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2018年6月29日

最近の患者さんは虫歯が大変少なくなりました。

歯磨きをしない人はいまやほとんどいないでしょうし、人によっては毎食後歯を磨く習慣が身についていて、食べたら磨くといったことも当たり前になりつつあるからでしょう。

それなのにどうして虫歯になるのでしょうか?

多くの患者さんから、歯を磨いても虫歯になりますが、磨き方が悪いのでしょうか?といわれます。
もちろん毎日フロスを使ったり、歯間ブラシを使えばそのリスクを下げることができますが、単に歯磨きの仕方だけの問題ではないことに気がつきます。

どんなに歯磨きをきちんとしていても、半年や3ヶ月に1度メインテナンスにいらしている患者さんでも虫歯になっていることがあります。

これは、ストレスから来る、歯軋りや、何か物理的だけでないストレスが歯に加わったために、歯にひびが入ってしまい、そこから虫歯になってしまうといったケースです。

このような事が起こる場合は、たいていその人に過剰なストレスがかかっていて、お話をすると、なんとなく過剰なストレスがかかっていたことに気がついています。

そして、口の中はねとねとした感じが抜けなかったり、夜眠りが浅かったり、体がなんとなくだるかったりします。

これは必ずしも病気ではありませんが、未病の状態でも、身体に黄色信号が点灯している状態です。多くの患者さんはその時点でメインテナンスを希望されて、歯の状態はすっきりすると身体の状態も戻るようです。

歯はこのような未病の状態を真っ先に映す部分でもあります。歯は全身のバロメーターともいえます。

私たちは、このような未病に対する気づきができるようになっていただくのが、メインテナンスを受け続けるメリットだと思っています。誰しも病気にはなりたくないでしょう。しかし、それに気がつくのは本当は年に1度の人間ドックではありません。歯の状況で、身体に何か異変が起こりはじめていることに気がつけることもあるのです。

ストレスがたまると、さまざまな臓器が痛めつけられ、肝臓であれば、「怒り」、腎臓であれば、「恐怖」、心臓であれば「寝付けない、不安」など、さまざまな心の変化が起こることが中医学でわかっています。そして、それらの臓器の機能を高める食材もわかっています。

歯の状態と、心の状態を分析し、自分にどんなストレスがかかっていて、それをどう克服するかを理解することで、未病の治療になり、医者にかからなくても自力で治すことができるのだと思います。

2018年6月27日

歯科治療は、詰め物やかぶせ物、そして、矯正ではブラケットを装着するための装置や、診断用の模型マウント、リテーナーの製作、など、多種多様な技工操作が存在します。

そして、それを歯科医が自ら行うことで、自分の治療技術の験算になります。

私が、入れ歯やかぶせ物を正確に作成したつもりなのに、口の中で全くうまく適合しなかったり、噛みあわせが異常に狂っていたりする原因について理解できたのは、自ら技工操作をしたおかげです。

多くの歯科医は、自分が型取りをしたものが口の中にうまく入らないと、技工士さんのせいにします。私も実は絶対にエラーが起きないよう随分工夫して型を取ったり、かみ合わせの記録と正確に取ったりしていたので、よく技工士さんの技術を疑ったりしていましたが、実際はどんなに正確に型取りをして、噛みあわせを採得したとしても、口の中で合わないことがあります。このときはきっぱり諦めてすぐに再製作に移ります。

私は再治療や、型の取り直しをすることが効率を下げ、集中力を下げるのでとても嫌で、自分で技工操作をして治療が技工の作業工程における原因を探したり、型材やかみ合わせ材を十分に選定したりして絞り込んだりもしましたが、それでもエラーが起こることがるとわかったのです。どこに原因があるかは一度自分で検証しないとわかりません。ほとんどの人は十分な検証をすることなく、「あの辺りの作業がエラーの原因かもしれない」出終わってしまいます。でもそれでは人間の身体に一体何が起こっているかを知ることができません。

人間の身体や顎関節は非常に柔軟性があるため、たとえすべての操作が適切であって、材料も最高のものを用いられたとしても、個人個人の条件次第で、かみ合わせの位置が一晩で変わってしまうことも不思議なことではないと気がついたからです。つまり、技工や材料が原因で狂ってしまうわけではないと発見したわけです。

これは非常に重要な発見で、そこに行きつけないため、個々の患者さんの反応性や、それにあった治療法を工夫する先生が余りに少なすぎます。私がブリッジや入れ歯、そして矯正治療のかみ合わせに関して、患者さんの個々の挙動に対し動揺することなく自信をもって治療に当たれる理由は、自分で技工操作を行ってきた経験から人間の身体の柔軟性と、反応性を十分に熟知しているからといって他なりません。

顎周りのみならず、体全体のバランスが狂えば、かみ合わせに影響が出ることは実は結構起こっていることです。そして治療技術が高ければ高いほど、患者さんが治るときに身体の反応が起こり、顎周りや身体のバランスが良い方向に変化し、その変化に対応した治療が必要なのです。つまり、矯正治療などでは、昨日まで正しかったかみ合わせの位置が今日には変わってきて、1週間では耐えられないほどの狂いになってしまうこともあるのです。

本当に良くなる歯科治療は、このようなバランスを悪い状態から良い状態へと導くことができなければならないし、一体何が起こったかを理解できずに動揺しているようでは治療にならないのです。

2018年6月19日

私はエネルギーを充填するためにしばしばハワイに行きます。

ハワイは確かにパワースポットだと思いますし、日に当たっているだけで体のエネルギーが一気に戻る気がします。しかし、短い滞在時間を有効に使わないとあっという間にハワイ旅行は終わってしまいます。

私が一番大切にしているのは到着初日の行動です。到着初日にホテルに入ってプールにでも入ろうなんて思っていると、つい着替える前に一眠り、気がつくともう夕方の4時過ぎ、「そろそろおなかも空いたし食事をしないと・・」そして、カラカウアを歩いていて食事をしているとあっという間に夜になってしまいます。

ご飯を食べると、繁華街を歩いた疲れで翌日も起きるのが遅くなって、さらに時間をロスしてしまうことも・・。

こんなことではせっかくのハワイがもったいないです。
私の場合は、空港につくとホテルには向かわず、すぐにレンタカーを借りてノースに向かい、今はなくなってしまいましたがMackey'sのエビを食べます。必ずカーリックシュリンプです。

ガーリックは西洋でもドラキュラ退治に使われる魔よけの食べ物です。
飛行機はハワイまでかなり高い高度を飛行し、なにやらうれしくない怪しいものまで同乗している気がします。真偽のほどはわかりませんが、とにかくたった7時間弱のフライトとは思えないほど私の場合は疲れてしまいます。仮にうまく寝れたとしても翌日の朝ハワイに到着したときはボーっとして、これからだというのに少々眠さも残っています。

そんなとき、途中のドールに寄って休みながら、がんばってノースまでゆき、まずはマッキーズののガーリックシュリンプを食べます。ガーリックでよろしくないものも払ってもらえるのか、一気に頭も身体もよみがえり力とやる気がわいてきます。そして、ノースのお店をいろいろ回ったり、カキ氷を食べたりする元気が沸きあがってくるのです。ちなみにホテルで食べる簡単な食べ物や水をノースのロングスドラッグで調達することも忘れません。

帰りにフリフリチキンとご飯、コールスローサラダを人数分買って、ホテルで食べる夕食にします。
こうすると、ワイキキのホテルに帰る頃は十分に疲れていますが、外に出ることも無くフリフリチキンを食べてお風呂に入れば、すぐに床に就くことができ、翌日への体力温存ができるのです。

そして翌日は6時ぐらいから起きてヨガや散歩や、パンケーキを食べに行ったりできるようになるほど時差ぼけや疲れを感じなくなります。

私も最初の頃はハワイに来ても随分もったいない時間の使い方をしていましたが、このようなプランにするようになってから、たとえ滞在が2泊でも十分にハワイを堪能できます。
皆さんも試してみてはいかがでしょうか?

ちなみにノースまでの道はドールを越えたあたりからとても空いていて、運転もしやすく雨上がりなどは左手に美しい山々が見え、ても気持ちがよいものです。

ハワイでガーリックの効用を知ってからはできるだけガーリックを食べるようにしています。刻んで軽く油であ揚げてから野菜に入れても、パスタに入れてもなんだか力がよみがえってきます。ガーリックには単なる栄養素以上の効果を感じるのは私だけでしょうか?でも食べ過ぎるとお腹を壊すので注意が必要です。

こうやってハワイでエネルギー補給をして帰国し診療を開始すると、患者さんはそれを知ってか知らずか、何かを感じて診療開始から電話がいっぱいかかってきます。

患者さんにとって歯科治療はある意味エネルギーを補給してもらう治療だと私は考えていますから、患者さんに与えることができるためにも、先生も常に自分にエネルギーを補給する必要があると思います。それが患者さんのためにもなるし、自分のためにもなるのであれば、ハワイ旅行に限らず積極的にエネルギー補給をするべきではないかと思っています。

2018年6月13日

私がまだ中学生だった頃、検診で虫歯が見つかったため、歯医者さんで治療を受けることになりました。

当時は歯医者さんは大変混み合っていて、待合室に人が溢れ、履くスリッパもすでにありませんでした。
大変急がしそうで院長の息子さんが必死に患者さんをさばいている様子でした。1時間ぐらい待たされた後、処置は10分程度で終わりました、高さをチェックしていたようですが、麻酔が効いていて高さの感触が良くわかりませんでした。しかし、家に帰ってからなんとなく違和感を感じました。

治療の予約は終わっていて、歯科医院も大変混み合っているのでそう簡単に予約も取れそうに無いし、当時は噛みあわせを調整してもらうという意識がありませんでしたので、そのまま放置していたところ、翌日からとんでもないほどに便秘になってしまいました。
男ですので、私はどちらかというと下痢になるタイプで、便秘になったのはこのときが生まれて初めてで、非常に驚きましたし、原因といっても歯の治療以外は考えられませんでした。

とにかくお腹が張っているのにまったく出る気配がありません。そのような状況は2週間以上も続きました。体調が不良になったことが無い中学生にとってはとてもつらい経験でした。

やっぱり、歯の治療が影響しているのだろうな?と思いましたが、だとしてもどうしてよいかわからなかったので、自然に治るまで待つしかありませんでした。

実はこのようなお腹に来るひどい症状は、大学6年生のときにも起こりました。このときは先輩に歯を治療してもらい、かぶせ物を作ってもらいましたが、そのときも、どうも噛んだ感触がしっくりこなかったのです。かぶせる前に、随分と調整し、高さは良くなっていたのですが、家に帰ってから顎を動かしたときに強くぶつかる感触がありました。

このとき治療をしていただいた先輩は当時大学院生でしたが、随分と虐げられた学生生活を送っているようでした。

それ以来、便秘のような、いわゆるシブリッパラになって、出そうにも出ないし、お腹は張るし、とにかく苦しくて、何軒かの内科に診察してもらいましたが、いずれも整腸薬を出されただけでした。そして症状がひどくなると、さらに背中に湿疹がたくさん出はじめ、掻くと出血するようになってしまいた。これもとても悩みの種だったので皮膚科も何軒か受診し、某有名大学の教授にも診療してもらいましたが、病名を羅列するだけで出した薬は近所の開業医とまったく同じもので、抗アレルギー薬とステロイドの軟膏でした。

このとき以来私は内科医や皮膚科医をあまり信用しなくなりました。

そのときの湿疹やお腹の張り、そして開業後によく起こっていた突然の腹痛(お腹が痛くてトイレから出れなくなり20分ぐらい冷や汗をかいていると何とか治る)などは整体や、オステオパシーなどに10年以上通い続けて、40台の中ごろになってようやく良くなってきました。
整体の先生やオステオパシーの先生は、内科や皮膚科の先生が指摘しなかったからだの悪さをいくつも指摘してくれました。このとき、医者が診ているものと代替療法で診ているものが違うとはっきり気がつきました。
そして、オステオパシーの先生は、医者や歯医者さんは体の状態は非常に悪いと良くおっしゃっていました。体の固まり具合やそれに伴うバランスがどちらの職業の人も相当悪くなっているようです。

そして、最近いろいろな患者さんにお話を聞くと、私と同じように、あまり体調が良くなさそうな先生から治療を受けて、同じような症状になった人が多くいらっしゃることに気がつきました。私の医院では割と敏感な患者さんがいらっしゃるので特に多く感じるのかもしれませんが、とにかく治療を受けてからさまざまな体調の不良が出てきたという人は少なくありません。

高さの調整が体調不良の原因になることは間違いありませんが、それ以上に治療を行う先生の体調は治療結果に大きく影響すると私は感じています。治療自体がある種の生命エネルギーの交換のようなもと考えればの十分起こりうることだと思っています。そういった意味で医師という職業は自分のエネルギーを常に高めておかないと患者さんに影響が出てしまう職業だと思っています。

私はこのことには相当前から肌で感じていました。そして、自分やスタッフの体調管理は人一倍気をつけています。しかし、普通の先生は自分の体調が患者さんの治療結果に影響するなど考えてもいないと思います。実際に多くの歯科医を観察すると背中が前に曲がり、首も背中も固まっています。これは経営だけでなく、診療行為そのもので、身体を痛めてしまうのだと思います。

今の歯科医院は、歯科衛生士の募集から、宣伝広告、経営まで相当大変だと聞きます。
確かに私も開業当初は、慣れない経営のことで心労が絶えず、心と体のゆとりが本当に無かった気がします。診療の疲れで身体もガチガチで凝り固まっていましたし、当時整体やマッサージに通うという意識もまったくありませんでした。そして、そんな時に限って、患者さんの治りが悪かったり、トラブルが多かったり、無断キャンセルの患者さんが多かったり、とストレスが増えるようなことしかありませんでした。

自分なりに精一杯治療をしていたり、患者さんのためにできる限りのことをしていても、どうしても歯車がうまくかみあわないのです。こんなことは開業医でなくてもよくある事です。

今診療をしていて、一番びっくりするは、自分の体調がよいと、矯正中の患者さんの歯の動きが良くなったり、頭蓋骨の形が良い方向に変化したりすることです。これは気功の基礎コースと、治療家コースを受けるようになってから顕著で、そういった意味でも自分の身体を良い状態に維持することは、あらゆる事態を好転させる力があると感じています。

自分の心や身体にゆとりが無い人はたとえ治療をしていたとしても、患者さんによっては却って悪くされかねないと、このような経験から私は知ったのです。

2018年6月12日

私が矯正治療を勉強し、はじめて実際の治療に取り掛かったときは、治療の経過を見て、時に冷や汗が出るほど焦ったことは決して珍しいことではありませんでした。それほど矯正治療は難しく、そしておくが深い治療なのです。

こんなことは私だけかと思っていたら、実はほとんどの矯正歯科医師が、「どうやっても治せない症例に頭を抱えたことがあるという経験をいくつもお持ちだろう」、とある矯正の先生から伺って、「なるほどな!自分だけじゃなかったのか?」と思いました。実際は矯正専門医ですらお手上げになるケースもあるのです。

歯の矯正では、歯の位置をいくらでも移動させることができ、かみ合わせは大幅に変化します。自分が予想もしなかった場所に顎が移動してしまうことは実はそう珍しいことではありません。結局はさまざまな変化が重なって何とかなることも多いのですが、顎に一体何が起こっているのかとてもわかりにくいのが矯正治療でもあるのです。

顎関節と顎の動きの仕組みを熟知していれば恐れることはないのですが、仕組みがわかっていないと、オープンバイト(前歯が完全に開いてしまう嚙み合わせのこと)や受け口がひどくなってしまうと、たいていの矯正歯科医は焦ります。実際に最終的にうまくいかず私の医院に来院される患者さんもいらっしゃいます。

なぜこんななことが起こるかといえば、矯正の大学の講座では顎関節や顎の動きについて十分に教育がなされていないからだといえます。

顎の3次元的な挙動は、上下的な奥歯の高さの変化によっておきていることを理解していれば、そう難しく悩むことでありません。しかし、大学の矯正の講座でそれを教えてくれるところは非常に少ないと思います。私が顎の挙動と歯の位置との関係を完全に理解するまでには、たくさんの矯正治療やかみ合わせに関する講習会に参加し、その中から解決に使えそうな考え方を組み合わせ、自分でも理論を構築し、実際に臨床で自分の理論を当てはめてみて、やっと理解できたわけです。しかし、大学ではそのような理論は教育されていないので、その教育を受けていない先生にとっては本当に冷や汗をかいてしまうほどの問題であるに違いありません。

多くの場合、これは難しいとわかると、多くの矯正の先生は手をつけません。矯正医に相談して、治療はできませんといわれ、当医院を訪ねていらっしゃる患者さんも結構いらっしゃいます。

たとえば、噛みあわせがオープンバイトになってしまうほとんどすべての原因は、奥歯が低すぎることですが、大部分の歯科医は、奥歯を低くしてあげないと前歯が噛みあってこないと思い、奥歯を低くするために噛み合わせを削ったり、奥歯を沈めたりして調整しますが、それがますます泥沼にはまってしまう原因でもあります(この場合オープンバイトは治らないだけでなく、体調がどんどん悪くなってゆく)。

ただ、単純に奥歯を高くしてしまうと、前歯の開きが今までよりさらにひどくなるので、矯正を行う先生はそれが治るという保証もないし、そこまでの治療をする勇気もありません。
私の場合、オープンバイトの場合でも思い切って6ミリ近く奥歯を高くして前歯では1.5センチ以上開いてしまうほど、あえてオープンバイトを大きくさせます。しかし、この作用によって顎周りの筋肉が弛緩しはじめ、不思議なことに開いていた前歯がどんどん閉じてきます。

矯正治療で前歯が以前より開いてしまうことに、患者さんは一瞬唖然としますが、早い場合は1ヶ月もしないうちに前歯が完全に閉じてきて、驚かれることもしばしばです。

噛みあわせが狂った理由を考えてそれを正すように治療をすれば自然に正しいか見合わせになるのでが、単にスペースがないから抜歯し、オープンバイトになっているから奥を低くしてそれを治すいった単純な方法論だけで治療をしてしまうと、なぜ歯が並ばなかったかという原因が解決されないので、矯正治療という航海が難破してしまうわけです。

2018年6月 7日

最近では、学校の歯科検診でも噛みあわせを必ずチェックすることが行われているため、矯正治療をお考えになる方も多いと思います。

しかし、矯正治療はその開始の時期はとても重要です。

ブラケットを使う比較的強い力を個々の歯にかける矯正治療は、小学校の低学年から始めるべきではありません。

時々、前歯の隙間を埋めるために上の前歯だけブラケットを装着しているお子さんを見かけますが、レントゲンで観察すると小学校低学年では、前歯の根は実はまだ完成していません。

根が完成していない時期に比較的強い力をかけてしまうと、根は十分な完成をしないまま途中で成長をやめてしまい、不完全な短い根になってしまうことがあります。
小学校の低学年の時期の歯並びは(醜いアヒルの子)の時期でもあるので、状況によっては様子を見たほうがよい場合も多くあります。

もちろん、どう考えても歯並びと噛みあわせが悪くなることがわかる場合がありますが、その場合は、トレーナーなど装置を使うべきで、ブラケット矯正は根の完成まで待つべきです。

早く治療をしたい気持ちがあるのはわかりますが、それが却ってお子様に重篤な根の問題を引き起こすこともあります。

実際無理な矯正治療をした後遺症が何年も経ってから現れて神経を取らなければならない事態になった患者さんもいらっしゃるのです。

2018年6月 2日

矯正の治療中であるにもかかわらず、どうも「自分の矯正治療がうまくいっていないので見てほしい」といって相談される方が時々いらっしゃいます。

そして、ブラケットの位置を見てびっくり仰天することがしばしばあります。異常に歯の先端よりに装着されていることがあるからです。

現代の矯正用のブラケットはストレートワイヤー法といって非常に緻密に計算されています。
それは個々の歯(前歯から奥歯まで)についたブラケットに理想的なアーチの形状をした真っ直ぐなワイヤーを入れるだけで、歯列が理想的に並ぶように非常に緻密に作られています。

歯の傾きや歯面からの出具合、アンギュレーションといって正面から見た傾き具合も一部共通のものもありますが、歯の部位によって、すべて角度を変えて作られているのです。

この角度は歯科医の好みによってある程度選べるようになっていますが、先生自身の経験でもっとも使いやすい角度のものを組み合わせて使っているのです。
私の場合は奥歯に関してはアジア人向けに考えられたオーソスというものを臼歯では使っており、前歯から小臼歯まではデーモンブラケットの標準の角度のものを使っています。

そして、その角度は、ブラケットを見えている歯の高さの半分あたりにつけることで計算された歯並びになるよう設計されています。

ですから、ブラケットの高さを極端に高い位置や低い位置につけてしまうと、計算されて作られた意味がほとんどなくなります。一見何の相関関係も無いように思われるでしょうが、実際はすべての調和の元にブラケットの角度が決まっているため、一本のブラケットがわずか400ミクロン高さが狂うだけで歯列の調和がまったく取れなくなってしまいます。

それほどブラケットの位置づけは大切なものなのです。

以前講習会で見せていただいた症例では、すべてのブラケットを上下逆さまにつけてしまい、何年経っても歯が噛んでこないという間違いを犯していた歯科医もいたようです。

ブラケットは上と下とでは与えられる角度がまったく違うので、間違って装着されると噛まなくなるのは当たり前のことでしょう。そんなミスもありますから、ブラケットの管理はきちんと行われていなければなりません。ブラケットを見ただけではどれが上でどれが下かはまったく見分けがつきませんが、与えられている角度が違うので歯の並びがまったく変わってしまうのです。

矯正治療はそれほど緻密な治療なのです。それゆえ多くの矯正専門でない先生が矯正治療を始めようとするのを躊躇し、テクニックの比較的容易なマウスピース矯正などに手を出すのだと思います。
しかし、マウスピース矯正だけではどうしても治療が完成しない場合があるので、それをフォローするためにブラケットが扱えないと非常に困った事態が起こります。

一体最後にブラケットで仕上げるなければならないリスクのあるマウスピース矯正を行う必要があるでしょうか?それが私の考えです。

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番町デンタルクリニック 院長 吉田敦志(よしだあつし)

番町デンタルクリニック
院長 吉田敦志

番町デンタルクリニック公式サイト

皆さんは何のために歯科矯正をお考えでしょうか?
美しい笑顔のため?コンプレックスを解消するため?
確かに矯正治療には、そういった役割もあるといえます。

しかし、私が考える矯正治療の目的とは、健康な体を手に入れること。

私は10年以上前から、かみ合わせと体の関係を研究してきました。その結果、
矯正治療で適切なかみ合わせに導けば、体の状態は必ず改善するという自信を持つようになりました。

実は、矯正治療というものは奥が深いものなのです。