キャディアックス)などを使わない理由
2. 固いプレート式の治療器具を使わない理由
3. 金属を除去し、レジンやセラミックなどで治療を行わない理由
4. かぶせものなどを一度に決め、一度ですべてのかぶせ物を作成しない理由

1の咬合器については、今まで様々な先生が咬合器を開発したりして、かみ合わせを治療しようと試みてきました。しかし、どんなに正確に分析しようとしても、顎の位置は日々変化する可能性があるということです。

もちろん私も咬合器で患者さんの噛みあわせの位置を診断しますが、それはあくまでも診断をした時の患者さんの噛みあわせの位置であり、診断日当日に患者さんの首や顎を触診しながら緊張を取るので、その日から、筋肉の緊張は取れてゆき、噛みあわせの位置はどんどん変化してゆきます。

高度な診断機器(キャディアックス)で顎の運動を分析しても、筋肉の緊張が取れることによってその運動は翌日には全く違ったものになってしまっています。

患者さんが来院するごとに収まるべき顎の位置は日々変わってゆくのです。大切なのは顎の緊張と全身の緊張を取り除きながら、顎を緊張が取れやすい理想的な位置に近づけてゆくことなのです。

顎関節症にかかってしまった人は、よくお分かりだと思いますが、筋肉が硬直している状態が日々違っていることを知っていると思います。

また歯の当たり具合は治療に伴い日々変わってきています。つまり、測定をしたとしてもその刻々と変化しているほんの一瞬の現象をとらえたことに過ぎないからです。大切なことは何が原因でこのような現象が起こってしまったのかを診断できる能力と、どこが顎にとってストレスのない位置であるかを触診できる能力なのです。

以上の考察から私の考えでは、まずマッサージを行って顎関節症の原因である筋肉の緊張をとることからはじめ、ストレスのない顎の位置を探しながら、さらに全身のバランスを整え、最終的に理想的な顎の位置で噛めるように歯の位置を矯正したり、補綴したりするのです。

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