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2018年7月 7日

ブラックペアンをみて、歯科医として見逃せない細かい演出を見つけました。

手術のときに使うルーペですが、皆さんも、佐伯教授の使っていたルーペと渡海一郎が使っていたルーペが違っていることに気がついた人もいたかもしれません。

佐伯教授の使っていたルーペは割と小さ目のレンズで、歯科ではよく使われるサージテルと形状が似ていました。

一方で渡海一郎が使っていたルーペは特徴のある形状でコプルーペ、こちらはカールツアイス製と明らかにわかる映像でした。

サージテルは、どちらかというと技術肌の先生が使うルーペです。ただ、重くて無骨なイメージです。

一方でサージテルはとても軽く、オークレー型のメガネに取り付けられ、スポーティーで、おしゃれです。重くないので歯科衛生士にはこちらのほうが人気があります。

ただ、レンズは明らかにコプルーペのほうが明るく、くっきり見えるので、職人肌の人はコプルーペを選ぶでしょう。

なんとなく渡海一郎のほう佐伯教授より純粋な技術肌だった、といったイメージを作りたかったのかもしれません。
しかし、テレビがそんな細かいところまで演出しているのには驚かされました。

2018年7月 6日

当医院で行う矯正治療は、通常の矯正治療と違った部分が多くあります。

その中のひとつに、「顎の3次元的な位置を変えてゆく治療」があります。
顎の3次元的な位置?といってもなかなかピンとこない人が多いと思いますが、たとえば、正面から顔を見ると顎のラインが右上がりになっていて、目が右下がりになっていたりした場合、明らかに右の奥歯の高さが低くなって顎が右後ろに下がった状態になっているといえます。つまり、顎の3次元位置が後上方に回りながら入ってしまった状況といえます。

テレビを見ていても、顔がゆがんでいる人が昔より多く見かけます。もちろん私が特にそこに注目していることもありますが、矯正治療を行った後の状態の人もいらっしゃるかも知れませんが、顎の3次元的な位置関係は治っていないケースも少なくないと思います。多くの矯正は顎の3次元的な位置まで考慮して治療は行いません。

顎が3次元的にずれると、そちら側の筋肉は常に短めの状態で力を入れる必要があるため、やや収縮した状態から力をかけなければなりません、すると筋肉は常にある程度緊張していたり、疲労が蓄積して固まりやすくなります。そして筋肉が付着している部分の骨を強く引っ張り始めます。実は顎や頭蓋骨の骨は思っているほど硬くなく、このような力で簡単に変形してしまうのです。

筋肉は緊張したままでふくれ、骨と骨との間が狭くなって肉が集まり、ずれている側の顔が徐々に浮腫んだように見えてきます。

噛みあわせを変えるための治療として、矯正治療時に歯の高さを変化させ、顎の3次元的な位置を修正すると、緊張していた筋肉は弛緩され、緊張していた塊が取り除かれ、引っ張られていた側の骨も徐々に元に戻ってきます。

かみ合わせの3次元的な位置関係を直すと、顔の骨だけでなく、頭蓋骨の変形まで治ってくることがほとんどです。それは、顎の位置関係が直ることで顎の後ろで頚椎を引っ張っている筋肉が弛緩し、頚椎の配列が整います。そして、頚椎の中の脊柱管の圧迫が取り除かれ脊髄液の流れがスムーズになって、浮腫んでいた脳が正常になるからだと私は考えています。

人間には誰しも、右か左かダメージを受けやすい弱い側があります。脳もその弱い側があります。

治療中によく頭を触りながらお話しながら、その人がどちらの脳を主に使っているタイプ(右脳(直感)型または左脳(理論)型)か考えながら、どちらの頭が浮腫んでいるか治療をし、その相関関係を実証しているところです。右脳型の人は右側頭部が浮腫みやすくは右に顎がズレやすく、左脳型の人は左側頭部が浮腫み左にズレる傾向がある様に感じます。ただし、頭部のむくみはさまざまな要因が絡んでいるので一概には言えません。

かみ合わせによる全身への影響は今後さらに無視できないものとなってくると思うのです。

2018年7月 3日

歯の治療は、虫歯の治療、根管治療、入れ歯の治療、歯周病、抜歯術、矯正治療など、さまざまなジャンルがあります。

その中で最も難しいと私が個人的に感じるのは根管治療と矯正治療です。

この二つは習得するのに最も苦労しましたし、今でも悩むことがあります。

根管治療は特にミクロの治療になるので技術的に習得が難しく、治療時間が長くかかるため、体力的にもとても消耗します。根管治療をまじめにする先生はとても良心的な先生といえると思います。

一方で矯正治療は、全身と大きく絡んでくるため歯だけではない非常にマクロな視点で治療を行う必要があります。
残念ながら、多くの矯正治療が審美目的で行われているため、身体に対するマクロの影響を考慮した治療がほとんど行われていないのが現状です。

矯正治療による噛み合わせの変化は、体全体に大きな影響を及ぼすため、歯科医にとって最後のフロンティアだと私は考えます。

矯正治療には未だ確固たる理論が出来上がっていない正しい顎の位置を採得する技術、支点のない歯同士をコントロールしながら移動させるための複雑な支点、力点、作用点の関係を理解しながらワイヤーの曲げを利用した治療技術、そして歯がしっかりとかみ合うためにどの位置にブラケットを装着するのかという技術、3つの要素がいずれもかなり高い精度で要求されるため、非常に難解な数式を解いてゆくような治療技術だからです。

私が矯正治療を始めてから18年以上になりますが、ほとんどの時間は、顎の3次元的な位置をどこへ移動させれば身体のバランスがもっともよくとれるのか、ブラケットをどれだけ正確に位置につけることができるのか、そして引っ張れば必ずお互いに移動してしまう歯同士をどうやって自分の動かした方向へ移動させるのか、の3点の究明に費やされました。

ブラケットの位置付けに関しては幸いにして、先人の白須賀先生が30年以上の研究の上、素晴らしい理論とそれを実現するための器具を作ってくれていました。また、歯をコントロール方法に関しては、マリガンという先生が、ワイヤーの曲げ方とゴムのかけ方で歯がどのように移動するかの理論を作り上げていました。

そして、最後の正しい顎の3次元的位置は、何を調べても納得できる捕らえ方がどうしても見つからず、結果的には私自身が受けた整体やオステオパシーなどの代替医療の経験から究明することになりました。筋肉が緩むと顎はどこに行くのかという考えから生まれたもので、自分の顎をそこに移動させることで体調が格段に向上したのです。この3次元的な位置を理解できたことで、矯正治療は今までにないほどの確実に成果がでやすい治療(特に顎関節症を訴える患者さんには)になったと思います。

矯正治療で3次元的な顎の位置を決めることは、先に行き先を決めてから航海をはじめる(歯を並べる)ようなものなのです。これができるようになれば、矯正治療は今までの審美中心から、体全体のバランスを整える本当の意味での矯正治療へを大きく変貌するはずです。

2018年6月27日

歯科治療は、詰め物やかぶせ物、そして、矯正ではブラケットを装着するための装置や、診断用の模型マウント、リテーナーの製作、など、多種多様な技工操作が存在します。

そして、それを歯科医が自ら行うことで、自分の治療技術の験算になります。

私が、入れ歯やかぶせ物を正確に作成したつもりなのに、口の中で全くうまく適合しなかったり、噛みあわせが異常に狂っていたりする原因について理解できたのは、自ら技工操作をしたおかげです。

多くの歯科医は、自分が型取りをしたものが口の中にうまく入らないと、技工士さんのせいにします。私も実は絶対にエラーが起きないよう随分工夫して型を取ったり、かみ合わせの記録と正確に取ったりしていたので、よく技工士さんの技術を疑ったりしていましたが、実際はどんなに正確に型取りをして、噛みあわせを採得したとしても、口の中で合わないことがあります。このときはきっぱり諦めてすぐに再製作に移ります。

私は再治療や、型の取り直しをすることが効率を下げ、集中力を下げるのでとても嫌で、自分で技工操作をして治療が技工の作業工程における原因を探したり、型材やかみ合わせ材を十分に選定したりして絞り込んだりもしましたが、それでもエラーが起こることがるとわかったのです。どこに原因があるかは一度自分で検証しないとわかりません。ほとんどの人は十分な検証をすることなく、「あの辺りの作業がエラーの原因かもしれない」出終わってしまいます。でもそれでは人間の身体に一体何が起こっているかを知ることができません。

人間の身体や顎関節は非常に柔軟性があるため、たとえすべての操作が適切であって、材料も最高のものを用いられたとしても、個人個人の条件次第で、かみ合わせの位置が一晩で変わってしまうことも不思議なことではないと気がついたからです。つまり、技工や材料が原因で狂ってしまうわけではないと発見したわけです。

これは非常に重要な発見で、そこに行きつけないため、個々の患者さんの反応性や、それにあった治療法を工夫する先生が余りに少なすぎます。私がブリッジや入れ歯、そして矯正治療のかみ合わせに関して、患者さんの個々の挙動に対し動揺することなく自信をもって治療に当たれる理由は、自分で技工操作を行ってきた経験から人間の身体の柔軟性と、反応性を十分に熟知しているからといって他なりません。

顎周りのみならず、体全体のバランスが狂えば、かみ合わせに影響が出ることは実は結構起こっていることです。そして治療技術が高ければ高いほど、患者さんが治るときに身体の反応が起こり、顎周りや身体のバランスが良い方向に変化し、その変化に対応した治療が必要なのです。つまり、矯正治療などでは、昨日まで正しかったかみ合わせの位置が今日には変わってきて、1週間では耐えられないほどの狂いになってしまうこともあるのです。

本当に良くなる歯科治療は、このようなバランスを悪い状態から良い状態へと導くことができなければならないし、一体何が起こったかを理解できずに動揺しているようでは治療にならないのです。

2018年6月12日

私が矯正治療を勉強し、はじめて実際の治療に取り掛かったときは、治療の経過を見て、時に冷や汗が出るほど焦ったことは決して珍しいことではありませんでした。それほど矯正治療は難しく、そしておくが深い治療なのです。

こんなことは私だけかと思っていたら、実はほとんどの矯正歯科医師が、「どうやっても治せない症例に頭を抱えたことがあるという経験をいくつもお持ちだろう」、とある矯正の先生から伺って、「なるほどな!自分だけじゃなかったのか?」と思いました。実際は矯正専門医ですらお手上げになるケースもあるのです。

歯の矯正では、歯の位置をいくらでも移動させることができ、かみ合わせは大幅に変化します。自分が予想もしなかった場所に顎が移動してしまうことは実はそう珍しいことではありません。結局はさまざまな変化が重なって何とかなることも多いのですが、顎に一体何が起こっているのかとてもわかりにくいのが矯正治療でもあるのです。

顎関節と顎の動きの仕組みを熟知していれば恐れることはないのですが、仕組みがわかっていないと、オープンバイト(前歯が完全に開いてしまう嚙み合わせのこと)や受け口がひどくなってしまうと、たいていの矯正歯科医は焦ります。実際に最終的にうまくいかず私の医院に来院される患者さんもいらっしゃいます。

なぜこんななことが起こるかといえば、矯正の大学の講座では顎関節や顎の動きについて十分に教育がなされていないからだといえます。

顎の3次元的な挙動は、上下的な奥歯の高さの変化によっておきていることを理解していれば、そう難しく悩むことでありません。しかし、大学の矯正の講座でそれを教えてくれるところは非常に少ないと思います。私が顎の挙動と歯の位置との関係を完全に理解するまでには、たくさんの矯正治療やかみ合わせに関する講習会に参加し、その中から解決に使えそうな考え方を組み合わせ、自分でも理論を構築し、実際に臨床で自分の理論を当てはめてみて、やっと理解できたわけです。しかし、大学ではそのような理論は教育されていないので、その教育を受けていない先生にとっては本当に冷や汗をかいてしまうほどの問題であるに違いありません。

多くの場合、これは難しいとわかると、多くの矯正の先生は手をつけません。矯正医に相談して、治療はできませんといわれ、当医院を訪ねていらっしゃる患者さんも結構いらっしゃいます。

たとえば、噛みあわせがオープンバイトになってしまうほとんどすべての原因は、奥歯が低すぎることですが、大部分の歯科医は、奥歯を低くしてあげないと前歯が噛みあってこないと思い、奥歯を低くするために噛み合わせを削ったり、奥歯を沈めたりして調整しますが、それがますます泥沼にはまってしまう原因でもあります(この場合オープンバイトは治らないだけでなく、体調がどんどん悪くなってゆく)。

ただ、単純に奥歯を高くしてしまうと、前歯の開きが今までよりさらにひどくなるので、矯正を行う先生はそれが治るという保証もないし、そこまでの治療をする勇気もありません。
私の場合、オープンバイトの場合でも思い切って6ミリ近く奥歯を高くして前歯では1.5センチ以上開いてしまうほど、あえてオープンバイトを大きくさせます。しかし、この作用によって顎周りの筋肉が弛緩しはじめ、不思議なことに開いていた前歯がどんどん閉じてきます。

矯正治療で前歯が以前より開いてしまうことに、患者さんは一瞬唖然としますが、早い場合は1ヶ月もしないうちに前歯が完全に閉じてきて、驚かれることもしばしばです。

噛みあわせが狂った理由を考えてそれを正すように治療をすれば自然に正しいか見合わせになるのでが、単にスペースがないから抜歯し、オープンバイトになっているから奥を低くしてそれを治すいった単純な方法論だけで治療をしてしまうと、なぜ歯が並ばなかったかという原因が解決されないので、矯正治療という航海が難破してしまうわけです。

2018年6月 7日

最近では、学校の歯科検診でも噛みあわせを必ずチェックすることが行われているため、矯正治療をお考えになる方も多いと思います。

しかし、矯正治療はその開始の時期はとても重要です。

ブラケットを使う比較的強い力を個々の歯にかける矯正治療は、小学校の低学年から始めるべきではありません。

時々、前歯の隙間を埋めるために上の前歯だけブラケットを装着しているお子さんを見かけますが、レントゲンで観察すると小学校低学年では、前歯の根は実はまだ完成していません。

根が完成していない時期に比較的強い力をかけてしまうと、根は十分な完成をしないまま途中で成長をやめてしまい、不完全な短い根になってしまうことがあります。
小学校の低学年の時期の歯並びは(醜いアヒルの子)の時期でもあるので、状況によっては様子を見たほうがよい場合も多くあります。

もちろん、どう考えても歯並びと噛みあわせが悪くなることがわかる場合がありますが、その場合は、トレーナーなど装置を使うべきで、ブラケット矯正は根の完成まで待つべきです。

早く治療をしたい気持ちがあるのはわかりますが、それが却ってお子様に重篤な根の問題を引き起こすこともあります。

実際無理な矯正治療をした後遺症が何年も経ってから現れて神経を取らなければならない事態になった患者さんもいらっしゃるのです。

2018年6月 2日

矯正の治療中であるにもかかわらず、どうも「自分の矯正治療がうまくいっていないので見てほしい」といって相談される方が時々いらっしゃいます。

そして、ブラケットの位置を見てびっくり仰天することがしばしばあります。異常に歯の先端よりに装着されていることがあるからです。

現代の矯正用のブラケットはストレートワイヤー法といって非常に緻密に計算されています。
それは個々の歯(前歯から奥歯まで)についたブラケットに理想的なアーチの形状をした真っ直ぐなワイヤーを入れるだけで、歯列が理想的に並ぶように非常に緻密に作られています。

歯の傾きや歯面からの出具合、アンギュレーションといって正面から見た傾き具合も一部共通のものもありますが、歯の部位によって、すべて角度を変えて作られているのです。

この角度は歯科医の好みによってある程度選べるようになっていますが、先生自身の経験でもっとも使いやすい角度のものを組み合わせて使っているのです。
私の場合は奥歯に関してはアジア人向けに考えられたオーソスというものを臼歯では使っており、前歯から小臼歯まではデーモンブラケットの標準の角度のものを使っています。

そして、その角度は、ブラケットを見えている歯の高さの半分あたりにつけることで計算された歯並びになるよう設計されています。

ですから、ブラケットの高さを極端に高い位置や低い位置につけてしまうと、計算されて作られた意味がほとんどなくなります。一見何の相関関係も無いように思われるでしょうが、実際はすべての調和の元にブラケットの角度が決まっているため、一本のブラケットがわずか400ミクロン高さが狂うだけで歯列の調和がまったく取れなくなってしまいます。

それほどブラケットの位置づけは大切なものなのです。

以前講習会で見せていただいた症例では、すべてのブラケットを上下逆さまにつけてしまい、何年経っても歯が噛んでこないという間違いを犯していた歯科医もいたようです。

ブラケットは上と下とでは与えられる角度がまったく違うので、間違って装着されると噛まなくなるのは当たり前のことでしょう。そんなミスもありますから、ブラケットの管理はきちんと行われていなければなりません。ブラケットを見ただけではどれが上でどれが下かはまったく見分けがつきませんが、与えられている角度が違うので歯の並びがまったく変わってしまうのです。

矯正治療はそれほど緻密な治療なのです。それゆえ多くの矯正専門でない先生が矯正治療を始めようとするのを躊躇し、テクニックの比較的容易なマウスピース矯正などに手を出すのだと思います。
しかし、マウスピース矯正だけではどうしても治療が完成しない場合があるので、それをフォローするためにブラケットが扱えないと非常に困った事態が起こります。

一体最後にブラケットで仕上げるなければならないリスクのあるマウスピース矯正を行う必要があるでしょうか?それが私の考えです。

2018年4月12日

実は矯正治療には長い歴史があり、その歴史の中で、どうやって効率的に矯正治療を行うか?そして、できるだけ正確な結果が得られるようにと、さまざまな工夫がなされてきました。

矯正治療のもっとも革新的な変化は「ストレートワイヤーテクニック」です。それまで、先生がひとりひとりの患者さんの歯列にあわせてワイヤーを歯ごとに曲げていた非常にテクニックの難しかった矯正治療をとてもやりやすくしたのです。

その方法ですが、簡単に言えば、理想的な歯の位置関係を徹底的に研究し、曲げない理想的なアーチの形状をしたワイヤーをブラケットに入れさえすれば歯列が理想的に並ぶ様にのブラケットの形状を規格化したのです。

これは非常に画期的な方法でしたが、実際にやってみると、今までとは比べ物にならないくらい、治療の精度が上がり、先生による治療の差が非常に少なくなりました。

しかし、実際には患者さんの歯の長さや、形状が画一的ではないことがありますし、何よりも正確な位置にブラケットを装着しなければ、歯が正確に並ばないという欠点もありました。したがって、ブラケットの規格としてはすばらしくても、それを使いこなすことが難しいという欠点がありました。

つまり、精度が格段に良くなっても、さらに改良の余地があったわけです。

矯正専門の大学院を卒業していないので、私の場合ブラケットを目分量で正確に着ける位置づけの訓練を受けていませんでした。ですから、白須賀法インダイレクトテクニックを習得するまではブラケット装着は大変苦労しました。
自分なりに当時の規格ややり方でインダイレクトテクニックを勉強はしてはいましたが、白須賀法のような正確なブラケット装着法が確立していませんでので、実際に歯を並べて咬ませてみて、咬まないとき、はじめて位置づけが悪いと気がつき、ブラケットを着け直していたので、治療期間も長引き、患者さんにもずいぶん迷惑をかけてしまうことになっていました。

実は今でも、ほとんどの矯正治療のブラケット装着はダイレクト法(ブラケットを目分量で直接歯に接着する方法)で行われています。しかし、ダイレクト法を実際にやってみるとわかりますが、狭い口に中で、ブラケットを正確に位置づけすることは非常に難しく、多くの矯正専門医はこの技術と、ワイヤーを曲げて調整するテクニックを何年もかかって習得しているともいえるのかも知れません。しかも、矯正専門医といえどもブラケットの着け直しを行うことが必要でした。

インダイレクト法がこれほど優れているのに、実際に行われているケースがそれほど多くない理由は、「自分でインダイレクト法を習得することが非常に時間がかかる」こと、そして、「忙しい診療の合間を縫って技工操作をしなければならない」こと、自分で技工を行わない場合インダイレクト法を技工操作をしてくれる技工所さんに頼むわけですが、「インダイレクト法の技工物を製作する作業に手間がかかりすぎて技工所も赤字覚悟の作業になってしまう」ため、普及しにくい状況となっているようです。

また、技工所に頼むと製作に5週間程度かかってしまうので、患者さんを待たせてしまったり、その間に歯が動いてしまうかもしれないという問題もあります。正確にしかも結果の良い治療をできるだけ短い期間で行えるインダイレクト法ですが、実際は普及率が高くないのもうなずける気がします。

私の場合、すべて自分で製作するので、早ければ3日ぐらいでも製作できますが、患者さんが毎日一日中詰まっているととても技工操作をする時間が取れませんし、無理をすれば自分の体調を壊しかねません。実はインダイレクト法の技工操作は非常に緻密でストレスのかかる作業なのです。ですから、診療時間の合間が十分にないと、自分で製作したインダイレクト法による正確な矯正治療を行うことができないのです。

そう考えると、顎関節症の患者さんのような、矯正治療の高い精度を要求される診療をきちんと行うためるには、テクニックだけでなく、診療所のさまざまな条件が整わなければ難しいのだとおもいます。

2017年12月 2日

近年、敏感なお子様が増え、矯正治療も難易度を参りました。

特に当医院に御来院されるお子様の場合、他院で矯正が上手くいかなかったり、手術や抜歯する方法しかないと断られたりされた方がほとんどです。

お子様の場合は、歯の位置や高さが完全に完成していないので、矯正治療を行うと格段に体調まで変化してくることがわかっています。ですから子供のうちから見た目ではなく、正しい噛み合せにする矯正治療が絶対に必要です。

残念ながら、今の歯科大学での歯科矯正の教育では、顎の位置や、歯の高さを正しくするという本来の意味での噛み合わせを考えた矯正治療が十分に教育されているとはいえません。

歯科矯正治療は噛み合わせと大きく関っていて、噛み合わせの変化によって呼吸器系や、脳神経系に非常に大きな影響を持つ治療ですので、このことが大学で十分教育されていないことは非常に残念でなりません。

また敏感なお子様の場合(人混みが苦手だったり、お腹がすぐに痛くなってしまったり、疲れやすかったり、アレルギー体質であったり)噛み合わせが悪いことによる影響が強く出る傾向がありますし、噛み合わせも悪くなりやすいです。敏感であればあるほど周りの環境に影響され、顎を緊張して噛み合せが変化してしまう傾向があるからです。

ちなみに、矯正治療に用いられる装置は多種多様のものがありますが、敏感な患者さんを多く治療してきた私の経験では、ブラケットやワイヤー、その他装置によって歯にかかる力が弱ければ弱いほど、敏感なお子様の治療は上手くいきます。

当医院でデーモンブラケットを使っているのも、今販売されているブラケットの中で、かかる力が弱く、しかも構造がしっかりしているからです。

難点としては、痛くないので、何でも食べることができてしまい、ブラケットを外していらっしゃる患者さんが少なくないといったことでしょうか。

歯がかめないほど痛いというのは、骨のリモデリング(改造)がおきているか、それとも骨などの組織が壊されそうになっているかをはかる目安でもあります。噛めないほど痛い場合は、組織が壊されそうなほど力がかかっているかもしれません。これらの矯正装置によってかかる力の差による痛みの反応は個人差がありますが、たとえ痛みを感じにくい人でも、より弱い力で歯が動かすことが良いことであることは間違いありません。。

歯にかかる力は実際はとても弱くても骨のリモデリングは起こることが骨の研究でもわかっていますので、できるだけ弱い力で矯正治療を行うことは、骨にとっても歯にとっても最良の方法であるというのが今の矯正治療の考え方なのです。

2017年11月24日

歯の治療を行ううえで、噛みあわせを変化させないことは非常に大切なことです。
なぜなら、虫歯で少しでも歯が欠損したり、歯が割れたり磨り減ったり、あるいは適切でない虫歯の治療を行ったりするだけで、顎が移動したり、歯が移動したりして、かみ合わせは変化してしまうものだからです。

一度歯を削って変化してしまったかみ合わせは、その歯を後で元の高さに戻したとしても、もうに二度と削る前の状態に戻ることはありません。なぜなら顎は非常に柔軟な組織で、低くなった噛み合わせやズレに対して瞬時に適応して筋肉の長さや、顎の位置を変えてしまうからです。噛み合わせを調整する場合は咬合理論をよく理解してから行う必要がありますし、たとえ理解していたとしても今の噛み合わせを変化させることは、よほど悪くなってしまった人の最終手段と考える必要があります。

そういった意味で、歯の治療をするということは非常に注意が必要です。

私が虫歯の治療をする際に強く教えられたことは、虫歯の治療の際でも、噛み合せに関係する歯の部分をできるだけ削らないこと、虫歯が修復物の下にできて深くて悪くなっている状態でも、できるだけ直接修復材料(アマルガムなど)を用いて、当日中に元の高さに戻すということです。これは実は虫歯の治療で噛み合わせを変化させないために非常に重要なことです。

そして削って虫歯を取り除き、元の高さに当日中に戻すという直接修復材料を用いた治療を行っていれば、噛み合わせをが変化させることなく治療を進めることが出来ます。

最近は噛み合わせの面に樹脂を使う先生も多いようですが、白くて磨り減ったかどうかもよく分かりませんが樹脂は知らない間にどんどん磨り減っており、定期健診でも噛み合せが変化していることに気がつきにくい材料です。アマルガムやゴールドなどの金属材料は、高さの変化やストレスのかかり具合によって表面の磨り減り具合(光って見える)が変わってきますので、実は異変に気がつきやすい材料といえます。そういう理由で100年以上も昔から使われてきた材料です。

一部セラミック材料も材質的に良い材質が出てきましたが、こちらも金属のような磨り減りを見分けることが困難で、噛み合わせに関係する場所に使用する材料としては、チェックが難しくあまり適していない材料といえるのです。

このようにもともと噛み合わせの狂いが少ない患者さんの場合、噛み合わせを変えないことが非常に大切ですが、治療や、様々な理由で噛み合せが変化してしまった場合はどう考えればよいでしょうか?
それについてはまた後日書いてゆこうと思います。

2017年11月16日

EBM(evidence-based-madicine)は近年盛んに医療業界でも歯科業界でも盛んに言われています。

たしかに、全く根拠のない治療をすべきではありません。しかし、実際に臨床で治療をしていると、根拠に基づいた治療(EBM)だけで患者さんが治るかといえば、それは非常に難しいといえます。

私も研究者として4年以上大学で動物実験をしたり、細胞培養をしてきた経験で考えますと、科学(science)とはあくまでもある程度予測を立て、それに対して証明する手順であり、現在の科学技術で証明できるものに限られます。

昔は機器や機械の精度から証明が難しかった治療手法や薬剤の作用起序なども技術革新とともにだんだん証明が進み、それをEBMと呼んでいるわけです。そう考えるとEBMとはある程度結果がわかっているものに関して証明してゆくものと考えられます。つまり治療におけるEBMとはすでに、ある程度手法の効果が認められていたことを証明しているにすぎません。

ということは、はじめに治療技術があり、それが証明された後にEBMとして一般的に使われる様になるということです。
実際には治療効果がありながら、現在の科学技術的に証明できない技術はたくさんあります。

特に東洋医学的な経絡の概念、そして人同士の影響や正気や邪気の概念、生命エネルギーの概念などは、科学的に証明を行なうことができるようになるのは相当未来のことになると考えられます。
私も顎関節症の治療は研究し始めた頃は、何故これで治るのかは分からないが、治す方法をがたくさん見つけました。そして年を重ねるごとに治るメカニズムがわかってきたので、その都度本ホームページで公開しています。しかし、特に東洋医学的な感覚は証明が難しいです。

治療技術は必ずしも全て証明できるものばかりではないです。それらに関してはあくまでも確実に結果のでる手順に従って行なうことで望む結果を出せると理解しています。携帯電話の構造や仕組み、何故離れたところとやり取りできるのかを知らなくても電話をかけたりメールを送ったりすることができるのと同じ考えです。そこには間違いを犯さないためのルールを持つ必要があり、そのルールを守っている限りよい結果を生み出すことが可能なのです。

つまりEBMがない治療が絶対にだめというわけではないということです。全く適当な勘で行われた治療は困りますが、使いこなされた経験や技術を用いた治療は、たとえ今の科学でEBMがあると証明できなくても効果が出せれば、活用すべきですし、そこに医療人としての裁量権というものがあると理解しているのです。そういった意味でEBMに強い西洋医学も、逆にEBMに弱い傾向にある東洋医学もいずれの良い点を使いこなして治療を行うことがよりよい結果を出すためには必要だと考えるのです。

しかし実際には東洋医学の本当の技術が伝わりにくく、漢方薬の診断や、気功技術なども、本当の技術を持っている人が実際には少なく、間違った方法で行なわれていることがほとんどで、本物を探すのは非常に難しいといえます。

歯科治療に関しても、本当の技術をもっている人は非常に少なく、虫歯の治療手順すらきちん理解して正しく行なえる人は相当少ないと考えられます。


2017年7月12日

当医院では、アマルガムを用いた歯科治療を行っております。
時々、その材料は古いし、害があるのではないかと聞かれることもあります。

私自身も大学で実習をしたのは一回だけで、アマルガムを歯科医としてここまで充填することになるとは思いもしませんでした。

しかし、アメリカの大学を卒業した先生にアマルガム充填の治療法を勉強させていただいたとき、正直「こんなに素晴らしい材料があったのか?」と思いました。使わせて頂いたのはKerr社のアマルガムで日本にはほとんど入ってきていませんが、非常に素晴らしい材料で、私も兄の歯も治療から20年以上経っても2次カリエスにもならず全く問題なく機能しています。

結論から言えば、臼歯を問わずこれほど安定した材料はないということです。
歯の治療は、物を噛めることと、虫歯を再発させないことが欠かせない必要最低条件です。そして口腔内でできうる限り長持ちすることも重要な条件です。

20年以上も昔に充填したアマルガムが、外してみたがなんともなっていなかったということは実際には多くあることです。そして歯医者さんの間でもこのように書かれており、アマルガムを積極的に外そうと宣伝している先生はむしろ経営のためではないのかと疑ってしまいます。

よくアマルガムを詰めた人の半数以上がアトピー性皮膚炎や精神障害、不定愁訴の原因となっているとアマルガムの害を主張する人がいらっしゃいますが、中には本当に金属アレルギーの人もいるかもしれませんが、これらの疾患は様々なことが原因とでなっていますし、このことを主張する先生が納得のできるような説明がなされていないので、にわかには信じがたいです。

私自身もアマルガムを10本以上詰められています。歯科医になってから背中のアトピーに悩まされ、アマルガムが原因かもしれないと思ったときもありましたが、矯正治療で噛み合わせを治したり、整体に通うなどでいつの間にかなくなってしまっていました。人によって必ずしも同じではないと思いますが、不定愁訴の原因をアマルガムのせいにするのは少し論理が飛躍している気がします。アマルガムを強度の低い材料に交換するリスクを取ってまで治療を受ける必要性があるか非常に疑問です。

一部の金属アレルギーのある方への充填は不適当だと思いますが、それ以外の患者さんで充填した限りではいずれも非常に良好な口腔状態を維持することに成功しています。その理由として
1、金属なので耐久性が高い。
2、金属なので研磨するとプラークなどがつきにくくなる。
3、小さい虫歯から強度の補強が必要な歯まで様々なケースに使用できる。
4、即日に充填が終了するので、感染のリスクが低い。
5、充填後に膨張し、なおかつ直接充填なので適合が良い
といった利点があります。

そんな理由から今でもアメリカでアマルガムが良く使われているのだと思います。むしろ審美的な患者さんの要求がコンポジットレジン充填を行う歯科医を増やしていると思います。
FDAの見解はこちらです。

当医院に御来院される患者さんの多くが、歯がすぐに虫歯になってしまったり、具合が悪くなる人が多いので、そのような患者さんにアマルガム充填をおこなうと、「噛める感覚をとりもどせるのと、自分の歯にぴったりフィットしている感覚があって本当に具合が良い」といわれます。
ただでさえ歯がダメージを受けやすい患者さんですので、耐久性の高い材料が治療に必要になるからです。

そのような臨床の成績から、私どもは、あえてコンポジットレジンを使用しないでアマルガムを使用しています。

また、アマルガムは確実に充填することが非常に難しい材料です。そのため十分トレーニングされた先生でなければ詰めることができません。現在日本の歯科医師でアマルガム充填を正確に行えるドクターは非常に少なくなっているのが現状です。


2017年6月 3日

矯正治療でダイナミックな歯の移動をしていると、顔の骨格や頭蓋骨、そして下顎の骨が実は非常に簡単に動くことに気がつきます。

矯正治療で顔つきが良くなったり変になったりするのは、筋肉の緊張のバランスが変わってしまうことが最も大きな原因と考えられます。

頭蓋骨や顎の骨はたくさんの筋肉がついているため、それらの筋肉に緊張が起こると引っ張られて歪んできます。

特に敏感な人は、ちょっとしたことでも筋肉が緊張し、骨だけでなく、全身のゆがみまで出てしまいます。

このような敏感な人の場合、そのようなゆがみが蓄積している上、その歪みに合わせたかみ合わせができてしまうのです。

かみ合わせは実は一度決まってしまうと自分で動かすことはなかなかできません。
そしてその歪んだ位置の噛み合わせで噛んでいるうちに、体のひずみはますますひどくなってゆくのです。

逆に、顎の位置をバランスのとりやすい位置に移動させると、びっくりするほどの変化が起こります。
体のバランスは整い始め、脳や、体中に血液が回る様になります。すると、電池を入れ替え、油をさしてオーバーホールした機械の様に急激な体の変化が起こります。

今までの体が短に循環とバランスが悪かっただけであったことに気がつくのです。

私もそうだったのですが、私を含めと私の医院に通院される患者さんの多くが、「自分は虚弱体質だから仕方がない」とか、「いつもすぐ疲れてしまう」といったからだの不調に悩まされていたのが、治療によって本当の自分を見つけ出すことなります。

そのとき初めて歯の大切さ、噛み合わせの大切さをまさに噛み締めるわけです。

2017年5月20日

矯正治療で最も難しいといわれる症例は「受け口(骨格的)」といったものや「開口(前歯が閉じない)」といったものが挙げられると思います。

私が顎関節症や噛み合わせの治療をしていて感じるのは、顎の筋肉や、顎の運動そして顎の3次元的変化を考慮すれば、実はこれらの問題はそれほど難しいものではありません。

当医院には、「他の歯科医院で外科以外の矯正治療は基本的に無理」といわれたり、「顎のゆがみは治らない」といわれたり、「矯正治療が難しい」といわれた人が多くいらっしゃいますが、基本的にはほとんどの場合、治すことが可能です。

多くの場合は「左右的なずれが激しい」とか「受け口がひどい」、とか「前歯が完全に開口している」といったものです。

このような症例がどうして治療可能になるかといえば、歯を移動させるときに奥歯の噛み合わせの高さに対して引き算だけでなく、特殊な方法を用いて足し算もするからです。

噛み合わせの高さの引き算では、歯を抜いたり、奥歯を圧下(沈めること)によって奥歯の高さが沈み、咬合高径(奥歯がかみ合っている高さ)は低くなってゆきます。

逆に足し算とは奥歯を今よりも高くすることですが、通常矯正中、奥歯は噛んでいますから、こんなことは不可能です。しかしこれをしなければ本当の意味で矯正治療が上手くいかないので、特殊な方法で歯を引き出してゆきます。

よく考えてみると、奥歯(咬合高径)が低くなるということは、喉の奥が狭くなることと同じです。また低くなったことによって、顎の筋肉が緊張しやすくなり、顎が後ろに下がる傾向が強まり、前後的にも垂直的にも、喉の奥側は狭くなってしまうのです。

このように引き算だけの矯正治療を行うと、睡眠時無呼吸の原因となる舌根沈下などの症状が出始め、いびきがうるさくなるといった呼吸器系のトラブルがおこりやすくなるのです。

矯正治療で不調になる人がいるの理由のひとつがここにあるのです。そういった意味で矯正治療は噛み合わせを上げるテクニックなしではリスクが伴うといえます。

しかし、普通は自分の奥歯は低くなったとしても、それに気がつく人は少ないのです。それは、筋肉が収縮して奥歯が噛むように顎が移動してゆくからです。ですから通常は体調不良が歯の矯正のせいだとかわかる人は少ないのです。

奥歯が低くなるということは、下顎の角度がきつくなってしまうので、下の前歯が前に傾斜したように見えます。これで下の歯のほうが上の歯より前にでてきたり、顎の角度が急すぎれば前歯が完全に開いてしまう人もいると思います。

下の顎が出ているように見えるのが、「受け口」で開いてしまった患者さんが実は「開口」という症状として噛み合わせの問題が起こり、これらの症状は引き算の治療だけでは治せません。

つまり生まれつき奥歯が低く顎の角度が回転してしまった人が矯正が難しいといわれているだけで、奥歯を引き出す方法さえ分かれば治療は可能なのです。

当医院では1.5センチ以上隙間のあった「開口」でも足し算を併用することで治す事ができるわけです。

矯正治療は難しい診療です、とらわれたやり方では治療は上手くいかないのです。

2016年7月15日

歯の治療はほとんどが外科処置です。しかも相当細かい手先の動きが必要とされるので、医科の内科や整形外科などの治療とは全く違います。とにかくセンスと日々の鍛錬が重要になる医科でいう外科と同じ診療科であることは確かです。

そして技術も個人個人で歴然とした違いがあります。

また必ずいえることは、「治せる医師しか治すことができない!」ということです。どんなにホームページにうまい言葉が書かれていても、患者さんがある程度納得のいく結果を出せる技術を提供できる先生はそう多くはありません。

歯の治療は実は非常に奥が深く、きちんとした結果を出すためにはさまざまな要素を適切に処置しておかなければならず、かなり緻密な計画を、治療の実践が必要なので、めったに偶然治るといった事象は起こりません。またその治療を計画するためには、それなりのコストがかかります。

ですから、もし治療にかかれるだけのお金があれば、治せる先生に最後はかかることしかなくなります。

お金が無ければ、金額が安くて治せそうな先生を探すでしょう。しかし、金額とは正直なもので理由なく高額であるわけではなく、それなりに手間や高価な材料を用いることで治りが良くなるわけです。

運がよければ、安価な治療でも治ることもありますが、むしろそれは偶然の産物とぐらいに思っておいたほうが無難ですから、かなりのリスクがあると考えられます。

難しい治療になればなるほど、治療をする側にも精度と手間が要求されますから、当然値段も高くなってしまうわけで、闇雲に適当に値段が決められているわけではないのです。

ですから、技術そのものを持った先生を探し出し、多少の出費は健康への投資と考えて覚悟しておくことが歯科治療を受ける上では必要ではないかと思います。

2016年4月 6日

人間は欲望の生き物です。

歯がなくなると、入れ歯は厭でインプラントを打ちたい、歯が虫歯だと見えるのはいやだから白い歯にして欲しい、目立たない矯正治療や、見栄えだけ治したい。といったニーズは消えません。

子供の虫歯が激減して来ている今、歯医者さんも患者さんのニーズにこたえ顧客を獲得することは仕方が無い論理かもしれません。

しかし、私が20年以上も昔にアメリカの治療技術を教えてくれた先生は当時、「インプラントも、審美歯科治療も、歯科治療の本質とは異なるものである」といっていました。「特にインプラントは基本的に身体を不可逆的に傷つける治療であり、入れ歯やブリッジといった選択肢を押しのけてまで行うべき治療とは到底考えられない」とも言っていました。

私も賛成意見です。もちろん審美が回復して自信を取り戻す人もいるでしょうし、インプラントで噛める喜びを噛み締める人もいるかもしれませんが、基本的に第一選択の治療ではないといえるのではないでしょうか?

つまり「治療」することを第一選択とし、それをある程度満たした上でこのような治療があり、行われるべきであった、今のようなそれが積極的に薦められるべき治療のような風潮があるのは正直残念といわざるをえません。

私も20年以上「疾患を治すための歯科治療」が出来る歯科医を目指してきました。

本質とは違う歯科医療をされて「本当にひどい目に」あった患者さんもいれば、治療で起きている「本当にひどい目」に全く気がつかないで、自分の欲望のままに治療を受け続ける方もいらっしゃいます。

ただ、歯科医の良心として欲望のままに治療を受けようとする患者さんにはこう言うようにしています。「その先生があなたの歯の20年先を見越して治療しているのか良く考えて治療を受けてください」

インプラントを打つ先生は、患者さんの終末期にインプラントがどうなるかなど考えていません。
もし考えていたら、もう少しトラブルが避けられるような治療法を選ぶでしょう。

見栄えだけ治す先生が、患者さんが将来噛み合わせのトラブルで悩むかもしれないなど考えていません。

噛みあわせとは実は難しくて奥が深いと知っていれば、そのような安易な治療はしないからです。

自分の良くない欲望は結果的に、それに合った先生を選ばせ、結果的に自分に悪い結果が戻ってくるのです。

2016年4月 1日

当医院にいらっしゃる患者さんで、肩凝りや、首のこりに悩まされている方は沢山いらっしゃいます。

当医院ではもちろん肩凝りや首のコリを噛み合わせ治療や歯の治療によって治すことができるのですが、単に噛みあわせの治療だけで治るわけではありません。虫歯の治療、生活習慣に関する気づきと改善等も治療の上では大きなウェートを占めています。

肩凝りを認識し、噛み合せに関して考える方の場合、傾向として非常に敏感で神経質な方が多く、そのような方の場合、虫歯の治療で用いられた材料でさえ、首こりや肩凝りなどの原因となってしまうようなかたなのです。

つまり、肩凝りや首こりが噛みあわせの治療だけで治るわけでなく、総合的な歯の治療技術と、患者さんの受けているストレスや生活環境などを理解していないと良好に解決できるわけではないのです。そしてそのストレスの原因を理解し、それによって引き起こされている筋肉の緊張を少しずつ取り除いていかねばならないのです。

もちろんかみ合わせの狂いは大幅な全身のバランスを狂わすもっとも大きな原因の一つであるので、かみ合わせを適切化して治療をすることによって全身のさまざまな症状が改善すること間違いありません。しかし、それだけでは十分とは言えないのです。

私の場合、自分の歯の治療をしてもらいながら、整体院などの通っているうちに、身体をほぐしてもらうとかみ合わせが変わってしまうことに気がつき、かみ合わせの位置は簡単に変化してしまうのだな?とびっくりしたものです。

ですから、私の場合は患者さんの肩から上辺りの全ての筋肉を触診し、身体がどのようにゆがみ、そしてそれが顎の位置とどう関係しているかを調べてからかみ合わせを調べるようにしているのです。

かみ合わせの治療では、身体が歪んでいますから、一発で正しい噛み合せの位置を決めてしまうような治療は非常に危険なのです。

2016年3月 7日

かみ合わせは重要であることは、このブログを読んでいらっしゃる方はご存じだと思います。

実はかみ合わせの取り方は100年以上も悩みに悩んで、数多くの歯科医師たちが挑戦を重ねても結局どうやって正しいかみ合わせを取ってよいのかをわからなかったのです。

私の場合、10年以上体の調整を整体師や、オステオパシーの先生などのやってもらううちにわかってきたため、自分の患者さんに試行錯誤の上で治療に生かして来たら、やっとのことでおおむねの方法を掴むことができるようになりました。

そもそも私自身が顎関節症で、自分の歯を矯正治療をしたとき、自分のかみ合わせが自分が思っていたよりはるかに狂っていたこと、そして、奥歯が極端に低かったことなどに気が付きました。

そして、1回目の矯正治療が終わったとき、奥歯で物を噛むと、とても力強く噛めた経験から、ひょっとするとほとんどの日本人は奥歯が低くなっているのではないかと考えるようになりました。

そして、今ほとんどの矯正治療をする際は奥歯を高くする治療を行い、ほとんどの患者さんで体調改善が認められるようになりました。

かみ合わせの位置を単純に上顎に対する下顎の位置を動かして取ればよいとほとんどの歯科医師が考えていましたが、実際は違っていました。

また頸椎や頭蓋骨がゆがんでいることがあるので、初めから正しいかみ合わせの位置など実際は採得することは不可能ということも理解したのでした。

2016年2月12日

矯正治療は、長年私が治療に携わってきてこれほど難しく奥が深い治療はあるのかと思うほどの治療です。

もちろん咬み合わせなどを考慮した歯の治療も非常に難解で奥の深い治療です。

そもそも顎関節は非常に特殊な構造で、腕の関節のように決まった軸で動く構造になっていません。

比較的左右にも、前後にも、そして上下にも自由に動くゆとりがあるのです。そのため、たとえ歯の治療で低いかぶせ物をされても、ある程度顎の関節自体は適応することが出来ます。

しかしながら、位置的に適応できたとしても、その周りを取り巻く筋肉はそれに適応し切れません。
やがて不適切な緊張が生まれ、それが首の筋肉や頭骸骨に付着している筋肉を引っ張り始めます。

これによって頚椎の配列は乱れ始め、頭蓋骨の形は変形してきます。

多くの人はこのような変形や変位がある程度ある場合がほどんどです。しかし、その変形や変位に対しての反応は人によってまちまちです、すべての人が不快感を感じるわけではありませんが、不快感を感じる人にとってはこれほど苦しいものは無いため、人によっては咬み合わせの異常が原因の顎関節症による不定愁訴が起こるわけです。

これらの異常は現代の難解な病気とも関係していると考えられます。頭蓋骨の変形や頚椎の変位はホルモンバランスや場合によっては精神面の異常を引き起こします。そういった意味で矯正治療で歯の位置を変えることで、不適切な筋肉の緊張を取り除き、骨格の異常を取り除くことが出来るため一見関係ないように見えながら、このような疾患に対してもある程度有効な治療法といえます。

しかし、すべてのこのような症状が咬みあわせだけで取り除けるわけではないので注意が必要です。あくまでも咬み合わせの狂いなどで引き起こされた筋肉の緊張が原因となっているものだけです。

しかし、治療で言えば、咬み合わせの位置を変えることで筋肉の緊張は取り除かれ、それに伴って頭蓋骨の形状も治ってきて、徐々に変化してゆくため、それに合わせた下あごの位置をさらに見つけ出して歯を動かしてゆかねばなりませんからまさしくこのタイプの矯正治療は非常に難解なものになるのです。

2016年1月 8日

顎関節症というと歯科に携わる先生のほとんどが咬合学について言及せざるを得ません。

しかし、一方で咬合学自体を全く知らない先生も今は残念ながら沢山いらっしゃいます。
中には咬合学のコの字も知らないで、「顎関節症の治療はドウノコウノ」と言っている人もいらっしゃることは驚きです。

もちろん、歴史的に見て見るとアメリカ発のナソロジーやヨーロッパ発のシークエンシャル咬合などさまざまな咬合理論がありながら、いずれの方法も顎関節症を十分に治療できなかったという事実があります。

ですが、少なくとも歴史的な流れは理解してから治療をはじめてほしい気はします。

ところで、私が顎関節症の治療で悩み始めたのは、もう20年以上も昔でした。
大学に沢山の顎関節症症状の患者さんが来院しているにもかかわらず、全く完治した症例がなかった記憶があり、多くの先生は患者さんを遠ざけようとしていました。

何とか治療してほしいと頼まれた患者さんを何とかしようと勉強を始めると、理論はあるが実際は治療効果が無いという矛盾にも気がつきました。

つまり、「理想とすべき咬みあわせこうして採得しなさい」という方法論はあるものの、その結果がほとんど良好とはいえなかったのです。

その後10年以上顎関節症の治療に取り組んできてわかったことは、「そもそも顎関節症で訪れた患者さんの理想的なかみ合わせの位置など採得することは出来ない」という事実でした。

顎関節症は顎の問題のみならず全身にゆがみを生じてしまっている疾患ですから、当然といえば当然です。

今私が行っているやり方は、顎の位置を理想に近い位置に移動させることで体の反応を引き出し、その反応によって少しずつ体のゆがみが正常に近づいたところでまた顎の位置を変えてゆくという方法です。

このように治療をしてゆくと、次第に理想的な体のバランスが得られ、顎の位置も自然に決まってきます。

もちろん簡単そうに書いていますが、実際は10年以上の試行錯誤と、理想的な顎の位置を触診できるようになるまでの長期間にわたる鍛錬が必要でした。

そもそもナソロジーやシークエンシャル咬合で説明している理想的な咬合理論がすべてでたらめであることに気がついたときはかなりの衝撃でした。

そもそも顎関節症になっている人の顎をベースに、位置を探したり、顎の運動を調べても正しい顎の位置がわかるはずが無いのです。

また顎の位置は体のバランスとともに変化するわけですから非常に複雑で難解な治療技術を必要とするわけです。

しかし、一方で、体がバランスの取りやすい顎の位置を体の変化とともに採得してあげれば、最終的には理想的な体と顎のバランスが得られるわけです。

つまりバランスをとりながら噛み合わせの治療をすることで、勝手に体が自然になり、全身までバランスが整い治ってしまうのです。これこそが理想の全身的治療を言えるでしょう。

2015年6月30日

本当の意味ある矯正治療とは?

難しい矯正治療が必要な患者さんを沢山治療してきてつくづく感じるのは、噛み合わせと頸椎、そして自律神経と脳脊髄液との関係をきちんと理解して治療を行わなければ、本当に意味のある矯正治療とは言えないことです。

矯正治療(かみ合わせの治療)がこれほどまでに人間の体の機能と直結しているとは、卒業して5~6年までは全く考えもしませんでした。

始め私が矯正治療を始め様と思ったときは、「奥が深そうで面白そうだけどなんて複雑な治療なんだろう」としか思いませんでした。当時はベンディングや、様々なテクニックがあって、とても自分で習得できそうにないと感じたことも確かでした。

矯正科を卒業していないのに、どうして矯正の治療技術を習得しようと考えた理由は、顎関節症の患者さんを治療してきて、どうしても被せものや、歯の治療だけでは顎関節症が治らないと感じたからです。

当時から今まで、矯正治療の技術の習得はイバラの道でした。そもそも学生時代に大学で教わる矯正治療のテクニックは基本の基本、しかもストレートワイヤー法という新しいブラケットの内容までは講義では全く教えてもらっていなかったのです。そもそも私が大学にいたころは既にストレートワイヤー法が主流でしたが、大学は遅れていてそのような内容を取り入れる講義は全くしていませんでした。

ストレートワイヤーテクニックから、アーチワーヤーベンディング、そしてレントゲン分析法、ブラケットポジショニングまでを一から習得することは容易なことではありませんでした。

しかし勉強を進めてゆくうちに実際は殆ど全ての矯正治療を行っている先生が、必ずしもかみ合わせについて理解して治療しているわけではないことに気が付いたのです。

矯正治療はかみ合わせを大幅に治療しますから、顎が3次元的にどの位置にあるかを完全にコントロールすべき、非常にシビアな治療です。

仮に、治療が見た目にどんなにきれいに仕上がっても、3次元的な位置が顎にとって適切でなければ全く意味をなさないのです。殆どの矯正専門医がその意味を分かっていないで治療をしているのです。

顎の3次元的位置を決めようにも、矯正治療中は歯がすべて移動をしますから、顎の位置を決めてい治療を行うことは困難を極めます。

そんなことから、ほとんどの先生は、ブラケットを装着して、並んできた上下の歯が噛んだ位置を、かみ合わせのゴールとするのがほとんどです。少しよく考えている先生でも、ワイヤーベンドによって奥歯を沈めたりして顎の位置を前後左右に動かしたりするのが精いっぱいでしょう。

しかし、ワイヤーベンドで動かす場合は、どの程度位置を変更するのかが、適切にコントロールできてい無いことにも気が付きました。しかも奥歯を沈めることはできても、奥歯を引き上げる治療は見たことがありませんでした。

このような事情から、かみ合わせの3次元的な位置を決めるながら矯正治療を行うということに対して、確たる方法論もないまま、100年以上矯正治療が行われ続けてきていたといえるのです。

しかし、私が実際3次元的な位置をきちんと決めながら矯正治療を行う方法を発見し、その方法でかみ合わせを治してゆくと、矯正治療によるかみ合わせの変更は全身にとって非常に大きな意味を持っていることに気が付きました。

噛み合わせの変更によって緊張していた首の筋肉が緩み、結果として、脳脊髄液の流れが良くなったり、頸椎の周りに付着している靭帯が緩んだことによって自律神経の機能も正常化します。それに伴って全身の健康状態が全く変わってしまうのです。

もちろん矯正治療で治ったとしても、その後のメインテナンスが悪いと少しずつ元に戻りやすくなりますが、矯正治療でかみ合わせを変更した後は体調ももとに戻りにくくなり、疲労の回復力もはるかに向上することが分かったのです。(ですから歯の位置が移動しなくなるためのリテーナーは大きな意味を持ってきます)

人間の体はよくできているものだとつくづく感じている最近です。

2015年5月26日

日本で虫歯の治療というと、多くの先生が「フィリング」呼んでいます。

フィリングとは、単に虫歯を部分を削り取り、その穴に材料を詰めるだけのことを示している様に私には思えます。

ともすれば、無くなった部分に充填するという考え方から「奥歯を芸術的に色合わせする」といった、本来の歯の治療を理解していない治療が行われたります。

歯の治療では、単に欠損した部分に材料を充填するだけでなく、機能を取戻し、できるだけ長い合いが機能を維持してくれる材料を充填する必要があるわけです。

私が教えてもらった、アメリカ式のオペレティブデンティストリー(治療)(アメリカに行って教わったわけではありませんが)はそれとは全く違っていました。歯の治療というのは一体どういうものかということから考え、何が原因でそのような虫歯になったのか?虫歯はどのように削るか、そしてかみ合わせの面どのように修正するのかで、「歯の寿命だけでなく、かみ合わせ全体を左右する重要な治療である」という考え方です。

そもそも奥歯の見た目を云々といったことは全く考えません。そもそもオペレティブデンティストリーとは健康の回復を含めた非常に重要な責任を与えられている治療なのです。

私が虫歯を治療するときは必ず、かみ合わせとの噛み合わせの面の状態を確認します。そしていかに破壊されてしまった歯と、かみ合わせを整えるかを考えながら治療を行います。

時にはわざとかみ合わせを高く変化させたりします。

また歯をただ削ればよいというわけではありません。できるだけ詰め物と歯の境界は清掃がしやすくし、なめらかなラインで仕上げなければ、適合の良い詰め物がを入れることができません。

本来の歯科では、オペレイティブデンティストリーこそが治療であり、フィリングは治療とは呼ばないのです。

2014年9月12日

噛み合わせについては、今まで100年以上の歯科医学の歴史の中で、いろいろな先生が議論してきました。

私は中心位という言葉を大学を卒業してから初めて聞き、その採得法を教えてもらったり、本で勉強したりして、かみ合わせの調整に使ったり、矯正のかみ合わせの位置を決める際の基準にしてきたりしました。

しかし、技工士などからこのような咬合学の大家と呼ばれる先生方の症例を聞くといずれもうまくいっていないことを知り、かみ合わせを治すことは絶対できないのではないか?という絶望感を味わいました。実際にアメリカで咬合学に対して意見が分かれているのもこのような問題があるからに相違ありません。

確かに、自分で日本の大学の先生の方法であったり、、アメリカの大学で実際に教えている方法で、かみ合わせの取り方をしても、患者さんは一向に調子がよくなりませんでした。

またそのように治療をされるとかえって息苦しくなるといった患者さんも多く、本当にこのようなかみ合わせの取り方で大丈夫なの?と思うようになりました。

その後長い年月をかけてやっとわかったことは、通常の人のずれた噛み合わせは、顎についた筋肉が引っ張って出来上がってしまっているものですから、一度緊張している筋肉が弛緩させながら、正しいと思われる顎の位置を3次元的に移動させてやり、それに対する筋肉や頸椎の位置などの反応を見て採得する方法が最も結果が良いことに気が付きました。この時、単に顎を押したり、前に出しただけではうまくいかないので、私は噛みわせの位置を3次元的に合わせるための道具を奥歯に噛ませます。その位置で筋肉の弛緩や頸椎の位置の正常になるのであれば、そのかみ合わせの位置を記録し、次回以降の治療の使うのです。

この筋肉や頸椎が正常になる、かみ合わせの位置になるように歯に材料を足して強制的に顎の位置を変化させると、急激に顎周囲の筋肉の緊張が取れ、顔つきが変化します。そして、今まで歪んでいたとは思えなかった顔の骨格までが、実は歪んでいることが分かるようになったりします。これは顎周囲の筋肉が弛緩するために骨格の形が分かりやすくなるからでしょう。

そういう治療をしているうちに、最も緊張を起こしていた顎の筋肉は、治療の途中でどんどん弛緩してゆき、次々違う奥にある筋肉の緊張状態が発見されるようにになります。その都度首や顎の位置関係をチェックしながら、現れた筋肉の緊張を弛緩させてゆくうちに最終的に顎全体の筋肉が弛緩してゆき、体調の変化につながってゆくのです。ですからこのような治療中に頭の形が変わってくることも多いのです。

頭の形が変わるということは脳の血流や脳脊髄液の流れが変わるということなので、体調は相当変化するはずなのです。

このように顎周囲の筋肉の緊張をすべてとることができるように顎の緊張をとりつつ、かみ合わせの位置を少しずつ変化させてゆくという考え方は、かみ合わせの治療にとって非常に重要な方法ですが、この方法を理解して治療を行っている人は非常に少ないでしょう。

2014年8月31日

最近は成人矯正が多く取り入れられるようになってきました。
勿論、このように一人でも多くの大人の人が、矯正治療に興味を持ち、より良い人生に投資をするようになったことは非常に喜ばしいことです。

しかしながら、私が今まで様々な患者さんを診て感じたことは、成人矯正はいろいろな面でふり幅があり、その幅は子供のそれより大きいということです。

これは歯科医師でしか知っていない事実でしょうが、矯正治療は肉体に非常に負担をかける治療で、矯正治療でいろいろな体調変化が起こることは良く知られているのです。

矯正治療によって登校拒否になってしまう子供もいれば、大人でもひどい鬱状態や、耳鳴りなどがひどくなってブラケットを外してしまうことも実際は聞いたことがあります。

ですから、めでたく何事もなくブラケットを外し治療終了まで行ければむしろラッキーだったといえるのではないでしょうか?

このようなふり幅は、体が敏感な人ほど現れやすい傾向にありますが、実際はほとんどの人が気のせいと流しているようです。

私自身、はじめはなぜ顎関節症の人がたくさんいて悩んでいるのに、大学の先生やほとんどの開業医は顎関節症は頭から治らないと決めつけ、治療をしないか?そして抗うつ薬などを処方していてその場しのぎの治療をしているのはなぜなのか?これがそもそも今のような治療スタイルを探求し始めたスタートでした。

矯正治療中のふり幅があるのは、顎関節症の発症ときわめて似ています。なぜなら、矯正治療は歯列全体を動かしてゆくので、かみ合わせを大幅に変更する可能性が高く、これら(かみ合わせの位置)を常に適切に監視していないと、思ってもみない症状が現れることがあるからです。

また、治療中に私の医院の症例では、どんどん日を追うごとに体調が良くなってゆく人もいれば、好転反応のごとく、停滞しては階段を上るように体調が好くなる人もいらっしゃいます。

結果的に治療が終了する時点ではすべての患者さんの体調は良くなってくれるのですが、体が敏感な患者さんが多くいらっしゃるので、体調の変化とともに、喜怒哀楽などの感情面まで変化することがあり、多くの患者さんは治療の過程と理解してくださる人もいますが、説明が必要な時もあります。

これは、現代の精神疾患が多い時代とも大きく関係しています。というのは、現代はパソコンの仕事など非常に多くの情報を処理する仕事が増えたため、人間の脳は酷使され、後頭部の筋肉が緊張し頸椎後ろに引っ張られ、頸椎の配列がストレートもしくはリバースになる事が非常に多くなってきており、広義での顎関節症が増えたのです。

その結果、よろしくない頸椎の形状になる人が増え、脳脊髄液流れが阻害される人が増え、精神疾患の病む人が増えたのではないかと私は考えています。

ところで、歯の矯正治療では、はかみ合わせを変えてゆく際、頸椎の位置関係が大幅に変化することがあります。その際、脳脊髄液の流れが変化が生じ、感情面にまで変化が現れる人がいると私は理解しています。
ですから、より良いかみ合わせの位置へ誘導しながら矯正治療をすることで、一度悪くなった頸椎のそりをかみ合わせを変えることで正常に近づけようというのが私の治療の考え方です。

勿論頸椎のそりが悪くなる原因がすべてかみ合わせと言っているわけではありませんが、長年の筋肉の緊張によって、頸椎がゆがみ、それに合ったかみ合わせが出来上がってしまっているケースが多く、かみ合わせを治さなければ、頸椎のゆがみが勝手に元に戻ることがない患者さんの方が多いと考えられるからです。

というのも、私自身が、首の痛みや肩こりに悩んでおり、整体に5年以上通ったにもかかわらず、今一つ改善がパーフェクトになりませんでしたが、歯の矯正を行ったことで、一気に体調が変化し、格段に良くなった経験をもっているからです。

この様な矯正治療に対する考え方を持っていらっしゃる先生はほとんどおらず、非常に斬新ではありますが、CTなどを用いた確認し、きわめて理論的かつ、これからの時代に求められる治療法であると感じております。当医院では、頸椎を少しずつ正常な位置に動かしながら矯正治療をおこない、より全身に対し効果的に治療効果が出るように工夫しています。

21世紀中にはこのような治療技術広まることが絶対に必要になると感じています。

2014年7月22日

歯科では100年以上にわたり、かみ合わせに関する論争がありました。

よく知られているのはドーソンテクニックと言って、CR(中心位)という、理想的なかみ合わせの位置を採得する方法です。

しかし、勉強されている先生であればこのようなかみ合わせの採得方法で治療がうまくいくことはないと知っていることでしょう。

残念ながらこのような事実は本当に一部の先生しか知らないため、誤った理論でかみ合わせを採得するし、悩み続ける先生が後を絶ちません。

入れ歯や、矯正治療では、かみ合わせの位置を変化させるので、かみ合わせの採得方法は非常に重要なテクニックです。かみ合わせがきちんと採得できる技術を持たなければ、入れ歯も矯正治療も成功しないからです。

多くのかみ合わせの採得テクニックは、ほとんど顎を押しながら、あるいは位置を探りながら、患者さんに噛んでもらいながら、噛み合わせの位置見つけてを採得します。

しかし、これは全くの間違いです。
奥歯が倒れこんでいたり、歯がなくなってしまった患者さんの場合、奥歯の高さがなくなって低くなり、顎の位置が回転してしまっていることがほとんどだからです。

特に日本人の場合、奥歯が低くなっていることがほとんどですから、奥歯を拳上するかみ合わせの採得方法が絶対に必要です。

つまり、正しいかみ合わせの位置を採得するためには、奥歯を上げ具合を調整できる道具が必要というわけです。

この道具については、2010年の矯正学会で発表させていただいたのですが、この道具が歯科のかみ合わせの採得方法を変えるものだと確信しています。

この道具を使うようになってから、矯正や入れ歯の患者さん、あるいは顎関節症の患者さんの噛み合わせ治療で確実な成果が得られるようになったのです。

今後このような考え方と道具が広まり、治療を行う先生が増えることを望みます。

2014年7月21日

当医院の治療は「虫歯をきちんととった」とか、「根の治療をきちんと行った」とか、という歯科治療では基本的なレベル(勿論日本でそのレベルに到達している先生が多いとは言えないのですが)
の治療を行うといった段階は少なくともクリアーしております。

当医院では、虫歯の治療や、根の治療をきちんと行うだけでなく、それをさらに進め、治療の最中に「かみ合わせを正しい位置に戻す」、「顎の筋肉の緊張を取りながら、歯の治療と同時に顎の位置の矯正を行う」そして最終的には「元あったかみ合わせの位置に戻すだけでなく、体にとって理想的な顎の位置にかみ合わせを治療する」という全体をプランニングした治療をしているのです。

このような治療を初めて見た何人かの衛生士は、最初のうちは私が何をしているのか全くわからなかったといっていました。衛生士として経験がある人でもです。

つまり、総合的な治療は、ちょっと見ただけでは理解しがたいものなのです。しかし、患者さんは自分の体が良くなるので、すぐにわかってもらえます。ですから一体何をしているかわからないので、「どうして治るのだろう?」とはたで見ている人が不思議に思うのです。

たとえば、家でいえば、虫歯や根の治療は家具や、電化製品と言え、かみ合わせは、家の全体の構造と言えます。設計する際は中の家具のみならず、耐震性、全体の動線や総合的な使いやすさなども当然考えなければなりません。

残念ながら歯科における各専門医はこのようなかみ合わせというアンサンブルを理解して治療を行っているわけではありません。

たとえば根の治療がうまく詰まって、病気が消えたとします。しかし、土台や、かみ合わせがきちんととのっていないと「必ず再発します。」また場合によっては「歯ぎしりなどの強い力によって歯が割れて抜歯になってしまいます」。

もし、白くてきれいな歯を入れたとします。しかし、割れると困るからと言って低めに作ってしまえば、たちまちかみ合わせが崩壊して、体調ががくんと悪くなってしまいます。

ですから全体のかみ合わせも考えられ、そして個々の治療も行える、オーケストラでいう指揮者であり、ソリストでもある歯科医が必要なのです。

アメリカではかつて、そのような歯科医を育てるべきと、ある歯科大学の学長が考え、何名かにをスーパージーピープログラムとして教育プログラムを実施しました。しかし、結局1人しか卒業できませんでした。私はたまたま、そのたった1名の先生と知り合い、その先生の治療を見るうちに、これが理想の歯科治療であると確信しました。そして、20年以上臨床経験と努力ののち、ようやくその方法の中程まで入れた気がします。

歯科医の中には、マニアックにすべて顕微鏡を用いた治療を行ったり、すべての治療記録映像を取るなど私には到底真似のできないことをする先生もいらっしゃいます。これも一つの極みだとは思います。

でもこれはまるで森を育てるのに、一本の木の育ち具合ばかり気にしている人のように見えます。いくら一本の木(歯)が育っても、森(噛み合わせ)が整わなければ何の機能も得られませんし、患者さんにも治ったといった実感がわかないのです。

特にかみ合わせは、噛み合わせと体のところで触れたように体全体にかかわる大きな問題となるのです。
総合的な治療ができる歯科医が、これからの歯科には絶対に必要なのです

2014年7月18日

私の医院にご来院頂く患者さんは、ほとんどが、非常にデリケートな方です。

このようなタイプの患者さんに共通して言えることは、いずれもかみ合わせに対して敏感であることと、材料や薬剤に対して反応性が高い傾向があります。

ですから、化粧品にかぶれたり、良くない食べ物に対して過敏に反応したりします。

そして、私が治療を何人もしていて気が付いたのは、アマルガムに対しては全く反応しないということです。(もちろん当医院で使っているアマルガムが質が保証されたものであることも関係しますが)

そして、ノンメタル治療を銘打って、レジンや、セラミック治療をされた人は非常に予後が悪いということです。

アマルガムの水銀について騒ぎすぎといった、治療に対する誤った考えを持つ人たちのせいで、非常に重要な材料について何の根拠もない情報が流布していると思います。

わたしが経験した限りでは、ノンメタル治療が必ずしも経過が良いとは言えないことです。セラミックは、表面がツルツルで食事をするのに有利とは言えず、しかも、強い力で割れたり、接着している材料(レジンセメント)などが吸水性があるため、細菌感染上も良いとは言えないのです。

近年CAD/CAMなどが流行ってきてるようですが、適合性の問題、材料としての問題などが以前から言われておりました。

私は、ちょうど15年ほど前インプラントの問題をホームページでしきりに書いていましたが。半年ほど前NHKでその治療の問題が取り上げられました。

そして12年ほど前、感染予防の重要性についてホームページに取り上げていたところ、ちょうどつい最近新聞で本格的に危険性が取り上げられました。

私の場合、特に時代の先端を行っているので、当時はなかなか周囲の人や、業界関係者に理解されませんが、結局私が予想した結果になっています。

審美歯科のCAD/CAMや審美レジン修復はこれから必ずボロが出て来ることは間違いないでしょう。
実際すでに業者の間ではセレックシステムなどに重大な欠陥があることを指摘しているのを聞いたことがあります。(2006年頃)今はすでに改善されたかもしれませんが、私は個人的にはあのような方法できちんとした治療ができるはずはないと確信しているので、いつか問題が発覚するでしょう。

2014年4月 3日

歯の治療の中で、根管治療と矯正治療は特に高い技術が必要です。

今回は根管治療について書かせていただきます。

日本では根管治療は当たり前というのが正直なところです。根の治療になるので、通常ですと歯の神経はなくなっており、「寿命もほとんど尽きかけている歯」と言えるのですが、日本では簡単に神経を取ってしまう傾向があるので、このような歯の治療が意外に多いのです。

一方その治療の仕方ですが、アメリカでは訴訟になってしまうような低レベルな治療が横行しているのも日本の特徴です。

これも御上が決めた保険制度のなれの果てです。

根管治療は、もしきちんと行うのであれば、顕微鏡を使用するのはぜひ必要です。

また、日本ではまだ使う先生が圧倒的に少ないのですが、ラバーダムを使用することは必須条件ではないでしょうか?これは細菌が治療中の歯の根に入らないために必要なのです。

また、もし顕微鏡を使ったとしても、それをきちんと使いこなすには、相当の修練が必要です。これは、根の治療がほとんどミラーを使って行わねばならないので、上下左右が逆になったものを見ながらミクロン単位の治療をする必要があるからです。

これを考えれば、脳外科のマイクロサージェリーは根管治療よりはるかにハードルが低い治療だとわかります。

ですから、顕微鏡を使った治療を行うというだけでも相当ハードルが高くなるわけです。おそらく、死のリスクさえ除けば、医療でこれより難しい治療はないでしょう。

また、よく根の治療で、かぶせものをすべて外してしまう写真がホームページ等で紹介されていることが、これはあまり好ましい治療とは言えません。

このような治療をしていると、根の治療中が仮止めが取れやすく、いったん仮止めが取れてしまうと、中に細菌が入ってしまうので、歯の周りを削ってしまうことは勿論、かぶせものを外すのも、やむを得ない場合以外行わないほうが良いのです。

特に奥歯の場合は、かぶせものを外してしまうと、根の治療が終わるまでの間、かみ合わせががなくなり、顎全体の、かみ合わせが変化してしまう可能性があるので、絶対に外すべきではありません。

マイクロスコープを使った歯の根の治療真ん中から穴をあけて治療を行うべきです。右の写真がそのやり方です。

また患者さんがよく勘違いされているのですが、痛みが消えたとたんに根の治療をしている歯でかもうとしますが、これは絶対してはいけません。

歯が折れてしまうからです。

この様に根の治療ひとつとっても、なかなかその実情を知ると難しいことが多いのです。

2014年3月28日

治療の技術は日々進歩します。
CTスキャン 私の医院も、10年前にホームページを作りたてのころとは全く異なった治療を行っています。

たとえば根管治療、当医院では2004年に歯科用の顕微鏡を導入しましたが、当時は目と手がなれるのに一苦労しました。

今ではCTスキャンとともに使うと、根の治療の確実性が格段に上がってきています。
今から考えると、当時の根の治療もまだまだだった気がします。

また矯正治療もずいぶんとやり方が変わってきました。
2000年ごろに矯正治療を始めたばかりのことは、きれいに歯を並べることが矯正と思っていた部分もありました。

しかし今では、顎の位置を先に決め、その位置で顎が固定されるように歯を動かす矯正治療に完全に変わってきてしまいました。

いろいろ調べると、顎の位置を先に決めて矯正治療をしている先生は、日本だけでなく、世界でもかなり少ないようです。


しかしこの方法で治療をしてゆくと、歯を抜いて(親知らず以外)矯正治療を行うことは避けるべきたということに気が付きます。また、顎の位置が適切であるだけで、体の調子は格段に良くなることもわかりました。

私どもの医院で、矯正治療がある程度進むと、「最近、無理がきくようになった」という人が出てきます。
また治療が終盤に近付くと、「今までの人生の中で一番体の調子が良い」を言われることもしばしばです。

歯科治療はまだまだ進歩する可能性を秘めています。歯科治療の進歩は医療と違って、病気の原因を治しているので本当にやりがいがあります。

薬などは一切使わず、悪くなった虫歯や、根の病気、そしてかみ合わせを治すことによって体調を良くしてゆくのです

2013年12月23日

矯正治療では、必ずブラケットという矯正装置を使います。
このブラケット自体、長い歴史の中で、現在使われているようなブラケットと進化してきました。

しかしながら、実際に使ってみると、個々の歯のどの位置につけるのかが非常に重要になっています。

多くの矯正治療をしている先生は、目で見て、自分の感覚だけを頼りに、直接口の中でブラケットを接着しています。

しかし、実際に治療をしてみると、わずか28本中の一本の歯の高さの位置づけが、たった0.25mm(250μm)狂ているだけで、上の歯と下の歯は全く噛まなくなります。顎関節症の人は、ただでさえ顎の位置がずれているのに、この噛まないことよって、ますます、自分のかみ合わせの位置がわからなくなります。

個々の歯でブラケットを付ける高さは異なるので、上下28本を全くミスなく目で見て自分の感覚だけで正確につけることは、事実上神業で、これができる人は本当に神に近い目と手の感覚がある人だけでしょう。

私は、矯正治療を始めたとき、この難しさに気が付きました。(所詮凡人なので、このような神業を自分が習得できるとは思いませんでした)
その時白須賀先生にであい、白須賀法を10回以上も迷惑をかけながら職場に押しかけ、正しい高さにつけるコツを教えていただきました。

たとえ神業的なブラケットの位置づけができる人でも、この理論はぜひ学んでおくべきでしょう。
なぜなら、どんなに神業があろうと、正確につける基準があると、ミスはおのずと少なくなり、患者さんも、私たちも、無駄な時間を節約できるからです。

また、初めから正確につけておけば、矯正治療によって顎関節症になる患者さんはかなり減るからです。

今、たくさんの先生が白須賀法を学んでいることは本当に私にとってはうれしいのですが、実際自分で白須賀法を実践している先生が少ないのは少し残念です。

2013年11月18日

矯正用ブラケットは、各種様々なものが用意されています。

私は矯正医の実力を調べる手立ての一つとして、使っているブラケットを調べることも一つの方法です。

ブラケットは今や世界中で売られており、毎年何千万ものブラケットは売られているので、企業としては大きな利益を生む重要なものにほかなりません。その中でもメタルからクリアーブラケットから、リンガルブラケットから様々なものが用意されています。

世の中はよくできたもので、値段というのはどうしても正直です。高いブラケットの方が機能が優れている場合が多いのです。

ブラケットは今はほとんどがストレートワイヤー法となっているため、ブラケットの一つ一つが、歯の位置によって形状が異なっており、ブラケットのスロット(ワイヤーが入る溝の形)が角度が違います。

この角度は高名なアンドリュース、ロスなどの先生が決めてきたわけですが、その角度は左上の4番5番、下の1番2番以外はすべて違っています。

しかし、価格の安価なブラケットは、角度の近いものはすべて同じ角度にしたりします。それは量産時に角度を変えて作れば大きなコストがかかるからです。

また同じように、セルフライゲーションと言って、ワイヤーを縛らない、歯にかかる力が弱いブラケットは、それだけ機構が複雑になり、値段が跳ね上がります。

一方、クリアーブラケットは、構造上、セラミックやプラスチックで作らねばならないため、強度や加工の技術上の問題から、製作上制限が出るために、必ずしも理想的な構造にできないことが多々あります。

このようなことを知れば、ブラケットは患者さんのことを考えると、金属ブラケットで、セルフライゲーションがコストを考えなければもっともよい選択になってしまうのです。

しかし、歯医者さんが患者さんの[器具や材料がよければ治療はうまくゆくのか?」という質問に答えるとき、よく言うのですが、「基本的技術がなければ、どんなよい材料を使ってもその良さを100%発揮できない。技術のない人の治療は材料、器具が悪いが、技術のある人の治療より劣る」ということです。

先ほど書いたセルフライゲーションやスロットの角度なども、正確にブラケットを位置づけできない先生が使ったとしても宝の持ち腐れで、むしろワイヤーをまげて調整する量の方が多いでしょう。

しかし、技術レベルが高く、ブラケットの位置づけが正確であれば、高価でも精度の高いブラケットを選択する意味が出てくるのです。

治療技術に関する記述
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番町デンタルクリニック 院長 吉田敦志(よしだあつし)

番町デンタルクリニック
院長 吉田敦志

番町デンタルクリニック公式サイト

皆さんは何のために歯科矯正をお考えでしょうか?
美しい笑顔のため?コンプレックスを解消するため?
確かに矯正治療には、そういった役割もあるといえます。

しかし、私が考える矯正治療の目的とは、健康な体を手に入れること。

私は10年以上前から、かみ合わせと体の関係を研究してきました。その結果、
矯正治療で適切なかみ合わせに導けば、体の状態は必ず改善するという自信を持つようになりました。

実は、矯正治療というものは奥が深いものなのです。