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2018年7月 6日

当医院で行う矯正治療は、通常の矯正治療と違った部分が多くあります。

その中のひとつに、「顎の3次元的な位置を変えてゆく治療」があります。
顎の3次元的な位置?といってもなかなかピンとこない人が多いと思いますが、たとえば、正面から顔を見ると顎のラインが右上がりになっていて、目が右下がりになっていたりした場合、明らかに右の奥歯の高さが低くなって顎が右後ろに下がった状態になっているといえます。つまり、顎の3次元位置が後上方に回りながら入ってしまった状況といえます。

テレビを見ていても、顔がゆがんでいる人が昔より多く見かけます。もちろん私が特にそこに注目していることもありますが、矯正治療を行った後の状態の人もいらっしゃるかも知れませんが、顎の3次元的な位置関係は治っていないケースも少なくないと思います。多くの矯正は顎の3次元的な位置まで考慮して治療は行いません。

顎が3次元的にずれると、そちら側の筋肉は常に短めの状態で力を入れる必要があるため、やや収縮した状態から力をかけなければなりません、すると筋肉は常にある程度緊張していたり、疲労が蓄積して固まりやすくなります。そして筋肉が付着している部分の骨を強く引っ張り始めます。実は顎や頭蓋骨の骨は思っているほど硬くなく、このような力で簡単に変形してしまうのです。

筋肉は緊張したままでふくれ、骨と骨との間が狭くなって肉が集まり、ずれている側の顔が徐々に浮腫んだように見えてきます。

噛みあわせを変えるための治療として、矯正治療時に歯の高さを変化させ、顎の3次元的な位置を修正すると、緊張していた筋肉は弛緩され、緊張していた塊が取り除かれ、引っ張られていた側の骨も徐々に元に戻ってきます。

かみ合わせの3次元的な位置関係を直すと、顔の骨だけでなく、頭蓋骨の変形まで治ってくることがほとんどです。それは、顎の位置関係が直ることで顎の後ろで頚椎を引っ張っている筋肉が弛緩し、頚椎の配列が整います。そして、頚椎の中の脊柱管の圧迫が取り除かれ脊髄液の流れがスムーズになって、浮腫んでいた脳が正常になるからだと私は考えています。

人間には誰しも、右か左かダメージを受けやすい弱い側があります。脳もその弱い側があります。

治療中によく頭を触りながらお話しながら、その人がどちらの脳を主に使っているタイプ(右脳(直感)型または左脳(理論)型)か考えながら、どちらの頭が浮腫んでいるか治療をし、その相関関係を実証しているところです。右脳型の人は右側頭部が浮腫みやすくは右に顎がズレやすく、左脳型の人は左側頭部が浮腫み左にズレる傾向がある様に感じます。ただし、頭部のむくみはさまざまな要因が絡んでいるので一概には言えません。

かみ合わせによる全身への影響は今後さらに無視できないものとなってくると思うのです。

2018年7月 3日

歯の治療は、虫歯の治療、根管治療、入れ歯の治療、歯周病、抜歯術、矯正治療など、さまざまなジャンルがあります。

その中で最も難しいと私が個人的に感じるのは根管治療と矯正治療です。

この二つは習得するのに最も苦労しましたし、今でも悩むことがあります。

根管治療は特にミクロの治療になるので技術的に習得が難しく、治療時間が長くかかるため、体力的にもとても消耗します。根管治療をまじめにする先生はとても良心的な先生といえると思います。

一方で矯正治療は、全身と大きく絡んでくるため歯だけではない非常にマクロな視点で治療を行う必要があります。
残念ながら、多くの矯正治療が審美目的で行われているため、身体に対するマクロの影響を考慮した治療がほとんど行われていないのが現状です。

矯正治療による噛み合わせの変化は、体全体に大きな影響を及ぼすため、歯科医にとって最後のフロンティアだと私は考えます。

矯正治療には未だ確固たる理論が出来上がっていない正しい顎の位置を採得する技術、支点のない歯同士をコントロールしながら移動させるための複雑な支点、力点、作用点の関係を理解しながらワイヤーの曲げを利用した治療技術、そして歯がしっかりとかみ合うためにどの位置にブラケットを装着するのかという技術、3つの要素がいずれもかなり高い精度で要求されるため、非常に難解な数式を解いてゆくような治療技術だからです。

私が矯正治療を始めてから18年以上になりますが、ほとんどの時間は、顎の3次元的な位置をどこへ移動させれば身体のバランスがもっともよくとれるのか、ブラケットをどれだけ正確に位置につけることができるのか、そして引っ張れば必ずお互いに移動してしまう歯同士をどうやって自分の動かした方向へ移動させるのか、の3点の究明に費やされました。

ブラケットの位置付けに関しては幸いにして、先人の白須賀先生が30年以上の研究の上、素晴らしい理論とそれを実現するための器具を作ってくれていました。また、歯をコントロール方法に関しては、マリガンという先生が、ワイヤーの曲げ方とゴムのかけ方で歯がどのように移動するかの理論を作り上げていました。

そして、最後の正しい顎の3次元的位置は、何を調べても納得できる捕らえ方がどうしても見つからず、結果的には私自身が受けた整体やオステオパシーなどの代替医療の経験から究明することになりました。筋肉が緩むと顎はどこに行くのかという考えから生まれたもので、自分の顎をそこに移動させることで体調が格段に向上したのです。この3次元的な位置を理解できたことで、矯正治療は今までにないほどの確実に成果がでやすい治療(特に顎関節症を訴える患者さんには)になったと思います。

矯正治療で3次元的な顎の位置を決めることは、先に行き先を決めてから航海をはじめる(歯を並べる)ようなものなのです。これができるようになれば、矯正治療は今までの審美中心から、体全体のバランスを整える本当の意味での矯正治療へを大きく変貌するはずです。

2018年6月27日

歯科治療は、詰め物やかぶせ物、そして、矯正ではブラケットを装着するための装置や、診断用の模型マウント、リテーナーの製作、など、多種多様な技工操作が存在します。

そして、それを歯科医が自ら行うことで、自分の治療技術の験算になります。

私が、入れ歯やかぶせ物を正確に作成したつもりなのに、口の中で全くうまく適合しなかったり、噛みあわせが異常に狂っていたりする原因について理解できたのは、自ら技工操作をしたおかげです。

多くの歯科医は、自分が型取りをしたものが口の中にうまく入らないと、技工士さんのせいにします。私も実は絶対にエラーが起きないよう随分工夫して型を取ったり、かみ合わせの記録と正確に取ったりしていたので、よく技工士さんの技術を疑ったりしていましたが、実際はどんなに正確に型取りをして、噛みあわせを採得したとしても、口の中で合わないことがあります。このときはきっぱり諦めてすぐに再製作に移ります。

私は再治療や、型の取り直しをすることが効率を下げ、集中力を下げるのでとても嫌で、自分で技工操作をして治療が技工の作業工程における原因を探したり、型材やかみ合わせ材を十分に選定したりして絞り込んだりもしましたが、それでもエラーが起こることがるとわかったのです。どこに原因があるかは一度自分で検証しないとわかりません。ほとんどの人は十分な検証をすることなく、「あの辺りの作業がエラーの原因かもしれない」出終わってしまいます。でもそれでは人間の身体に一体何が起こっているかを知ることができません。

人間の身体や顎関節は非常に柔軟性があるため、たとえすべての操作が適切であって、材料も最高のものを用いられたとしても、個人個人の条件次第で、かみ合わせの位置が一晩で変わってしまうことも不思議なことではないと気がついたからです。つまり、技工や材料が原因で狂ってしまうわけではないと発見したわけです。

これは非常に重要な発見で、そこに行きつけないため、個々の患者さんの反応性や、それにあった治療法を工夫する先生が余りに少なすぎます。私がブリッジや入れ歯、そして矯正治療のかみ合わせに関して、患者さんの個々の挙動に対し動揺することなく自信をもって治療に当たれる理由は、自分で技工操作を行ってきた経験から人間の身体の柔軟性と、反応性を十分に熟知しているからといって他なりません。

顎周りのみならず、体全体のバランスが狂えば、かみ合わせに影響が出ることは実は結構起こっていることです。そして治療技術が高ければ高いほど、患者さんが治るときに身体の反応が起こり、顎周りや身体のバランスが良い方向に変化し、その変化に対応した治療が必要なのです。つまり、矯正治療などでは、昨日まで正しかったかみ合わせの位置が今日には変わってきて、1週間では耐えられないほどの狂いになってしまうこともあるのです。

本当に良くなる歯科治療は、このようなバランスを悪い状態から良い状態へと導くことができなければならないし、一体何が起こったかを理解できずに動揺しているようでは治療にならないのです。

2018年6月12日

私が矯正治療を勉強し、はじめて実際の治療に取り掛かったときは、治療の経過を見て、時に冷や汗が出るほど焦ったことは決して珍しいことではありませんでした。それほど矯正治療は難しく、そしておくが深い治療なのです。

こんなことは私だけかと思っていたら、実はほとんどの矯正歯科医師が、「どうやっても治せない症例に頭を抱えたことがあるという経験をいくつもお持ちだろう」、とある矯正の先生から伺って、「なるほどな!自分だけじゃなかったのか?」と思いました。実際は矯正専門医ですらお手上げになるケースもあるのです。

歯の矯正では、歯の位置をいくらでも移動させることができ、かみ合わせは大幅に変化します。自分が予想もしなかった場所に顎が移動してしまうことは実はそう珍しいことではありません。結局はさまざまな変化が重なって何とかなることも多いのですが、顎に一体何が起こっているのかとてもわかりにくいのが矯正治療でもあるのです。

顎関節と顎の動きの仕組みを熟知していれば恐れることはないのですが、仕組みがわかっていないと、オープンバイト(前歯が完全に開いてしまう嚙み合わせのこと)や受け口がひどくなってしまうと、たいていの矯正歯科医は焦ります。実際に最終的にうまくいかず私の医院に来院される患者さんもいらっしゃいます。

なぜこんななことが起こるかといえば、矯正の大学の講座では顎関節や顎の動きについて十分に教育がなされていないからだといえます。

顎の3次元的な挙動は、上下的な奥歯の高さの変化によっておきていることを理解していれば、そう難しく悩むことでありません。しかし、大学の矯正の講座でそれを教えてくれるところは非常に少ないと思います。私が顎の挙動と歯の位置との関係を完全に理解するまでには、たくさんの矯正治療やかみ合わせに関する講習会に参加し、その中から解決に使えそうな考え方を組み合わせ、自分でも理論を構築し、実際に臨床で自分の理論を当てはめてみて、やっと理解できたわけです。しかし、大学ではそのような理論は教育されていないので、その教育を受けていない先生にとっては本当に冷や汗をかいてしまうほどの問題であるに違いありません。

多くの場合、これは難しいとわかると、多くの矯正の先生は手をつけません。矯正医に相談して、治療はできませんといわれ、当医院を訪ねていらっしゃる患者さんも結構いらっしゃいます。

たとえば、噛みあわせがオープンバイトになってしまうほとんどすべての原因は、奥歯が低すぎることですが、大部分の歯科医は、奥歯を低くしてあげないと前歯が噛みあってこないと思い、奥歯を低くするために噛み合わせを削ったり、奥歯を沈めたりして調整しますが、それがますます泥沼にはまってしまう原因でもあります(この場合オープンバイトは治らないだけでなく、体調がどんどん悪くなってゆく)。

ただ、単純に奥歯を高くしてしまうと、前歯の開きが今までよりさらにひどくなるので、矯正を行う先生はそれが治るという保証もないし、そこまでの治療をする勇気もありません。
私の場合、オープンバイトの場合でも思い切って6ミリ近く奥歯を高くして前歯では1.5センチ以上開いてしまうほど、あえてオープンバイトを大きくさせます。しかし、この作用によって顎周りの筋肉が弛緩しはじめ、不思議なことに開いていた前歯がどんどん閉じてきます。

矯正治療で前歯が以前より開いてしまうことに、患者さんは一瞬唖然としますが、早い場合は1ヶ月もしないうちに前歯が完全に閉じてきて、驚かれることもしばしばです。

噛みあわせが狂った理由を考えてそれを正すように治療をすれば自然に正しいか見合わせになるのでが、単にスペースがないから抜歯し、オープンバイトになっているから奥を低くしてそれを治すいった単純な方法論だけで治療をしてしまうと、なぜ歯が並ばなかったかという原因が解決されないので、矯正治療という航海が難破してしまうわけです。

2018年6月 7日

最近では、学校の歯科検診でも噛みあわせを必ずチェックすることが行われているため、矯正治療をお考えになる方も多いと思います。

しかし、矯正治療はその開始の時期はとても重要です。

ブラケットを使う比較的強い力を個々の歯にかける矯正治療は、小学校の低学年から始めるべきではありません。

時々、前歯の隙間を埋めるために上の前歯だけブラケットを装着しているお子さんを見かけますが、レントゲンで観察すると小学校低学年では、前歯の根は実はまだ完成していません。

根が完成していない時期に比較的強い力をかけてしまうと、根は十分な完成をしないまま途中で成長をやめてしまい、不完全な短い根になってしまうことがあります。
小学校の低学年の時期の歯並びは(醜いアヒルの子)の時期でもあるので、状況によっては様子を見たほうがよい場合も多くあります。

もちろん、どう考えても歯並びと噛みあわせが悪くなることがわかる場合がありますが、その場合は、トレーナーなど装置を使うべきで、ブラケット矯正は根の完成まで待つべきです。

早く治療をしたい気持ちがあるのはわかりますが、それが却ってお子様に重篤な根の問題を引き起こすこともあります。

実際無理な矯正治療をした後遺症が何年も経ってから現れて神経を取らなければならない事態になった患者さんもいらっしゃるのです。

2018年6月 2日

矯正の治療中であるにもかかわらず、どうも「自分の矯正治療がうまくいっていないので見てほしい」といって相談される方が時々いらっしゃいます。

そして、ブラケットの位置を見てびっくり仰天することがしばしばあります。異常に歯の先端よりに装着されていることがあるからです。

現代の矯正用のブラケットはストレートワイヤー法といって非常に緻密に計算されています。
それは個々の歯(前歯から奥歯まで)についたブラケットに理想的なアーチの形状をした真っ直ぐなワイヤーを入れるだけで、歯列が理想的に並ぶように非常に緻密に作られています。

歯の傾きや歯面からの出具合、アンギュレーションといって正面から見た傾き具合も一部共通のものもありますが、歯の部位によって、すべて角度を変えて作られているのです。

この角度は歯科医の好みによってある程度選べるようになっていますが、先生自身の経験でもっとも使いやすい角度のものを組み合わせて使っているのです。
私の場合は奥歯に関してはアジア人向けに考えられたオーソスというものを臼歯では使っており、前歯から小臼歯まではデーモンブラケットの標準の角度のものを使っています。

そして、その角度は、ブラケットを見えている歯の高さの半分あたりにつけることで計算された歯並びになるよう設計されています。

ですから、ブラケットの高さを極端に高い位置や低い位置につけてしまうと、計算されて作られた意味がほとんどなくなります。一見何の相関関係も無いように思われるでしょうが、実際はすべての調和の元にブラケットの角度が決まっているため、一本のブラケットがわずか400ミクロン高さが狂うだけで歯列の調和がまったく取れなくなってしまいます。

それほどブラケットの位置づけは大切なものなのです。

以前講習会で見せていただいた症例では、すべてのブラケットを上下逆さまにつけてしまい、何年経っても歯が噛んでこないという間違いを犯していた歯科医もいたようです。

ブラケットは上と下とでは与えられる角度がまったく違うので、間違って装着されると噛まなくなるのは当たり前のことでしょう。そんなミスもありますから、ブラケットの管理はきちんと行われていなければなりません。ブラケットを見ただけではどれが上でどれが下かはまったく見分けがつきませんが、与えられている角度が違うので歯の並びがまったく変わってしまうのです。

矯正治療はそれほど緻密な治療なのです。それゆえ多くの矯正専門でない先生が矯正治療を始めようとするのを躊躇し、テクニックの比較的容易なマウスピース矯正などに手を出すのだと思います。
しかし、マウスピース矯正だけではどうしても治療が完成しない場合があるので、それをフォローするためにブラケットが扱えないと非常に困った事態が起こります。

一体最後にブラケットで仕上げるなければならないリスクのあるマウスピース矯正を行う必要があるでしょうか?それが私の考えです。

2018年4月12日

実は矯正治療には長い歴史があり、その歴史の中で、どうやって効率的に矯正治療を行うか?そして、できるだけ正確な結果が得られるようにと、さまざまな工夫がなされてきました。

矯正治療のもっとも革新的な変化は「ストレートワイヤーテクニック」です。それまで、先生がひとりひとりの患者さんの歯列にあわせてワイヤーを歯ごとに曲げていた非常にテクニックの難しかった矯正治療をとてもやりやすくしたのです。

その方法ですが、簡単に言えば、理想的な歯の位置関係を徹底的に研究し、曲げない理想的なアーチの形状をしたワイヤーをブラケットに入れさえすれば歯列が理想的に並ぶ様にのブラケットの形状を規格化したのです。

これは非常に画期的な方法でしたが、実際にやってみると、今までとは比べ物にならないくらい、治療の精度が上がり、先生による治療の差が非常に少なくなりました。

しかし、実際には患者さんの歯の長さや、形状が画一的ではないことがありますし、何よりも正確な位置にブラケットを装着しなければ、歯が正確に並ばないという欠点もありました。したがって、ブラケットの規格としてはすばらしくても、それを使いこなすことが難しいという欠点がありました。

つまり、精度が格段に良くなっても、さらに改良の余地があったわけです。

矯正専門の大学院を卒業していないので、私の場合ブラケットを目分量で正確に着ける位置づけの訓練を受けていませんでした。ですから、白須賀法インダイレクトテクニックを習得するまではブラケット装着は大変苦労しました。
自分なりに当時の規格ややり方でインダイレクトテクニックを勉強はしてはいましたが、白須賀法のような正確なブラケット装着法が確立していませんでので、実際に歯を並べて咬ませてみて、咬まないとき、はじめて位置づけが悪いと気がつき、ブラケットを着け直していたので、治療期間も長引き、患者さんにもずいぶん迷惑をかけてしまうことになっていました。

実は今でも、ほとんどの矯正治療のブラケット装着はダイレクト法(ブラケットを目分量で直接歯に接着する方法)で行われています。しかし、ダイレクト法を実際にやってみるとわかりますが、狭い口に中で、ブラケットを正確に位置づけすることは非常に難しく、多くの矯正専門医はこの技術と、ワイヤーを曲げて調整するテクニックを何年もかかって習得しているともいえるのかも知れません。しかも、矯正専門医といえどもブラケットの着け直しを行うことが必要でした。

インダイレクト法がこれほど優れているのに、実際に行われているケースがそれほど多くない理由は、「自分でインダイレクト法を習得することが非常に時間がかかる」こと、そして、「忙しい診療の合間を縫って技工操作をしなければならない」こと、自分で技工を行わない場合インダイレクト法を技工操作をしてくれる技工所さんに頼むわけですが、「インダイレクト法の技工物を製作する作業に手間がかかりすぎて技工所も赤字覚悟の作業になってしまう」ため、普及しにくい状況となっているようです。

また、技工所に頼むと製作に5週間程度かかってしまうので、患者さんを待たせてしまったり、その間に歯が動いてしまうかもしれないという問題もあります。正確にしかも結果の良い治療をできるだけ短い期間で行えるインダイレクト法ですが、実際は普及率が高くないのもうなずける気がします。

私の場合、すべて自分で製作するので、早ければ3日ぐらいでも製作できますが、患者さんが毎日一日中詰まっているととても技工操作をする時間が取れませんし、無理をすれば自分の体調を壊しかねません。実はインダイレクト法の技工操作は非常に緻密でストレスのかかる作業なのです。ですから、診療時間の合間が十分にないと、自分で製作したインダイレクト法による正確な矯正治療を行うことができないのです。

そう考えると、顎関節症の患者さんのような、矯正治療の高い精度を要求される診療をきちんと行うためるには、テクニックだけでなく、診療所のさまざまな条件が整わなければ難しいのだとおもいます。

2017年12月 8日

矯正治療では歯ならびを治すのですが、最も重要なのは機能的に噛めることです。

しかし、歯並びの悪い患者さんにとって、噛めるという感覚を理解することは難しいと思います。

上の歯と下の歯がきちんとかみ合っていれば、機能的に噛めると思いがちです。そして多くの矯正治療を担当されていらっしゃる先生がそれをゴールと考えていらっしゃると思います。

実は矯正治療は、骨の中の限られた範囲の中で歯を移動させてゆかなければならないので、上の歯と下の歯をきちんとかませるだけでも至難の技です。

ただ、上の歯と下の歯が緊密に当たっているにもかかわらず、「噛めない」とおっしゃる患者さんがいらっしゃいます。

それを聞いた先生は咬合紙という色のつく紙をかませて、歯の当たり具合を見て、問題ないとおっしゃられるはずです。

このような患者さんを何人も診療して私が気がついたことは、顎の力の出やすい適切な歯の高さがあるということです。

簡単にえば、顎についている筋肉をゴムと考えると、ゴムがほとんど縮んだ状態しか噛み合せの高さがないと、どんなに頑張っても力は出ませんから、噛むことができません。一方ある程度の高さがあれば、ゴムが引き伸ばされるため、十分噛めると認識できる力が発揮されます。

それは顎が左右的にずれていても同じように十分力を発揮できませんから、ものを噛む力が出ないことになるわけです。

そう考えると、矯正治療を行う上では、植わっている歯の高さや、左右の顎の位置のずれについても十分考察して噛み合わせを治してあげる必要があるわけです。

残念ながら今まで一般的に行なわれてきた矯正治療ではこのようなことを考慮することがほとんどありませんでした。その結果、矯正治療を受けて本当によくなる人と、治ったように見えるのに噛めないといった問題が生じる場合があるわけです。

私が診査してきた経験では、多くの手術が必要なケースといわれた場合や、歯を抜かないと無理といわれたケースでも歯の高さを上手く移動させることで改善できることがほとんどでした。

外科手術や、抜歯はできるだけやらないほうが良いと考えます(もちろん症例によっては必要な場合があります)。また上下の骨のバランスが手術が必要なほどずれていることはめったにないと思います(唇顎口蓋裂などの先天病変は例外です)。実は手術以外の方法で治りそうな多くの患者さんが手術を勧められ、実際に手術を受けていらっしゃいます。

矯正治療が多くの場合、見た目のコンプレックスが原因のことが多く、見た目の改善のために必要以上に抜歯がされているケースが多いのですが、私は矯正治療に関しては、身体に対する関連が非常に強く、見た目を気にしすぎて結果的に身体に問題が出ることも少なくありません。

また顎の手術は実は簡単ではなく、手術が上手くいっても、噛み合わせの位置が必ずしも正しくないことも実はあるのです。それは外科の先生も、矯正の先生も噛み合せについて詳しい人が少ないからではないかと思います。

2017年12月 2日

近年、敏感なお子様が増え、矯正治療も難易度を参りました。

特に当医院に御来院されるお子様の場合、他院で矯正が上手くいかなかったり、手術や抜歯する方法しかないと断られたりされた方がほとんどです。

お子様の場合は、歯の位置や高さが完全に完成していないので、矯正治療を行うと格段に体調まで変化してくることがわかっています。ですから子供のうちから見た目ではなく、正しい噛み合せにする矯正治療が絶対に必要です。

残念ながら、今の歯科大学での歯科矯正の教育では、顎の位置や、歯の高さを正しくするという本来の意味での噛み合わせを考えた矯正治療が十分に教育されているとはいえません。

歯科矯正治療は噛み合わせと大きく関っていて、噛み合わせの変化によって呼吸器系や、脳神経系に非常に大きな影響を持つ治療ですので、このことが大学で十分教育されていないことは非常に残念でなりません。

また敏感なお子様の場合(人混みが苦手だったり、お腹がすぐに痛くなってしまったり、疲れやすかったり、アレルギー体質であったり)噛み合わせが悪いことによる影響が強く出る傾向がありますし、噛み合わせも悪くなりやすいです。敏感であればあるほど周りの環境に影響され、顎を緊張して噛み合せが変化してしまう傾向があるからです。

ちなみに、矯正治療に用いられる装置は多種多様のものがありますが、敏感な患者さんを多く治療してきた私の経験では、ブラケットやワイヤー、その他装置によって歯にかかる力が弱ければ弱いほど、敏感なお子様の治療は上手くいきます。

当医院でデーモンブラケットを使っているのも、今販売されているブラケットの中で、かかる力が弱く、しかも構造がしっかりしているからです。

難点としては、痛くないので、何でも食べることができてしまい、ブラケットを外していらっしゃる患者さんが少なくないといったことでしょうか。

歯がかめないほど痛いというのは、骨のリモデリング(改造)がおきているか、それとも骨などの組織が壊されそうになっているかをはかる目安でもあります。噛めないほど痛い場合は、組織が壊されそうなほど力がかかっているかもしれません。これらの矯正装置によってかかる力の差による痛みの反応は個人差がありますが、たとえ痛みを感じにくい人でも、より弱い力で歯が動かすことが良いことであることは間違いありません。。

歯にかかる力は実際はとても弱くても骨のリモデリングは起こることが骨の研究でもわかっていますので、できるだけ弱い力で矯正治療を行うことは、骨にとっても歯にとっても最良の方法であるというのが今の矯正治療の考え方なのです。

2017年10月27日

多くの一般の方もそして歯科医も矯正治療に関して理解していないことがあります。

それは「歯のかみ合わせは身体のバランスに影響しており、矯正治療によって噛み合せが変われば体のバランスは変化する」ということです。
そして「体のバランスが変われば、理想とされる噛み合わせの位置は変化する」ということです。

この二つを理解して矯正治療を考えると、矯正治療は非常に難しい治療であることを簡単に理解できると思います。

私どもが矯正治療を行う患者さんの場合、噛み合わせのズレが1センチ近くになる方も少なくありません。
ほとんどの矯正治療を行う歯科医が、噛み合せが1センチ近くも狂っていることなど想像もできませんし、またそのズレが修正されるとも考えません。
しかし、実際は1センチ以上のズレでも必ず治ってきます。
治療中でも理想とする顎の位置は常に変化するため、調整の際にチェックが必要となり、最終的な噛み合わせの位置のゴールはどんどん変化してゆくわけです。

私どもがこのようなダイナミックな矯正治療を行ことで衝撃的なほどの体調の改善が認められ患者さんが多いわけです。
しかし、5ミリ以上の噛み合わせのズレがある患者さんの場合、体のゆがみも相当なもので、矯正治療期間だけでは修正しきれない場合があり、そのような場合矯正治療後に体のバランスが整ってきて、理想的な噛み合わせの位置が変化して、再び矯正治療が必要になるとがあります。

そのような現象をできるだけなくす、あるいは少なくするために、矯正治療前から身体のゆがみを取り除く治療を受けていただくようお願いしております。

歯の矯正は単なる歯ならびの治療ではなく、体全体のバランスも含む治療であることを理解して治療を受けるべきで、それを考慮した治療とそうでない治療では雲泥の差があるのです。

2017年6月 2日

私自身は歯並びがとても悪かったので、矯正治療を大学在学中から考えさらに大学を卒業したときはやりたいと真剣にに考えていました。
当時、私が診断を受けた矯正の先生はほとんどすべて抜歯すべきという結論でした。

私も当時は入れ歯の専門の講座で入れ歯を学んでいましたから、矯正学に関しては、「ワイヤーを曲げたり、ブラケットを選定して装着するという、随分難しいテクニックで、歯の治療とは一線を画する治療技術だな」程度の理解はしていましたが、本質的なことは、あまり良く分かっていませんでした。しかし、なぜか抜歯をする必要はないのではないか?という直感がありました。

抜歯はしたくないので、あきらめ気味で、40半ばになってしまい、本心では矯正治療はあきらめていました。

たまたま縁があって、白須賀先生にインダイレクト法という誰でも基本の理論に従って習得すれば、正確にブラケットを装着する方法を教わったとき、もしかして自分自身で矯正治療を行うこともできるし、この方法であれば、抜歯しない矯正治療網膜行くのではないかという感覚を得られたのです。

じつは、矯正治療はこのブラケットの位置決めで治療の良否が半分ぐらい決定してしまいますが、今までは職人の経験で装着していたので、それを理論的に教えることができる先生がいなかったといえます。そういった意味で白須賀先生の功績は非常に高いものだと私は個人的に考えています。

とりあえず抜歯はしないで歯を並べてみようと、自分の歯にデーモンブラケットを装着して矯正を始めまたのです。。

歯をきれいに並べ始めると、自分の顎が勝手に何故か、どんどん前に出てきてしまい、まるでアントニオ猪木になったような感じでした、志村けんで言えば「あい~ん」といった状況です。

こんな状況ですから、上の歯と下の歯は、噛み合ってきません。でもまったく噛めないのに身体はとても楽チンで体中のコリが一気に消えた感じなのです。

今だから分かりましたが、私自身が矯正治療を受けるまで、とにかく体調が悪かったので、整体に3年以上も通っていました。左足の太ももが肉離れで通院を開始し、その時は歩くことすらままならなかったのですが、ブラケット装着する頃には、全身がだいぶ緩まってきていました。筋肉が緩まってきた時期と白須賀法を習得した時期とが偶然重なったために矯正治療を始めようと思ったのかもしれません。

顎周囲の筋肉のバランスが取れた位置と歯がかみ合う位置は異なっていても、歯の噛み合わせ顎の位置は決まってしまいますが、整体を長い間受けてたことで筋肉が緩み、顎の位置がいつでも筋肉の緩んだ位置に移動できる準備が整っていたようです。

私の場合特に歯が上下か噛み合っている位置が顎にとってリラックスできる位置とは限りませんし、長年歯科医のようなストレスのかかる仕事をしていれば、筋肉は収縮したままになって顎の位置は固まってしましい。自分の正しい顎の位置すら全く分からなくなってしまうのです。

自分の経験からこのような事実に気がついたとき、歯の治療と噛み合わせの治療法はまったく違ったものになりました。

残念ですが、多くの歯科医が主張するかみ合わせとは顎しか見ていません。本当に重要なのは顎の筋肉とさらに全身の筋肉との関係です。顎の位置は全身の筋肉にも影響を与えていますし、骨格にも影響を与えています。

そして全身の筋肉の緊張は顎にも影響を与えますから、それぞれが緩まった状況でなければ最適な顎の位置を掴むことは難しいのです。つまり、全身が分からなければ歯の治療は上手くいかないということなのです。

2017年5月23日

矯正治療に実は失敗が多いことが徐々に知られるようになって来ました。

しかし、患者さんの不安を取り除くために、「失敗しない矯正治療」と題してさまざまなことが言われるようになっていますが、いずれもどうして失敗しないかの根拠が薄く感じます。失敗しないということは実は歯だけの問題ではないので非常に奥深く、難しいことなのです。

矯正治療は治療を受ける人のや体質や習癖、そして幼少のころから受けてきたストレスなどが複合して起こってしまった歯列と顎の位置の変化を治す治療だと私は考えます。歯列が偶然に乱れてしまうことはまずありません。

つまり、なぜこのようなひずんだ歯列になったのかという原因を考察をしてからでないと、良くなっても徐々に歪んできます。当院ではその原因についても患者さんとお話します。

人は敏感な体質だと、歯列不正は起こりやすくなります。これは、ちょっとしたストレスでで筋肉が緊張したり、固まったりするので顎の位置は動きやすく、正常な位置から左右的にも前後的にも狂いやすいからです。

そしてそのような反応は幼少期、極端なことを言うと母体の中にいる赤ちゃんのときから起きています。

敏感な赤ちゃんは母体に強いストレスがかかればそれに反応して緊張してしまいます。それが顎や全身の歪の原因となっていることが考えられます。

永久歯の噛み合せの位置は実は乳歯の歯列が完成すると、その噛み合せに沿って6歳臼歯がかみ合うので、乳歯列が悪ければ、永久歯列も悪くなります。

乳歯列の悪さは一見してよく分かりませんが、幼少期からのストレスの反応で顎をかみ締めていれば、噛み合せが低いと、歯列全体が圧平されてしまい、アーチが狭くなって、永久歯が並ぶスペースがなくなり叢生(がたがたの歯並び)が引き起こされるのです。

また、狂ってしまった歯列や顎の位置の狂いは、永久歯列に引き継げられ、成長とともにさらに歪んでゆき、そしてその影響は全身の歪へと広がり、全身の体調不良を引き起こすほどのレベルになってしてしまうのです。

最近診療して気がついたのは、成人した人では、脳の使い方によっても歪みの起こり方が変わってくるということです。左脳(論理脳)を良く使う人の左側の筋肉は緊張しやすく、顎が左に曲がりやすくなります。

最近の成人はほとんど左に顎が曲がる傾向があります。

最近「アンチエイジング」という言葉をよく耳にします。食事や運動は非常に重要な要素だと分かっています。しかし、それ以上に体の歪は老化に直結していると思います。体が歪めば全身の循環は悪くなり、細胞の代謝が損なわれるからです。

まずは体のひずみを取ることが本当の「アンチエイジング」の始まりと思うのです。
実際に当院で矯正治療を含む治療を受けた患者さんのほとんどが歪みを治す治療を受けているので、10歳以上若返ったように見えます。

歪みを取る矯正治療や噛み合せの治療はこれからの健康増進に非常に大きな役割を果たすであろうと考えるのです。

2017年5月20日

矯正治療で最も難しいといわれる症例は「受け口(骨格的)」といったものや「開口(前歯が閉じない)」といったものが挙げられると思います。

私が顎関節症や噛み合わせの治療をしていて感じるのは、顎の筋肉や、顎の運動そして顎の3次元的変化を考慮すれば、実はこれらの問題はそれほど難しいものではありません。

当医院には、「他の歯科医院で外科以外の矯正治療は基本的に無理」といわれたり、「顎のゆがみは治らない」といわれたり、「矯正治療が難しい」といわれた人が多くいらっしゃいますが、基本的にはほとんどの場合、治すことが可能です。

多くの場合は「左右的なずれが激しい」とか「受け口がひどい」、とか「前歯が完全に開口している」といったものです。

このような症例がどうして治療可能になるかといえば、歯を移動させるときに奥歯の噛み合わせの高さに対して引き算だけでなく、特殊な方法を用いて足し算もするからです。

噛み合わせの高さの引き算では、歯を抜いたり、奥歯を圧下(沈めること)によって奥歯の高さが沈み、咬合高径(奥歯がかみ合っている高さ)は低くなってゆきます。

逆に足し算とは奥歯を今よりも高くすることですが、通常矯正中、奥歯は噛んでいますから、こんなことは不可能です。しかしこれをしなければ本当の意味で矯正治療が上手くいかないので、特殊な方法で歯を引き出してゆきます。

よく考えてみると、奥歯(咬合高径)が低くなるということは、喉の奥が狭くなることと同じです。また低くなったことによって、顎の筋肉が緊張しやすくなり、顎が後ろに下がる傾向が強まり、前後的にも垂直的にも、喉の奥側は狭くなってしまうのです。

このように引き算だけの矯正治療を行うと、睡眠時無呼吸の原因となる舌根沈下などの症状が出始め、いびきがうるさくなるといった呼吸器系のトラブルがおこりやすくなるのです。

矯正治療で不調になる人がいるの理由のひとつがここにあるのです。そういった意味で矯正治療は噛み合わせを上げるテクニックなしではリスクが伴うといえます。

しかし、普通は自分の奥歯は低くなったとしても、それに気がつく人は少ないのです。それは、筋肉が収縮して奥歯が噛むように顎が移動してゆくからです。ですから通常は体調不良が歯の矯正のせいだとかわかる人は少ないのです。

奥歯が低くなるということは、下顎の角度がきつくなってしまうので、下の前歯が前に傾斜したように見えます。これで下の歯のほうが上の歯より前にでてきたり、顎の角度が急すぎれば前歯が完全に開いてしまう人もいると思います。

下の顎が出ているように見えるのが、「受け口」で開いてしまった患者さんが実は「開口」という症状として噛み合わせの問題が起こり、これらの症状は引き算の治療だけでは治せません。

つまり生まれつき奥歯が低く顎の角度が回転してしまった人が矯正が難しいといわれているだけで、奥歯を引き出す方法さえ分かれば治療は可能なのです。

当医院では1.5センチ以上隙間のあった「開口」でも足し算を併用することで治す事ができるわけです。

矯正治療は難しい診療です、とらわれたやり方では治療は上手くいかないのです。

2016年2月12日

矯正治療は、長年私が治療に携わってきてこれほど難しく奥が深い治療はあるのかと思うほどの治療です。

もちろん咬み合わせなどを考慮した歯の治療も非常に難解で奥の深い治療です。

そもそも顎関節は非常に特殊な構造で、腕の関節のように決まった軸で動く構造になっていません。

比較的左右にも、前後にも、そして上下にも自由に動くゆとりがあるのです。そのため、たとえ歯の治療で低いかぶせ物をされても、ある程度顎の関節自体は適応することが出来ます。

しかしながら、位置的に適応できたとしても、その周りを取り巻く筋肉はそれに適応し切れません。
やがて不適切な緊張が生まれ、それが首の筋肉や頭骸骨に付着している筋肉を引っ張り始めます。

これによって頚椎の配列は乱れ始め、頭蓋骨の形は変形してきます。

多くの人はこのような変形や変位がある程度ある場合がほどんどです。しかし、その変形や変位に対しての反応は人によってまちまちです、すべての人が不快感を感じるわけではありませんが、不快感を感じる人にとってはこれほど苦しいものは無いため、人によっては咬み合わせの異常が原因の顎関節症による不定愁訴が起こるわけです。

これらの異常は現代の難解な病気とも関係していると考えられます。頭蓋骨の変形や頚椎の変位はホルモンバランスや場合によっては精神面の異常を引き起こします。そういった意味で矯正治療で歯の位置を変えることで、不適切な筋肉の緊張を取り除き、骨格の異常を取り除くことが出来るため一見関係ないように見えながら、このような疾患に対してもある程度有効な治療法といえます。

しかし、すべてのこのような症状が咬みあわせだけで取り除けるわけではないので注意が必要です。あくまでも咬み合わせの狂いなどで引き起こされた筋肉の緊張が原因となっているものだけです。

しかし、治療で言えば、咬み合わせの位置を変えることで筋肉の緊張は取り除かれ、それに伴って頭蓋骨の形状も治ってきて、徐々に変化してゆくため、それに合わせた下あごの位置をさらに見つけ出して歯を動かしてゆかねばなりませんからまさしくこのタイプの矯正治療は非常に難解なものになるのです。

2015年6月30日

本当の意味ある矯正治療とは?

難しい矯正治療が必要な患者さんを沢山治療してきてつくづく感じるのは、噛み合わせと頸椎、そして自律神経と脳脊髄液との関係をきちんと理解して治療を行わなければ、本当に意味のある矯正治療とは言えないことです。

矯正治療(かみ合わせの治療)がこれほどまでに人間の体の機能と直結しているとは、卒業して5~6年までは全く考えもしませんでした。

始め私が矯正治療を始め様と思ったときは、「奥が深そうで面白そうだけどなんて複雑な治療なんだろう」としか思いませんでした。当時はベンディングや、様々なテクニックがあって、とても自分で習得できそうにないと感じたことも確かでした。

矯正科を卒業していないのに、どうして矯正の治療技術を習得しようと考えた理由は、顎関節症の患者さんを治療してきて、どうしても被せものや、歯の治療だけでは顎関節症が治らないと感じたからです。

当時から今まで、矯正治療の技術の習得はイバラの道でした。そもそも学生時代に大学で教わる矯正治療のテクニックは基本の基本、しかもストレートワイヤー法という新しいブラケットの内容までは講義では全く教えてもらっていなかったのです。そもそも私が大学にいたころは既にストレートワイヤー法が主流でしたが、大学は遅れていてそのような内容を取り入れる講義は全くしていませんでした。

ストレートワイヤーテクニックから、アーチワーヤーベンディング、そしてレントゲン分析法、ブラケットポジショニングまでを一から習得することは容易なことではありませんでした。

しかし勉強を進めてゆくうちに実際は殆ど全ての矯正治療を行っている先生が、必ずしもかみ合わせについて理解して治療しているわけではないことに気が付いたのです。

矯正治療はかみ合わせを大幅に治療しますから、顎が3次元的にどの位置にあるかを完全にコントロールすべき、非常にシビアな治療です。

仮に、治療が見た目にどんなにきれいに仕上がっても、3次元的な位置が顎にとって適切でなければ全く意味をなさないのです。殆どの矯正専門医がその意味を分かっていないで治療をしているのです。

顎の3次元的位置を決めようにも、矯正治療中は歯がすべて移動をしますから、顎の位置を決めてい治療を行うことは困難を極めます。

そんなことから、ほとんどの先生は、ブラケットを装着して、並んできた上下の歯が噛んだ位置を、かみ合わせのゴールとするのがほとんどです。少しよく考えている先生でも、ワイヤーベンドによって奥歯を沈めたりして顎の位置を前後左右に動かしたりするのが精いっぱいでしょう。

しかし、ワイヤーベンドで動かす場合は、どの程度位置を変更するのかが、適切にコントロールできてい無いことにも気が付きました。しかも奥歯を沈めることはできても、奥歯を引き上げる治療は見たことがありませんでした。

このような事情から、かみ合わせの3次元的な位置を決めるながら矯正治療を行うということに対して、確たる方法論もないまま、100年以上矯正治療が行われ続けてきていたといえるのです。

しかし、私が実際3次元的な位置をきちんと決めながら矯正治療を行う方法を発見し、その方法でかみ合わせを治してゆくと、矯正治療によるかみ合わせの変更は全身にとって非常に大きな意味を持っていることに気が付きました。

噛み合わせの変更によって緊張していた首の筋肉が緩み、結果として、脳脊髄液の流れが良くなったり、頸椎の周りに付着している靭帯が緩んだことによって自律神経の機能も正常化します。それに伴って全身の健康状態が全く変わってしまうのです。

もちろん矯正治療で治ったとしても、その後のメインテナンスが悪いと少しずつ元に戻りやすくなりますが、矯正治療でかみ合わせを変更した後は体調ももとに戻りにくくなり、疲労の回復力もはるかに向上することが分かったのです。(ですから歯の位置が移動しなくなるためのリテーナーは大きな意味を持ってきます)

人間の体はよくできているものだとつくづく感じている最近です。

2014年8月31日

最近は成人矯正が多く取り入れられるようになってきました。
勿論、このように一人でも多くの大人の人が、矯正治療に興味を持ち、より良い人生に投資をするようになったことは非常に喜ばしいことです。

しかしながら、私が今まで様々な患者さんを診て感じたことは、成人矯正はいろいろな面でふり幅があり、その幅は子供のそれより大きいということです。

これは歯科医師でしか知っていない事実でしょうが、矯正治療は肉体に非常に負担をかける治療で、矯正治療でいろいろな体調変化が起こることは良く知られているのです。

矯正治療によって登校拒否になってしまう子供もいれば、大人でもひどい鬱状態や、耳鳴りなどがひどくなってブラケットを外してしまうことも実際は聞いたことがあります。

ですから、めでたく何事もなくブラケットを外し治療終了まで行ければむしろラッキーだったといえるのではないでしょうか?

このようなふり幅は、体が敏感な人ほど現れやすい傾向にありますが、実際はほとんどの人が気のせいと流しているようです。

私自身、はじめはなぜ顎関節症の人がたくさんいて悩んでいるのに、大学の先生やほとんどの開業医は顎関節症は頭から治らないと決めつけ、治療をしないか?そして抗うつ薬などを処方していてその場しのぎの治療をしているのはなぜなのか?これがそもそも今のような治療スタイルを探求し始めたスタートでした。

矯正治療中のふり幅があるのは、顎関節症の発症ときわめて似ています。なぜなら、矯正治療は歯列全体を動かしてゆくので、かみ合わせを大幅に変更する可能性が高く、これら(かみ合わせの位置)を常に適切に監視していないと、思ってもみない症状が現れることがあるからです。

また、治療中に私の医院の症例では、どんどん日を追うごとに体調が良くなってゆく人もいれば、好転反応のごとく、停滞しては階段を上るように体調が好くなる人もいらっしゃいます。

結果的に治療が終了する時点ではすべての患者さんの体調は良くなってくれるのですが、体が敏感な患者さんが多くいらっしゃるので、体調の変化とともに、喜怒哀楽などの感情面まで変化することがあり、多くの患者さんは治療の過程と理解してくださる人もいますが、説明が必要な時もあります。

これは、現代の精神疾患が多い時代とも大きく関係しています。というのは、現代はパソコンの仕事など非常に多くの情報を処理する仕事が増えたため、人間の脳は酷使され、後頭部の筋肉が緊張し頸椎後ろに引っ張られ、頸椎の配列がストレートもしくはリバースになる事が非常に多くなってきており、広義での顎関節症が増えたのです。

その結果、よろしくない頸椎の形状になる人が増え、脳脊髄液流れが阻害される人が増え、精神疾患の病む人が増えたのではないかと私は考えています。

ところで、歯の矯正治療では、はかみ合わせを変えてゆく際、頸椎の位置関係が大幅に変化することがあります。その際、脳脊髄液の流れが変化が生じ、感情面にまで変化が現れる人がいると私は理解しています。
ですから、より良いかみ合わせの位置へ誘導しながら矯正治療をすることで、一度悪くなった頸椎のそりをかみ合わせを変えることで正常に近づけようというのが私の治療の考え方です。

勿論頸椎のそりが悪くなる原因がすべてかみ合わせと言っているわけではありませんが、長年の筋肉の緊張によって、頸椎がゆがみ、それに合ったかみ合わせが出来上がってしまっているケースが多く、かみ合わせを治さなければ、頸椎のゆがみが勝手に元に戻ることがない患者さんの方が多いと考えられるからです。

というのも、私自身が、首の痛みや肩こりに悩んでおり、整体に5年以上通ったにもかかわらず、今一つ改善がパーフェクトになりませんでしたが、歯の矯正を行ったことで、一気に体調が変化し、格段に良くなった経験をもっているからです。

この様な矯正治療に対する考え方を持っていらっしゃる先生はほとんどおらず、非常に斬新ではありますが、CTなどを用いた確認し、きわめて理論的かつ、これからの時代に求められる治療法であると感じております。当医院では、頸椎を少しずつ正常な位置に動かしながら矯正治療をおこない、より全身に対し効果的に治療効果が出るように工夫しています。

21世紀中にはこのような治療技術広まることが絶対に必要になると感じています。

2014年8月13日

矯正治療で(親知らず以外)の歯を抜いて治療はどうなのか?

これは矯正治療を行う上で長い間、議論になって来ました。
わたしは、口腔という機能を保つ上では、抜歯をして矯正しても決して良い結果は出ない思っています。

全身的な呼吸と歯は非常に密接な関係がありますから、歯列の一部となっている歯を抜いて矯正治療をする場合、当然その機能に問題が出る可能性は高いといえます。

また、日本人(アジア系人種)は頭の形が短頭系といって、前後的な長さが欧米人と違っており、歯が並ぶスペースが欧米人より少なく骨格的に不利です。

ですから、日本人は出っ歯気味に見える人が多く、歯を抜かずに、見た目を欧米人のような歯並びにしようとするとかなり無理があります。
その為多くの矯正医(特に矯正専門医)は歯を抜いて患者さんの要求通り審美的に仕上げようとして小臼歯の抜歯ケースが多くなる傾向があります。

一方、かみ合わせや、呼吸などの機能を治療することを中心に考えた場合、歯を抜いてしまうとどうしても、お口のスペースが減り、舌を置く空間が狭くなり、舌を置く動作が多くなり、結果的に気道が狭くなります。

さらに、歯を抜くことで、奥歯の歯列はやや前側に移動するため、かみ合わせは以前より低くなります。すると、さらに、舌の入るスペースは狭くなり、もっとひどいことに、顎の筋肉の緊張が強くなり、顎関節症の症状がひどくなってきます。

歯を抜かないで矯正治療を行った場合、抜いて治療を行った場合より、歯が前に出ているように見えるかもしれませんが、それはあくまでもの、日本人(アジア系)の人種としての特徴であり、それを無理やり歯を抜いて、欧米人の審美の基準に合わせると、体調を悪くしてしまう可能性が高いのであれば、せっかくの矯正治療も元も子もありません。

私の医院では、審美を主訴に矯正治療にいらっしゃる方はほとんどいらっしゃらないので良いのですが、審美を優先して考える患者さんの場合、万が一治療で体調が悪くなったら一体どうしているのか不思議です(実際にそういった問題のでる患者さんはたくさんいらっしゃるようです)。

本来は医学的にも、体を健全にすることが矯正の本来の目的だったはずです。いつからこのような審美中心の矯正治療となってしまったのか?やはり、歯は顔貌を大きくかかわっているためなのかもしれません。

もちろん抜歯をすべての症例でしなくて済むとは思いませんが、顔貌を欧米人のようにしたいがために、抜歯することによって、体の調子が悪くなってしまう患者さんも多いのです。
矯正学の始祖であるアングル先生は、自分の奥さんを抜歯して矯正したところ、大変な失敗となってしまったことに深く後悔し、抜歯をして矯正することに及び腰になったといわれています。
抜歯をしないで矯正をし、どうしても願望が納得できない場合は抜歯をしても仕方ない思いますが、顔貌の改善からいきなり抜歯をするのはあまり好ましくない気がします。

これもこのような審美治療を求める患者さんとそれにこたえる歯科医の健康のための矯正であるという意識が高くないからだと思います。医療界では美容整形は医療と思われていません。健康は失ってからその大切さに気付くものです。審美は第一番目の治療の目的ではないことに多くの人が気が付いてほしいと思います。

2013年12月23日

矯正治療では、必ずブラケットという矯正装置を使います。
このブラケット自体、長い歴史の中で、現在使われているようなブラケットと進化してきました。

しかしながら、実際に使ってみると、個々の歯のどの位置につけるのかが非常に重要になっています。

多くの矯正治療をしている先生は、目で見て、自分の感覚だけを頼りに、直接口の中でブラケットを接着しています。

しかし、実際に治療をしてみると、わずか28本中の一本の歯の高さの位置づけが、たった0.25mm(250μm)狂ているだけで、上の歯と下の歯は全く噛まなくなります。顎関節症の人は、ただでさえ顎の位置がずれているのに、この噛まないことよって、ますます、自分のかみ合わせの位置がわからなくなります。

個々の歯でブラケットを付ける高さは異なるので、上下28本を全くミスなく目で見て自分の感覚だけで正確につけることは、事実上神業で、これができる人は本当に神に近い目と手の感覚がある人だけでしょう。

私は、矯正治療を始めたとき、この難しさに気が付きました。(所詮凡人なので、このような神業を自分が習得できるとは思いませんでした)
その時白須賀先生にであい、白須賀法を10回以上も迷惑をかけながら職場に押しかけ、正しい高さにつけるコツを教えていただきました。

たとえ神業的なブラケットの位置づけができる人でも、この理論はぜひ学んでおくべきでしょう。
なぜなら、どんなに神業があろうと、正確につける基準があると、ミスはおのずと少なくなり、患者さんも、私たちも、無駄な時間を節約できるからです。

また、初めから正確につけておけば、矯正治療によって顎関節症になる患者さんはかなり減るからです。

今、たくさんの先生が白須賀法を学んでいることは本当に私にとってはうれしいのですが、実際自分で白須賀法を実践している先生が少ないのは少し残念です。

2013年11月18日

矯正用ブラケットは、各種様々なものが用意されています。

私は矯正医の実力を調べる手立ての一つとして、使っているブラケットを調べることも一つの方法です。

ブラケットは今や世界中で売られており、毎年何千万ものブラケットは売られているので、企業としては大きな利益を生む重要なものにほかなりません。その中でもメタルからクリアーブラケットから、リンガルブラケットから様々なものが用意されています。

世の中はよくできたもので、値段というのはどうしても正直です。高いブラケットの方が機能が優れている場合が多いのです。

ブラケットは今はほとんどがストレートワイヤー法となっているため、ブラケットの一つ一つが、歯の位置によって形状が異なっており、ブラケットのスロット(ワイヤーが入る溝の形)が角度が違います。

この角度は高名なアンドリュース、ロスなどの先生が決めてきたわけですが、その角度は左上の4番5番、下の1番2番以外はすべて違っています。

しかし、価格の安価なブラケットは、角度の近いものはすべて同じ角度にしたりします。それは量産時に角度を変えて作れば大きなコストがかかるからです。

また同じように、セルフライゲーションと言って、ワイヤーを縛らない、歯にかかる力が弱いブラケットは、それだけ機構が複雑になり、値段が跳ね上がります。

一方、クリアーブラケットは、構造上、セラミックやプラスチックで作らねばならないため、強度や加工の技術上の問題から、製作上制限が出るために、必ずしも理想的な構造にできないことが多々あります。

このようなことを知れば、ブラケットは患者さんのことを考えると、金属ブラケットで、セルフライゲーションがコストを考えなければもっともよい選択になってしまうのです。

しかし、歯医者さんが患者さんの[器具や材料がよければ治療はうまくゆくのか?」という質問に答えるとき、よく言うのですが、「基本的技術がなければ、どんなよい材料を使ってもその良さを100%発揮できない。技術のない人の治療は材料、器具が悪いが、技術のある人の治療より劣る」ということです。

先ほど書いたセルフライゲーションやスロットの角度なども、正確にブラケットを位置づけできない先生が使ったとしても宝の持ち腐れで、むしろワイヤーをまげて調整する量の方が多いでしょう。

しかし、技術レベルが高く、ブラケットの位置づけが正確であれば、高価でも精度の高いブラケットを選択する意味が出てくるのです。

2011年12月18日

子供の受け口は、現在はムーシールドが最も良い効果が得られます。

以前はチンキャップ(顎を後ろに押す装置を付けるもの)やFKOなどが使われていましたが、ほとんど効果がないことがわかってきました。

受け口は多くが下顎の骨格が過成長していることが原因と考えられていましたが、むしろ歯の生え方に問題があることが分かってきたのです。

それをうまく治せるのが、ムーシールドで、しかも患者さんの負担が少ないので、非常に良い装置だと思います。少なくとも半年もしていると治療成果が現れます。

私の医院では顎が左右的に曲がっている患者さんにも自作の装置を作成し、大きな効果が得られています。

顎が、左右的に曲がっていると、子供の場合集中力が無くなったり、体が疲れやすくなったりする場合があります。

このような顎のずれに敏感な子供は、私の経験では頭の回転が速く、ほかの子供とは違った能力がある傾向があります。おそらく敏感な分、いろいろな感性に優れているのではないかと思います。

治療を施してあげると、そのような感性が解放され、花開くので、非常に利発になる気がするのです。

実際これが本当に歯の治療と100%関係するかわかりませんが、私の子供のかみ合わせを治療したところ、成績が信じられないほど上がりました。本人は自分の努力の成果と言っていましたが・・・。

子供の場合はかみ合わせや顎の位置を変えると、大人より素早く反応して、首の骨や、肩の骨の位置まで変化してきます。

歯の矯正をこういった方面から今も研究していると、治療自体が非常に楽しいのと同時に、非常に責任を感じる治療であると思います。

小さなお子さんをお持ちのお母さんは子供の歯並びは気になると思います。

残念ながら、食生活の変化や、生活習慣の変化などから、歯並びの悪い子は以前と比べて減っていませんし、最近増えているのは、生まれつき歯がないお子さんです。

永久歯がもともとないので、乳歯が遅くまで残っていますが、これは非常に問題です。
多くの矯正専門医が、乳歯を残したまま矯正を終えたりしていますが、できれば多少矯正治療に時間がかかっても、親知らずなどを使って、スペースを埋めてしまったほうがよいと思います。

死ぬまで乳歯が残る保証はないし、もともと乳歯ですから、それほど強く噛めません。
早めに治療を始めれば、隙間を埋めることも十分可能です。確かに少し歯が倒れてしまうリスクはありますが・・。

歯が抜けた後インプラントやブリッジを薦める先生もいますが、それが良い選択肢かどうかはちょっと首をかしげるところです。

やはりブリッジは健康な歯を削ってしまいますし、インプラントは健康な骨に杭を打つと言った最も侵襲の激しい治療になってしまいます。少なくとも入れ歯を入れる治療の方が良いでしょう。

私の医院でも2000年ごろに2本乳歯がない患者さんと、最近右下の乳歯の見ない患者さんを治療しましたが、何とか隙間を埋めることができました。

可能であれば歯がない子供さんも早めに治療して、可能であれば、そのスペースを埋める方法が良い気がします。

2011年11月14日

矯正治療を経験した人にはすぐにわかると思いますが、治療中にさまざまなことが起こる可能性があります。

私が経験したり、実際さまざまな患者さんで体験したことに以下のようなことがあります。

1、歯を動かすと、敏感な人ではおなかの調子がおかしくなる人がいる。
2、レべリングといって、歯並びの矯正の初期から中期の間で、片方の手に痺れが出たり、手首が痛くなったりする。

3、治療途中で、吹き出物が出たり、治ったりする。
4、背中や、腰に違和感が出る
5、目の奥が痛くなったり治ったりする。

以上挙げたものは、注意深く患者さんを観察していれば、多く認められる症状です。

残念ながら、多くの先生は、それが歯が原因とも思わないし、また患者さんもそんな影響があるとは考えないために気がついていません。

しかし、その原因を考えれば、ほとんどは納得ができるものです。

歯の移動は単純に歯が移動するだけではすみません。多くの場合が顎の位置に変化を起こしてしまいます。

顎の位置が左右的に、あるいは前後的にあまり変化させずに治療ができれば、ほとんどの場合問題は出ません。

しかし、歯がガチャガチャしていたり、左右の顎の高さがずれていたりすると、必ず顎の位置がずれてきます。

このずれによって、顎の位置が狂い、それが微妙な顎周囲の筋肉に影響を与え、場合によっては最も重要な頚椎1,2番、などの位置をずらしたりしてしまいます。


これによって、自律神経が刺激されたり、脳脊髄液の流れに変化が起きたりすることによって、歯とは一見関係のなさそうな症状が出てしまうのです。

2011年11月 6日

矯正治療は顎の位置を完全に変えてしまう可能性のある治療です。

ですから、非常に難しい分野といえます。

ほとんどの先生が、ワイヤーをつけて、歯がきれいに並んでくると、もうすぐ終わりだと喜んでいるようですが、これはまったくの勘違いです。

このような勘違いの治療をしていると、多くの患者さんに顎以外の問題を引き起こす可能性があります。

顎は全身のバランスをとっている重要な箇所なので、顎の位置が著しくずれると、全身のゆがみが増大してきます。

すると、そのような蓄積は知らず知らずのうちにたまり、年をとってからの大きな病気の原因になってしまうのです。

顎は非常に自由度が高いので、歯が並んできてしまうと、上のはと下の歯がかみ合うようにずらしてしまいます。

そこからいろいろな問題が起こるのです。

特に顎の位置が左右的にずれると、非常に大きな問題が起こります、「肩こり」、「頭痛」、「腰痛」果ては自律神経にまで問題が起こることがあります。

特に自律神経や、頚椎に変位の影響が出だすと、欝のような症状が出てきます。

私自身が欝のような症状に襲われ、歯を治したらそのような症状から完全に開放されたので、これは間違いありません。

単に歯並びが悪いだけでは済まされないのです。

実際に私の医院で治療を受ける方の大半は、ぱっと見の歯並びはさほど悪くありません。

こんなことを考えると、適正な矯正治療が行われれば、日本のGDPは大幅に上がるのでは?
何て思ってしまいます。

2011年10月 3日

以前、私のところに「矯正治療について、広告を出さないか?」といっていらっしゃった業者さんが、
「矯正治療後約7割が満足していない」
という結果をインターネットの調査からわかったと教えてくれました。

当時私は、その、ほとんどが審美的な完成度に対しての不満だと思っていましたので、「患者さんも細かいことを気にしすぎではないかと?」と私は思っていました。

しかし、今考えると、そのような考えは少し修正しなければならないような気がします。

なぜかといえば、実際は多くの患者さんが、矯正治療後の体調の変化、特に首の痛みや肩こり、腰痛などに対して治療前より苦しんでいることが多いというのを実際に聞いたからです。

私が見てきた限り、あごの位置を動かすと、体調がずいぶん変化します。特に大人の場合はそうですが、子供でもかなり変化します。

きちんと体のことを考えて治療をしていれば、変化しては体調がよくなり、また一時期不調になって、さらによくなるといったサイクルを繰り返します。

しかし最悪なのは、治療後どんどん体調が悪くなってゆくパターンです。

私が聞いたことがある最悪の場合は、お子さんの場合で、学校に行けなくなるほど体調が悪くなったというのを聞いたことがあります。

私の医院で何人かのお子さんを治療してきましたが、ほとんどの場合、劇的といえるほど、体調が改善することが少なくありませんでした。

今では、体調と顎の位置とは非常に強い相関があると確信しています。

2011年6月28日

矯正治療ほど、難易度に違いがある治療は歯科では他にありません。


よく、ホームページのフレーズで、「1年で終わるスピード治療」なんて私でも"くらっ"としてしまう言葉がちりばめられたページを見かけます。


もちろん、中には簡単な症例もあるでしょう。
一年で終わらせることが可能な矯正治療はないとは言いません。


しかし、それは単に「歯並びを治すだけなら」という条件付きです。


単に歯並びを治しても、体全体からみて、「傾いた船の上で、なんとか傾いた中で安定した状態」というのが非常に多いのです。

この場合ほんの少しでもバランスが狂うと一気に船は沈没してしまいます。


体も同じです。歯並びが一見治ったように見えても、体のバランスが全然治っていな場合がほとんどです。


咬み合わせがバランスがとれているか、誰でもわかる一番簡単なテスト方法は、鏡で自分の左右の目じりを結んで線を引いてみます。そのラインと、ニコッと笑ったときの上の歯列のラインを比べてみます。


バランスが悪い人は、そのラインが目じりを結んだ線に対して右上がりか、左上がりになっています。
右上がりの人は右側に、左上がりの人は、左側に咬み合わせがずれていることがほとんどで、肩コリや、首の痛みが、ずれている側におこりやすくなります。


本来は矯正治療でこれを治してあげることが必要ですが、先生が歯並びしか気にしていない場合、治っていない事の方が多いようです。


人によっては、緊張が左右とも強くなりすぎて、どっちに歯列が上がっているのか、私でも判断できない事もあります。そんな人の場合は、単に首こりや、肩の痛みだけでなく、内臓にまで問題が生じていることがあります。


またデーモンブラケットのように、筋肉の力を抜いてくれるようなソフトな力で動かす矯正装置を使うと、筋肉がゆるみ、治療とともに、左右の歪みがよくわかるようになります。


私も患者さんを矯正治療している時、顔がどんどん片方に歪んでくるので、治療を失敗したのかと非常に焦ったりしましたが、実際は緊張が取れてきて治っている過程であることに気が付きほっとしました。


矯正治療は、首から上の筋肉の緊張を取り除いてくれるので、うまくやれば、他の内臓などの疾患の原因である、頸椎や、腰椎のズレ等も治ることがほとんどで、非常に慎重に行わねばらない治療だと思います。

ということは逆に悪くなる可能性も十分あるということです。

2011年6月21日

私は、矯正治療でずーと昔、スピードという、ワイヤーを縛らないタイプの当時革新的と言われたブラケットを使っていました。


しかし、そのブラケットも輸入元の会社が悪すぎて、購入するのに困り果て、結局、普通のブラケットに一時戻りました。


その頃は結構治療がうまくいき、意外にこのブラケットいいのではと思い5年ぐらいこのブラケットを使っていました。


しかし、デーモンブラケットが非常に良いという噂を聞き、ブラケットを変えました。

すると、はじめは非常に良い感触を受けたのですが、どうも最後の仕上がりがどうしてもうまくいかない違和感を感じました。


何度も試行錯誤を繰り返し、やっとわかったことは、デーモンブラケットは、強く縛らないため、患者さんの筋肉の緊張を取り除くため、それが仕上がりにくい原因と分かりました。


また、矯正治療をする人の顎はほぼ100%前後、左右どちらかにずれており、それが前歯の真ん中が合えば良いと言った単純なものではない事にも気が付きました。


この問題を治療で治すと、患者さんの目が変わってきます。「とろーん」とした目が、きちんと魂の入ったしっかりした目に変わって来ます。

これは顎の位置が、頸椎や、体のバランスを大きくかかわっていることを示しています。


ですから、デーモンブラケットでなくても矯正治療はうまくいくという先生の判断にはあくまでも私は反対の立場でいます。

よりよい矯正の仕上げをするにはデーモンブラケットはなくてはならないのです。

2011年6月17日

いろいろな講演会を見て、特に女性の患者さんですが、矯正治療前と、後とで、完全に変わってしまう人がいらっしゃいます。


もちろんうまくいった症例として出すわけですから、偶然なのかもしれません。でも私には偶然とは思えないし、単に審美的コンプレックスが改善されただけの変化とは思えないのです。


私の医院で矯正治療をしている患者さん(もちろんそのほとんどがかみ合わせに問題を抱えており、それを治療している)は非常に激しい変化があることに驚かされ、その考えはますます確信へとつながりました。


初診のころ、何か怒っているのではないかと思うような口調でいらっしゃった患者さんが、とても気さくで、易しい声をかけてくれるようになり、服装がダーク調だったのが、派手でかわいらしい服装に変わったりしました。


またある人は、矯正を始めてある程度歯が動き出すと、ロングの髪を急にショートカットにしたかと思うと、更に、短くしてしまったり、化粧まで変わってしまいました。もちろん装飾品や、服装までもガラッと変ってしまうのです。

はじめは偶然かな?と思っていましたが、どうやらほとんどの患者さんで起こるので、偶然ではなさそうです。


ただ、それらの患者さんに共通しているのが、頸椎の変化です。
矯正治療でかみ合わせがうまくいくと、首の骨の状態がどんどん変化して、体調が良くなり、気分も良くなるのと、頸椎の位置が収まるべき位置に収まると考えられます。そうすると、おそらく脳髄液の流れに変化がおこり、脳にまで影響を与えているのだと思います。


交通事故後、リハビリで無理やり頸椎を引っ張られた患者さんが、激しい肩の痛みと、呼吸が苦しいとのことで、当院にいらっしゃいました。頸椎を修正しながら、矯正治療を行ったところ、かなり症状が改善しました。


1年以上整形外科で治療を受けて全く治らなかったので、歯の治療で急な変化が起きたため、整形外科の先生がいったい何をしたのか聞きたがっていたようです。


私は「整形外科の先生の治療の仕方が間違っている」と言いたいところですが、基本的には「痛みが出ているところだけ治療しても、モグラたたきのようなもので、根本的解決にならない」というのが本音です。もう少し、部分ではなく、体全体のバランスと、神経機構を考えて治療してほしいと思います。患者さんに無駄なお金と時間を使わせないためにも・・。

2011年6月11日

「矯正治療は何年かかる?」

良く聞かれる質問です。
しかし、患者さんは大きな勘違いをしています。
歯がまるでブロックのように顎の上に並んでいて、そのブロックを移動させて歯を咬ませるようにすることが矯正治療であれば、容易に治療期間は予想が付きます。


しかし、歯とかみ合わせは全身と関係しているため、わずかに歯の接触が変わるだけで首周りから、全身に至るまでの筋肉のテンションが微妙に変化し、からだ全体が、絶えず反応と安定を繰り返しながら動いてゆくのです。


ですから、「ほぼ1年ぐらいで矯正治療が終わります」、などなかなか決して言えないはずです。


「医院の経済的観点」、「患者さんの楽さ」などを考えれば1年程度で終わらせるのが非常に良いと私も思います。

どんな先生でもそうしたいはずです。しかし「可能な場合は」の話です。


私も治療をしてきて1年ぐらいで、ある程度の並びとかみわせが出来ることには気が付きましたが、「それ以上の問題点がある場合がほとんどである」と気づかされてから、安易に「早く終わる」とは決して言わなくなりました。


歯は、個々の歯の位置と、筋肉の調和を治さねばならないのです。つまりブロックのように歯を並べれば終わりではなく、それを取り巻く筋肉が適応する期間を待たねばならないということです。その間も顎と体は動いてゆきます。


子供はその適応期間が短く、大人は長くかかる傾向があります(もちろん個人差もありますが)

子供の場合、変な癖が付く前に、ムーシールドなどで、癖を除去しておくと、治りも早くなります。

2011年6月 7日

歯並びが悪いのは、本人にとっては審美的にも考えてもうれしいことではありません。


しかし、あまり知られていないのは咬み合わせが悪いことによる弊害です。
歯の一本一本が咬まない事だけではなく、顎の位置が正しくない事も、大きな問題を引き起こします。

多くは肩こりや、頭痛、ひどい場合は内臓の不調まで引き起こします。(私が見てきた例だと、肝臓が弱ったり、消化器系が調子が悪くなったりします。肝臓は皮膚の湿疹や、ニキビ、疲れやすい等の症状が出ます)


私も自分の歯を矯正で治して気が付いたのは、咬み合わせの位置が相当歪んでいたということと、しっかり物を咬めていなかったということです。


物をしっかりかめる(しかも顎の筋肉にストレスがかからない位置で)様になることで、物の味がより鮮明に分かるようになりました。


よく漫画などでも、「このスープには何と何が隠し味に使ってあるな!」なんてことが書いてありますが、自分ではどうしてそんなことが分かるのだろうと不思議に思っていました。


しかし、自分の歯のかみ合わせが治り、きれいにクリーニングしてもらった後、「料理二使ってある調味料が分かるのはこういうことを言うのか!」と何となくうれしく感じる瞬間がありました。


良くかめず、味も不十分にしか分かっていなかった自分が非常に悔しく思い、人生の半分近くを損した気分でした。


実際に自分の味覚がマヒしていることに気が付くことは少ないでしょう。


味覚がマヒすればするほど、濃い味を欲するようになるらしく、良く自販機の前で、煙草を吸いながらあまーい缶コーヒーを飲んで、それを灰皿代わりにしている人がいますが、缶コーヒーはまさしく濃い味付けの代名詞のようなものです。


煙草を吸っていると味覚はだんだんマヒしてくるので、濃い味が必要になるからだと思います。


最近ではできるだけ薄味の物が食べたくなるようになりました。味覚は長い目で見れば健康にも影響を与える(食べる物の嗜好まで変えてしまう)恐ろしいものではないでしょうか?


お医者さんも、「食べすぎるな!」とか「脂肪を取るな!」なんて言わず、どうしてそのような嗜好になってしまうのか?そこをどうやって治せばよいのか、それを考えれ診療に当たればもう少し世の中は変わるかもしれません。

2011年6月 4日

矯正治療は最近では様々な種類の道具や材料、方法が出てきています。

確かにいろいろな方法はありますが、治療にベストな方法はそう多くはありません。


たとえばクリアライナーと言って、マウスピースのようなクリアーな装置を使った矯正治療、これは見た目には良いのですが、治療できる症例が限られています。

またかみ合わせを治すことはほぼ不可能です。


歯医者さんの側からみると、上下の型と、かみ合わせだけとって、技工所に出せば、患者さんに入れる装置が出来あがってくるという仕組みですから、非常に楽ですし、めんどくさい技術を勉強する必要もなく、極めて導入しやすい治療法です。


ですから本気で歯を治そうと思っている方は辞めた方が良いと思います。後でどんな問題が起きるかわからないからです。


また裏側矯正も、難しいと言わざるを得ません。多くは書きませんが、裏側矯正は見えない事以外にメリットはないと言えるでしょう。


最も一般的な方法は外側にブラケットを付ける方法ですが、これもなぜか、一番良いのは、全て金属でできたブラケットを使った方法です。

金属は、歯と当たっても、適度にしなやかなので、相手の歯を痛めませんし、何より、加工がしやすいので、理想的な形にすることができ、ワイヤーとの滑り抵抗も少ないので矯正治療に非常に適していると言えるでしょう。

歯の矯正治療といえば、本来は顎の位置を適切な場所へ持って行く必要があるので、そういった面では、歯にかかる力は強すぎないほうが顎が緊張しないので、なるべく柔らかでしなやかなワイヤーが良いと思います。


最近テレビでも話題になっているゴムメタルなどはその好例でしょう。


いずれにしても矯正治療は日々進歩しています。ホームページなどで良く調べ、取られている治療法が新たしい医院で治療を受けた方が無難です。


歯科の先生はとかく、昔、学校で習った事を盲信し、30年ぐらい前の治療をそのまましていることも意外に多く、「え!今どきそんな治療しているの?」といった事も少なくないのです。

2011年5月21日

矯正治療を受ける患者さんで最も悩むのは、親知らず以外の歯を抜いて治療を受けるかどうかです。


確かに以前のブラケットでは矯正において抜歯は避けられない部分がありました。
しかし、最近のテクノロジーの変化で、抜歯しなければ歯が並ばないという事はほとんどなくなりました。


それはブラケットにフリーフリクションブラケット(ブラケットとワイヤーに摩擦抵抗がほとんどない)の登場によるもので、歯がでこぼこが治るとと同時に広がったり、後ろに動いたりすることが可能になったからです。

大部分の抜歯が必要と考えている先生の抜歯の理由は審美的なものです。

ですから、私は、審美性(ちょっと口元が出ている)程度の理由で歯を抜くのは全く理解できません。なぜなら歯を抜いてしまう健康の問題の方がずっと深刻だからです。


多くの先生が、レントゲンの分析を持ち出して、角度分析や、数値を出して抜歯を促します。


しかし、その分析の仕方自体が50年近くも前のものであることを理解しているのでしょうか?

私は、リケッツ等の昔からの分析法は、もう現代にはほとんどあてはまらなくなっていると考えます。また咬み合わせの位置を考えると、セファロ分析はあくまでも見かけ上の分析でしかありません。


そもそも、そんな昔の分析法をいまだに100%信じて治療していること自体が私には奇異に他なりません。
人間の顔の形も機能も随分変わっているのです。ある程度参考にする程度にすることが良いのではないでしょうか?

2011年4月19日

矯正治療において、特にストレートワイヤー法になってからは、ブラケットをどこに着けるのか?
そしてどれだけ正確に歯に接着できるかが非常に重要になってきました。

そんな中で、インダイレクト法は、矯正治療の中で最もメジャーな方法となってきました。いかに正確に模型上に仮付けし、それをいかに正確に歯に着けてゆくかが、矯正治療の成否を決めてしまうからです。

しかし私もそうでしたが、様々なインダイレクト法を試してみましたが、ブラケットを着けてもすぐ取れてしまったり、正確な位置に着けられなかったりと。四苦八苦した揚句、結局、ダイレクト法に戻ってしまったりしました。

しかし、白須賀法は全く別の次元で成功を収めることが出来ます。

白須賀法はブラケットを正確に着けさえできれば自然に歯が並んできますし、上下の歯も咬んできます。

ですから今のブラケット装着法の中で白須賀法が最も優れていると言えるでしょう。

しかし、やはり習得が難しく、白須賀先生に技工をお願いしていらっしゃる先生もいらっしゃるようです。

私も一時期そうしようとも思いましたが、自分で技工をすることに意味がある(自分の治療へのフィードバックがある)と考えてやり続けました。

白須賀先生の熱心な指導のおかげで、今は本当にうまく(自分なりの評価ですが)いくようになり、治療期間と治療にかかる時間がが格段に短くなりました。
やはり技術を習得するのは歯科医にとっては非常に重要なことだと思います。


しかし、その白須賀法も、かみ合わせの制御はできませんから、それはまた別の技術で治してゆくしかありません。

しかし、白須賀法で並べ、かみ合わせを合わせてゆくと、体調が恐ろしく良くなってきます。
これは当医院で通院されている患者さんほとんどすべての方が感じるので、やはり白須賀法だけでなく、咬み合わせも治すのが、本来の矯正治療といえるのでしょう。

2011年4月18日

最近の子供さんは体がゆがんでいることが非常に多くなりました。

主に外遊びをしなくなったことと、ゲームなどの脳にばかり刺激が行く遊びが増えてきたからだと思います。

脳ばかりの刺激は体の筋肉のバランスを奪います。

ですから顎やそのほか体全体の筋肉もあまり使いませんから、どうしても変なゆがみが起こりやすくなっているのです。

このような事情から、昔は簡単だった子供の矯正治療も年々難しくなってきています。

そういった意味でも、噛み合せを考えた治療や体とのバランスを考えた矯正治療は非常に重要になってきます。

私が子供さんを治療する場合は、早い時期からムーシールドで顎の位置の訓練を行ってから、デーモンブラケットを使います。

これで多く子供さんは自分のゆがみや筋肉の痛みに気づき本当によく治ってくれます。

2011年3月23日

最近注目されているデーモンブラケットですが、何故このブラケットが注目されているかというと、生体の自然な反応を引き出して、適切な顎の位置に顎が移動するのを妨げないという点です。


ほとんどのワイヤーを縛るタイプの従来のブラケットでは、かみ合わせを強制的に決めてしまいます。

ですから一見きれいな歯並びに並んでいるように見えますし、治療期間も短く感じます。
また審美性も良くなります。

ところが首が痛くなったり、顔のどちらかが膨らんできたりと、思わぬ反応が起こります。

これは歯のかみ合わせの位置と本来の顎の位置とが狂っているからです。

これでは車をぶつけて修理に出して、外装は治したのに、エンジンは治していないようなものです。

車は走ってモノや人を運ぶ道具です。
きちんと走れて意味があるのです。

歯もこれと全く同じ、正しくかめて意味があるのです。

2011年3月17日

矯正治療で普通よく問題になるのは審美性の問題です。

しかし私は審美性はもちろん大切ですが、機能をよくすることに重点を置かないと矯正治療は意味がないと思っています。

見た目を重視するとどうしても歯を抜くことが多くなりますが、実際私も以前は歯を抜いて矯正治療をしていたものの一人として、抜いてよかったとあまり思えないのです。

もちろん口元は下がるのですが、それ以外の弊害のほうが多い気がするのです。

実はこのようなことは、自分の今まで抜歯をしてきた患者さんに申し訳ないのであまり書きたくないのですが、患者さんにとっての本当の利益を考えると、やはりそういうしかありません。

しかし、成人になってから矯正をすると、どうしても口ものを歯を抜かずにきれいにすることが難しくなります。

ですから少しでも早く、ムーシールドなどの装置を使って機能の不全を治しておくべきだと私は考えます。

2011年3月 9日

歯の矯正治療は最近どこでも見られる当たり前のことのようになってきました。

お母さん、お父さんにとっても、歯の矯正は費用もかかるし、一体いつから始めればよいのかと考えてしまうと思います。

しかし、最近私も歯科医師向けの講演会で臨床をやっているものの一人として、お話しさせていだたきましたが、ムーシールドという素晴らしい装置がこの問題を解決してくれると思います。

私がお話したのは、「かみ合わせの問題を放置すると、大人になってから、もう完全に治すことが難しくなるので、できるだけ早い時期からかみ合わせを適切な状態になるように導いてあげることがよい」といった内容でした。

ムーシールドは何と3歳児から使うことができ、費用は当医院では6~8万円(診断料金、調整料は別途)そのほかの医院でも、おおむねそれに近い金額で治療をしてもらうことができます。

この装置の素晴らしいところは、顎の成長や、かみ合わせの位置を正してあげることが小さいことからできるということです。

私も2年ほど前までは全く興味がなかったので、使っておりませんでしたが、実際に使ってみると、ブラケットをしなくても、かなり良好な結果が得られますし、最終的にブラケットをつけることになったとしても、治療期間を大幅に短くできることができるのです。

白須賀法と組み合わせると本当に矯正治療が早く終わるので、私自身も驚いています。

お近くの先生でもムーシールドを使っていらっしゃる先生がいらっしゃいましたら是非相談に行ってみてください。

2011年3月 4日

矯正治療後に顎の違和感を訴える患者さんのほとんどが、正しい顎の位置でかみ合わせが完成していません。

つまり、顎の位置は矯正治療において非常に重要といえるのです。

最近デーモンブラケットが注目されていますが、その理由の一つに、歯や顎にかかる負担が非常に少ないことが挙げられます。

デーモンブラケットはセルフライゲーションといって、ブラケットにワイヤーを縛りつけません。
そのおかげで顎周囲の筋肉に強い締め付けの力が少ないといえます。

そのおかげで筋肉の緊張が起こりにくく、顎を無理のない位置でかみ合わせることが可能になるのです。

しかし、単にセルフライゲーションのブラケットを使ったからと言って、顎が正しい位置にいくとは限りませんし、体のバランスが崩れてしまっている人は、それも徐々に回復しながら、顎の位置が移動してきます。

また場合によっては整体などの治療を受けないと完全に治らない場合もあります。

ですから、ケースバイケースで、歯のズレが一番の問題なのか?
それとも体の歪みがひどくそれが顎のズレに大きな影響を与えているかで、治療を考えないといけないと思うのです。

2010年6月13日

最近矯正界でも何かと論議を巻き起こしており、賛否両論のあるデーモンブラケットですが、このブラケットは使い方を間違えると非常に治療が難しくなってしまいます。

私がそのことに気がついたのは導入して1年半程度が立った後です。

メーカー、およびいろいろな先生に聞いて、デーモンについて聞くのは、その賛否両論です。

その多くが、「思ったように歯が動かない」、とか「最後に仕上がらない」といった細かい調整についてです。

また歯の移動中に隙間が開いてくることや、ブラケットが取れ易いといった点もかなり問題視されていました。

しかし私の出した結論では、これらは今までと全く違う考え方で動かそうとする矯正治療が直面する問題点に他ならないとわかったのです。

つまり、今までの矯正治療が強制治療であったのに対して、デーモンブラケットは力を添えるだけの矯正治療であるということです。

デーモンブラケット自体は悪くないのですが、その性質を理解しないまま、先生が使用したり、正しい使い方を教育しないままオームコ社が機構の優位性で売り込んでしまったことが、使い勝手の悪さと、うまく歯が移動できない苦情を生んだのだと思います。

今までの歯の移動はいわばかなり強い力で歯を移動させていました、つまり強いワイヤーの力で歯を動かしていたので、歯は動くのですが、患者さんにとってはかなりの苦痛であり、しかもそれになれてしまうので、普段はあまり感じていませんが、顎周囲に異常な負担が生じています。

通常歯を適切な位置に移動させるために、ストレートワイヤー法であっても、ワイヤーにトルクという曲げを入れますが、このトルクは歯に非常に強い力をかけるため、デーモンブラケットのように弱い力で移動するシステムにはこのようなトルクを与える方法は不向きなのです。

また、人間のかみ締めの力は意外に馬鹿にできません、かみ締めの力によって歯が動いてしまうという、デーモンブラケット特有の問題も起きてしまうのです。これらのわずかな力で動いてしまうという特性をうまく利用すると、デーモンブラケットは驚くべき特徴と、驚異的な歯の移動を見せてくれます。

私自身実際に患者さんに使ってみて、こんな方向に歯はもう動かないだろうと思うような場合でも治療を行うことが可能でした。

ただし、顎間ゴムといって、上あごと下あごにかけるゴムを多用しなければならないことが唯一の欠点で、話したりする機会の多い人には難しい問題です。
というのはゴムを長時間かけることによって歯が動いてくれるからで、長時間のゴムをかけることは根気のいる作業だからです。

将来はもう少し工夫して早く動くようになることを現在は研究中です。

2010年4月17日

今の矯正治療はほとんどがストレートワイヤー法です。これは理論的にこの治療法が正確な矯正治療が行いやすいという見地から取り入れられ始めました。

矯正治療の歴史のところで、私が触れているように、スタンダードエッジワイズ法による矯正はオーダーメイドによる矯正法であることはその通りなのですが、あくまでも治療の完成が、術者の勘と経験に頼るということです。

つまり、いくら名人とは言え、口の中を見て調整するわけですから、人によっては口の見え方が違っていたり、ほんのわずかの小さい部分の調整をしているわけですから、その勘が狂うということもあり得ないわけではありません。

また口の中のほんのわずか歯の傾きの何度といった角度を調整するわけですからとても難しい作業を強いられているわけです。

ストレートワイヤー法は、一部で効率のための方法だと言われたりもしますが、実際は狂いを少なくする方法ともいえます。

ストレートワイヤー法以外もインダイレクトボンディング法なども狂いを少なくするための方法といえます。

治療に対しては何か基準がないと、どの歯の位置があっていて、どの歯が狂っているのかさえ分からなくなってしまうことがあります。

こうなると手も当てられず、治療はうまくいきにくくなります。

いくら名人の飛行士が運転するといっても、今の時代、管制塔の誘導システムもない、計器も正確でない、そんな飛行機に乗りたい人はいません。

名人ですら、何か基準があったほうが治療は行いやすいのです。

2010年3月29日

矯正で最近話題のデーモンブラケットですが、実はこのブラケットは今までのブラケットとは全く違います。

このブラケットを用いると、歯列全体を後ろに送ったり、あるいは左右的なずれを一気に治したりすることが可能になります。

つまり今までは治療の対象ではなかった症例まで治療を行うことができるのです。

多くの矯正の先生は単にスピードが速いとか、痛みが少ないといった利点のみしか使用しておらず非常にもったいないのです。
実際当医院の症例では、重篤な噛み合わせの問題を抱えた患者さんが多いので、デーモンブラケットの能力を100%生かさないと症状を取り除くことができません。

噛み合わせが原因であるストレートネックなどは非常にうまく治ってくれます。
首の痛みなどはこの治療でほとんどの症例で取り除くことができるのです。

2010年3月25日

歯並びを矯正するとは一体どういう意味なのでしょうか?
言葉から想像するに、ガタガタになっている歯をまっすぐにして見た目も美しくする方法のように見えます。
このような分野で最近流行っているのがインビザラインという、マウスピース矯正です。

しかしこの矯正装置はほとんどの場合、歯並びしか治すことができませんし、場合によっては治らないこともあります。

歯科医師としてはこのような装置はよっぽどのことがない限り自分の治療に使おうとは思いません。


では噛み合わせを治す矯正とは一体どんなものでしょうか?
これは歯を移動することによって、本来その人にとって最適な顎の位置に下顎が行くようにしてあげることを意味します。

このような矯正では様々な副次的効果が得られます。

最近多く見かけるストレートネックなどは多くが、下顎の位置がおかしいために起きています。
ですから下顎がよい位置に行くとストレートネックが改善することがほとんどです。

また多くの睡眠時無呼吸症候群の原因すら取り除くことができるのです。(これは現代人の多くが顎が後ろに下がる傾向にあり、そこで噛み合わせができてしまうことでこの疾患が生まれているのではないかと思わせることが多々あるからです)

しかし、噛み合わせを治す矯正治療は技術的に非常に難しいのです。

ですから多くの先生が比較的簡単にできるマウスピース矯正を取り入れるのではないかと思います。この矯正では初めからかみ合わせの位置を治そうという感覚がないのですから。

2010年3月 7日

矯正治療で最も難しいのは噛み合わせを上手に仕上げることですし、それはテクニック的にも非常に困難です。

「え?矯正治療って噛み合せを治す治療なのにそれがそんなに難しいの?」
とお考えになる方がほとんどだと思います。

しかし現実には非常に難しいのです。

まず、どの顎の位置が患者さんにとって適切であるのか?

それがもっとも重要な問題です。しかしながら、矯正学会、咬合学会、顎関節症学会、いずれの学会においても明確なその位置の取り方が決められているわけではありませんし、それどころかその定義すら明確ではないのが現状です。

わたしはそのような学会の体質を見るにつけ、学会に属しているのは非常にばかばかしくなったため、学会には属さなくなったのです。

ところで、本当に患者さんにとって良い噛みあわせは、本人が心地よいと感じるはずであり、良く噛め、しかも体中が安定する噛みあわせのはずです。

私もこの位置をある程度正確に取れるようになるまで16年近くかかりました。
なぜこんなに時間がかかったかというと、その位置が日々変化してしまうからです。

というのは患者さんは顎の状態はさまざまで、非常に安定してよい噛みあわせである人とそうでない人がいるからです。

2010年1月10日

近年矯正治療は非常にはやっています。
いろいろな人が、さまざまな理由で矯正治療をしていますし、コンプレックスから治したいという人も少なくありません。


ここで私が考える本当に矯正治療が必要な患者さんについて書いてゆこうと思います。
皆さんの大部分の人が勘違いしていると思います。
矯正治療を始める人でどのような場合が、本当に矯正治療が必要なのか?考えたことがあるでしょうか?

実は私が矯正治療を数多く手がけてゆくうちに気づいたことがあります。
それは、見た目と矯正治療の必要性とは何の相関関係もないということです。

たとえば、親御さんがもっとも気にするⅢ級(すなわち受け口のこと)の場合です。
この場合多くのお母さんは治療をすべきと考えるのですが、実際は噛みあわせが相当悪くない限り、肉体的問題を起こすことは少ないのです。

スポーツ選手などを見ていただくとよくわかるのですが、松井、イチロー、中村俊介、などほとんどの一流スポーツ選手がなぜか、Ⅲ級(受け口)に近い噛み合せをしています。

私もはじめは偶然ではないかと思ったのですが、意外にⅢ級の人には卓越した能力を持った人が多いのです。

これは何故か?私は随分考えました。しかし私の医院にいらっしゃって、矯正治療をしなければならない患者さんの多くが、Ⅱ級(上が出っ歯)の患者さんです。

つまり、上が出っ歯(Ⅱ級)の人は、肉体的問題を引き起こしやすいのです。
Ⅱ級の人は、多くが顎が引っ込まされた人が多く、また傾向として、パソコンなどの頭を使いすぎる仕事の人や、激しい受験勉強を乗り越えてきた人に多い傾向があるような気がします。

私が治療して感じることは、頭を過度に使っていると、首の緊張が強くなり、顎が後ろに押し込まれる傾向があります。
それによって、呼吸がしにくくなったり、噛みしめがひどくなったりして、顎関節症がひどくなるのです。

ですから、顎が後ろに引っ込んでいる傾向の人は私は絶対に矯正治療をすることが望ましいと思うのです。

また乱杭歯の人も必ず治療が必要というわけではありません。
しかし、左右的に歯の重なり具合が違っていたり、上と下で歯の重なり具合が違うと、肉体的に大きな問題を引き起こす可能性が高いです。

自分の歯並びをこのような目で総点検してみるとよいでしょう。

2009年12月22日

矯正治療は歯の治療の中でも最も難しい分野になるのではないでしょうか?
しかも噛み合わせという歯科で最も困難といわれている分野を完璧に仕上げないと治療がうまくいったとは言えません。
自分も今振り返ると未熟だったころがありましたが、一応かみ合わせを治すのだという意識は常に持っていたつもりです。
しかし、矯正治療を専門にしている先生の中には噛み合わせ位置をどうすればよいかすら考えたこともない先生が数多くいらっしゃる気がします。
矯正治療は噛み合わせがうまくいかないと、首がゆがみ体がゆがんでゆきます。
多くの患者さんが、体の調子が悪いので、整体に通っているとおっしゃいますが、残念ながら歯が体の調子にどれほど重要であり、かつ影響を与えているかを考えたことすらありません。
長い人では毎月何回も整体に通い、20年も30年も通い続け、かかった費用はゆうに100万を超える人すらたくさんいらっしゃいます。
しかし、矯正治療でもしこれらの症状が消えるのであれば、矯正治療の値段は決して高いものではないと思います。
なぜなら、整体に通わなければならない費用だけでなく、普段の生活まで楽になるのですから・・。
自分の経験では整体はゆがみきった体を戻すのに必要ですが、これを良いままに維持することは不可能なのです。

矯正治療
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番町デンタルクリニック 院長 吉田敦志(よしだあつし)

番町デンタルクリニック
院長 吉田敦志

番町デンタルクリニック公式サイト

皆さんは何のために歯科矯正をお考えでしょうか?
美しい笑顔のため?コンプレックスを解消するため?
確かに矯正治療には、そういった役割もあるといえます。

しかし、私が考える矯正治療の目的とは、健康な体を手に入れること。

私は10年以上前から、かみ合わせと体の関係を研究してきました。その結果、
矯正治療で適切なかみ合わせに導けば、体の状態は必ず改善するという自信を持つようになりました。

実は、矯正治療というものは奥が深いものなのです。