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2017年5月25日

歯の治療といえども人間の身体をいじる作業ですから、先生の腕によってその結果はピンからキリまであります。

そして、たった一本の歯を大切にする考え、そしてその歯を削る大きさをコントロールすることは非常に大切です。これは基本中の基本といえます。

しかし、臨床経験を重ねてくると、そのたった一本のはを治すとき、歯列全体のこと、そして、顎のこと、さらには全身に関係することまで考えながら治療をしなければ意味がなくなることに気がつきます。

そこまで考慮して包括的に治療が出来れば、一般的な患者さんが期待しているもの以上の結果をもたらすことができます。

そういう先生は、まるで建築で言えば、設計士と大工さんの能力を兼ね備えた人、音楽て言えば指揮者と演奏者を兼ね備えた人、プログラマーで言えば、プロジェクトマネージャーとソースを書く能力を兼ね備えた人

といったレベルの能力が必要とされます。

はじめは虫歯をきれいに取り除き、隙間なくきれいに材料を詰めることができれば、修復の歯科医としては一人前になりますが、口の中全体を考えたとき、「その修復材料、修復方法でよかったか?」という問題も出てくることも少なくありません。

2017年5月23日

矯正治療に実は失敗が多いことが徐々に知られるようになって来ました。

しかし、患者さんの不安を取り除くために、「失敗しない矯正治療」と題してさまざまなことが言われるようになっていますが、いずれもどうして失敗しないかの根拠が薄く感じます。失敗しないということは実は歯だけの問題ではないので非常に奥深く、難しいことなのです。

矯正治療は治療を受ける人のや体質や習癖、そして幼少のころから受けてきたストレスなどが複合して起こってしまった歯列と顎の位置の変化を治す治療だと私は考えます。歯列が偶然に乱れてしまうことはまずありません。

つまり、なぜこのようなひずんだ歯列になったのかという原因を考察をしてからでないと、良くなっても徐々に歪んできます。当院ではその原因についても患者さんとお話します。

人は敏感な体質だと、歯列不正は起こりやすくなります。これは、ちょっとしたストレスでで筋肉が緊張したり、固まったりするので顎の位置は動きやすく、正常な位置から左右的にも前後的にも狂いやすいからです。

そしてそのような反応は幼少期、極端なことを言うと母体の中にいる赤ちゃんのときから起きています。

敏感な赤ちゃんは母体に強いストレスがかかればそれに反応して緊張してしまいます。それが顎や全身の歪の原因となっていることが考えられます。

永久歯の噛み合せの位置は実は乳歯の歯列が完成すると、その噛み合せに沿って6歳臼歯がかみ合うので、乳歯列が悪ければ、永久歯列も悪くなります。

乳歯列の悪さは一見してよく分かりませんが、幼少期からのストレスの反応で顎をかみ締めていれば、噛み合せが低いと、歯列全体が圧平されてしまい、アーチが狭くなって、永久歯が並ぶスペースがなくなり叢生(がたがたの歯並び)が引き起こされるのです。

また、狂ってしまった歯列や顎の位置の狂いは、永久歯列に引き継げられ、成長とともにさらに歪んでゆき、そしてその影響は全身の歪へと広がり、全身の体調不良を引き起こすほどのレベルになってしてしまうのです。

最近診療して気がついたのは、成人した人では、脳の使い方によっても歪みの起こり方が変わってくるということです。左脳(論理脳)を良く使う人の左側の筋肉は緊張しやすく、顎が左に曲がりやすくなります。

最近の成人はほとんど左に顎が曲がる傾向があります。

最近「アンチエイジング」という言葉をよく耳にします。食事や運動は非常に重要な要素だと分かっています。しかし、それ以上に体の歪は老化に直結していると思います。体が歪めば全身の循環は悪くなり、細胞の代謝が損なわれるからです。

まずは体のひずみを取ることが本当の「アンチエイジング」の始まりと思うのです。
実際に当院で矯正治療を含む治療を受けた患者さんのほとんどが歪みを治す治療を受けているので、10歳以上若返ったように見えます。

歪みを取る矯正治療や噛み合せの治療はこれからの健康増進に非常に大きな役割を果たすであろうと考えるのです。

2017年5月20日

矯正治療で最も難しいといわれる症例は「受け口(骨格的)」といったものや「開口(前歯が閉じない)」といったものが挙げられると思います。

私が顎関節症や噛み合わせの治療をしていて感じるのは、顎の筋肉や、顎の運動そして顎の3次元的変化を考慮すれば、実はこれらの問題はそれほど難しいものではありません。

当医院には、「他の歯科医院で外科以外の矯正治療は基本的に無理」といわれたり、「顎のゆがみは治らない」といわれたり、「矯正治療が難しい」といわれた人が多くいらっしゃいますが、基本的にはほとんどの場合、治すことが可能です。

多くの場合は「左右的なずれが激しい」とか「受け口がひどい」、とか「前歯が完全に開口している」といったものです。

このような症例がどうして治療可能になるかといえば、歯を移動させるときに奥歯の噛み合わせの高さに対して引き算だけでなく、特殊な方法を用いて足し算もするからです。

噛み合わせの高さの引き算では、歯を抜いたり、奥歯を圧下(沈めること)によって奥歯の高さが沈み、咬合高径(奥歯がかみ合っている高さ)は低くなってゆきます。

逆に足し算とは奥歯を今よりも高くすることですが、通常矯正中、奥歯は噛んでいますから、こんなことは不可能です。しかしこれをしなければ本当の意味で矯正治療が上手くいかないので、特殊な方法で歯を引き出してゆきます。

よく考えてみると、奥歯(咬合高径)が低くなるということは、喉の奥が狭くなることと同じです。また低くなったことによって、顎の筋肉が緊張しやすくなり、顎が後ろに下がる傾向が強まり、前後的にも垂直的にも、喉の奥側は狭くなってしまうのです。

このように引き算だけの矯正治療を行うと、睡眠時無呼吸の原因となる舌根沈下などの症状が出始め、いびきがうるさくなるといった呼吸器系のトラブルがおこりやすくなるのです。

矯正治療で不調になる人がいるの理由のひとつがここにあるのです。そういった意味で矯正治療は噛み合わせを上げるテクニックなしではリスクが伴うといえます。

しかし、普通は自分の奥歯は低くなったとしても、それに気がつく人は少ないのです。それは、筋肉が収縮して奥歯が噛むように顎が移動してゆくからです。ですから通常は体調不良が歯の矯正のせいだとかわかる人は少ないのです。

奥歯が低くなるということは、下顎の角度がきつくなってしまうので、下の前歯が前に傾斜したように見えます。これで下の歯のほうが上の歯より前にでてきたり、顎の角度が急すぎれば前歯が完全に開いてしまう人もいると思います。

下の顎が出ているように見えるのが、「受け口」で開いてしまった患者さんが実は「開口」という症状として噛み合わせの問題が起こり、これらの症状は引き算の治療だけでは治せません。

つまり生まれつき奥歯が低く顎の角度が回転してしまった人が矯正が難しいといわれているだけで、奥歯を引き出す方法さえ分かれば治療は可能なのです。

当医院では1.5センチ以上隙間のあった「開口」でも足し算を併用することで治す事ができるわけです。

矯正治療は難しい診療です、とらわれたやり方では治療は上手くいかないのです。

2017年5月11日

実は歯科医院は、あらゆる医療分野の中でも、もっともお金がかかる分野といっても過言ではありません。

また、治療自体がほどんど外科処置、しかもミクロン単位の作業ですから、実はもっとも治療費が高くて当然といえます。

私自身、海外の歯科を見る機会があり、いろいろ見てきましたが、日本の保険制度の金額は、破格を飛び越えたレベルです。

治療内容はさておき、今の日本では、よほどのお金持ち以外は歯科で開業するのは難しくなっていますし、万が一お金があって開業ができたとしても、継続して医院経営をこなしてゆくことも相当難しい時代になっていると思います。

アメリカのように、歯科大学で十分な治療技術を教えられ、その技術で自由診療で行ってゆけるのであれば、何とか道は開けると思いますが、日本の歯科大学では「なかなか自由診療としてお金がいただけるだけの技術」を教えてくれる環境の歯科大学がなく、結果的にますます卒後の歯科医は苦しくなっています。

本来はこのような事態を予測して、「教育現場の改革」を行ってくるべきでしたが、大学では「有能な人材の流失」によって、自由診療の技術を教えられるだけの教官がほとんどいなくなってしまっているのが現状と考えられるのです。

そんな状況の中で、「保険の枠を越えて、患者さんのためになる治療技術だけを提供する」

といったゆとりのある歯科医院は非常に少ないと思います。なぜなら、歯科は設備に非常にお金がかかるため、このような経営形態では、採算が合うように経営できるだけの自由診療をしてくれる患者さんを集めること自体が難しいからです。

私も、そのような志を持った歯科医師を育てようと何人かを教えたりもしましたが、ほとんどの先生が途中で挫折するか、違う方向の治療に移行してしまったりして、なかなか育てあげることができず、悲しい思いも何度もしてきました。

日本人の平均的な歯の状態は、先進国の中では決して高くありません。ほとんどの患者さんの歯が画一的な、しかもかなりの低評価の保険診療で行われており、日本人は平均所得が高い割りには歯の治療レベルが低いと思います。

歯は実は非常に体の状態に大きく影響しているので、医科の治療を受ける前に歯を治したほうがよい人が日本には山ほどいらっしゃいます。

日本人の健康レベルを今より上げるには、歯科医療の質の向上による変革がぜひ必要だと私は考えるわけです。

良い歯科医が育てば、良い歯科医療が行われ、国民の健康レベルが向上し、生産性もあがれば、歯科医に支払われる費用が多少高くても、十分もとが取れると思うのですが・・。

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番町デンタルクリニック 院長 吉田敦志(よしだあつし)

番町デンタルクリニック
院長 吉田敦志

番町デンタルクリニック公式サイト

皆さんは何のために歯科矯正をお考えでしょうか?
美しい笑顔のため?コンプレックスを解消するため?
確かに矯正治療には、そういった役割もあるといえます。

しかし、私が考える矯正治療の目的とは、健康な体を手に入れること。

私は10年以上前から、かみ合わせと体の関係を研究してきました。その結果、
矯正治療で適切なかみ合わせに導けば、体の状態は必ず改善するという自信を持つようになりました。

実は、矯正治療というものは奥が深いものなのです。