”合わない入れ歯を克服”した経験から”噛み合わせによる不調を解決”できた話。

  ”合わない入れ歯を克服”した経験から”噛み合わせによる不調を解決”できた話。

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2020.02.15

”合わない入れ歯を克服”した経験から”噛み合わせによる不調を解決”できた話。

このページは2020年4月17日に更新されました。(心も体も軽くなる番町D.C.運営ポリシーはこちら)

この記事では、私が歯科大卒後入局した「入れ歯専門の講座」に入局して4年間、噛めない入れ歯で悩む患者さんを「アメリカ式(技術習得の経緯はこちら)入れ歯作成の技術で解決した経験」から

「歯の治療や矯正治療で噛み合わせが合っていない」ことが、「体調不良つながる」という事実を理解し、それを「解決できる先進の治療技術」を発見した道のりについてのお話です。

この記事を読めば、「噛み合わせが歯科治療にどうして大切なのか?」がわかります。また歯からくる不調の治療法についても触れています。

私は「総入れ歯専門の講座」(院長プロフィールはこちら)に5年間在籍していました。

総入れ歯の専門家だった私が、かみ合わせをなおす矯正治療を得意とするスーパーGPになったことを不思議に思われる方は多いと思います。

入れ歯を使う人は分かると思いますが、「噛み合わせの合っていない入れ歯」は口の中で揺れて痛くて噛めたものではありません

残念ながら正確な噛み合わせが取れない歯科医が多いから、「ポリグリップが売れ」「インプラントがはやる」のです。

逆に噛み合わせが正確に取れるだけで直ぐに入れ歯の名人になれるのです。

ところが矯正治療で噛み合わせの位置を考えて治療する先生はまずいません。

私は入れ歯を作っているうち、「噛み合わせが合わないと入れ歯は噛めない」のに、「噛み合わせを考えないで矯正治療をしたら何か問題が起きるのでは?」という純粋な疑問が起こったのです。

大学には歯の治療や矯正治療後に多種多様の症状不定愁訴・・首凝り、肩こり、自律神経失調症、目の痛み、頭痛、睡眠時無呼吸症候群、眼瞼下垂などで悩む方がたくさん押し寄せていました。この様な患者さんは顎関節症とも呼ばれています。

私は「入れ歯は合わなければ外しておける」が歯科治療や矯正治療で噛み合わせの位置が合っていないと顎の筋肉に無理がかかって歪みが全身に広がり「顎関節症(不定愁訴)になるのではないか?」と考えるようになったのです。

”合わない総入れ歯”から”噛み合わせが不調の原因”と気づくまでの私の道のり

入れ歯のかみ合わせが決まらない!
顎関節症の治療法を見つけることを決意
入れ歯で治療でかみ合わせと顎関節症との関係に気づく
顎関節症を完全に治すには矯正治療が必要なことに気づく

①入れ歯のかみ合わせが決まらない!

私は大学卒業後、技術を磨くため総入れ歯専門の講座に入局しました。

その理由は、学生時代私の担当した総入れ歯の患者さんのかみ合わせが決まらなかったからです。

当時の教官で最も上手な先生が噛み合わせを診てくれたにも関わらず正しい噛み合わせの位置を決めることができなかったのです。

総入れ歯では噛み合わせが合っていないと全く噛めません

歯科医が生理的に正しいかみ合わせを採得できるかどうかは、入れ歯の治療の生命線なのです。

しかし、専門の講座で十年以上の経験のある教官ですら噛み合わせを決める決定的なノウハウがなかったのです。

②顎関節症の治療法を見つけることを決意

大学にいらっしゃる多くの患者さんが噛み合わせが合わないで悩んていることから、噛み合わせとは難しいものだと理解するようになりました。

今でもそうですが、その頃、大学病院には顎関節症(不定愁訴を含む)の患者さんがたくさん押し寄せていました。

その当時私が耳にした症状は多種多様で、歯の治療をされてから「肩がこる」、「首が痛む」、「腰痛」、「精神が沈む」、「自律神経失調症になった」、「目がの奥が痛む」、「夜よく眠れない」など、一見歯とは何の関係もないように思える症状ばかりでした。

当時の大学の先生は(今も似たようなものですが)「顎関節症は根本的には治らない疾患」と決めつけており、「薬を出せば治る(三叉神経痛の薬を出す)」、「ほっておけばそのうち痛みは消える」、「患者さんの気持ちの問題」などと患者さんに真剣に向かい合おうとしない先生ばかりでした。

「この先生達は困っている患者さんを本気で治療する気があるのか?」と疑うようになりました。

その頃から私は、大学の教官に期待するのは諦め「顎関節症には必ず何か原因があるから、必ず自分で突き止めてやる」と考えるようになったのです。

入れ歯の治療でかみ合わせと顎関節症との関係に気づく

大学院3年の頃、アメリカの歯科大を卒業して日本に戻ってきたばかりの先生に出会う機会があり、しばらく診療を見学していました。

それから一年ほどしたあと、学生時代に私が担当したあと同級生の先生が引き継いでいた患者さんが「顎が痛く、難しそうなので以前の担当だった私に診てくれないか?」ということで紹介されました。

顎関節症を発症している患者さんだったので、アメリカ帰りの先生に相談したところ、「モノライン(0度臼歯)の総入れ歯で治せばうまくいく」と言われ、歯が8本以上残っているのに、根に蓋をして総入れ歯にすることになりました。

この治療は特殊で、当時の大学病院では技術的に難しいことを説明し、見学に行っていた医院で治療を受けることに同意してもらい、治療をはじめました。

治療が終盤に入り、いよいよ総入れ歯を入れる日になりました。

当日は本当に緊張して心臓がドキドキして、「高額の治療費を頂いて果たして患者さんが満足してくれる入れ歯が入るのだろうか?」という思いで心配でなりませんでした。

勉強のため、入れ歯の技工工程のすべてをチェックを受けながら私が担当したからです。20個以上の入れ歯製作の経験がある私でもトータルで20時間以上かかったのです。

入れ歯装着の翌週患者さんは大満足で来院され、「何でも噛めるし顎の痛みも違和感も全くなくなりました」と言われたのです。

しかも今まであった体のいろいろな症状がいっぺんに取れました」と大喜びで、来院するごとに「地元の美味しいお米」「うなぎの蒲焼」といった地元のお土産を持ってきてくれました。

程なく「スペアーの入れ歯がほしい」と言い出しました。「最初の治療でさえ高額なのに、もう一組作るって一体どういうこと?」私は戸惑いましたが、言われたままもう一組作るとすっかり安心して帰っていかれました。

合う入れ歯を作ってもらえると患者さんは万が一無くしたらどうしようという不安感につきまとわれるものだと知りました。実際今も私が作った入れ歯は必ずスペアの製作を依頼されます

この時私は「4年間の大学の講座での教わった入れ歯製作の教育は一体何だったのだろう?」と考えるようになったのです。

”身体の治療を整える総入れ歯”その出会いこちら

その先生のもとで、更に歯がある顎関節症の患者さんを診療するうちに、顎関節症が治ってゆく患者さんも何人かいて、大学病院での教官たちへの私の疑いの気持ちは確信に変わったのです。

④顎関節症を治すには矯正治療が必要なことに気づく

総入れ歯の患者さんが「噛み合わせの改善で顎関節症がなおる」ということで、程なく「歯がある顎関節症(不定愁訴)の人も噛み合わせを合わせれば治すことができる」と確信したのです。

実は私自身も30台の中頃から顎関節症で悩んでいました。自分でマウスピースを作ったり、噛み合わせを調整したりしていましたが、ついに44歳の時、歯並びの悪さもあって、矯正治療を受ける決心をしたのです。(詳しいお話しはこちら)なんと矯正が始まると顎の位置が勝手にリラックスできる位置に移動して1センチ以上噛み合わせが変わってしまいました

私の場合矯正前に整体治療を2年ほど受けていたので、筋肉が緩んでいて顎の位置が動きやすかったのです。

この治療で顎関節症の患者さんは噛み合わせのずれ相当大きくのだと気がつき、ケースによっては被せもの(補綴治療)で治すのは無理で、顎関節症の患者さんこそ矯正治療が必要であることにも気がつきました。

それ以来、矯正について講習会に出たり、本を読んだり、知識豊富な先生に教えてもらったり、いろいろん勉強したのですが結局矯正で噛み合わせを治す技術を持つ先生はいらっしゃいませんでした。

普通は「矯正専門医の方が噛み合わせに詳しいのではないか?」という考えると思います。

しかし、残念ながら矯正専門医が考える噛み合わせとは主に「歯の接触面積が最大になること」「上の歯と下の歯の位置関係がどうなっているか」ということでしかなかったのです。

結局「顎の3次元的な位置関係まで考慮し、身体のバランスまで考えた噛み合わせ」ではなかったのです。

様々な顎関節症の患者さんを矯正治療を行いながら長年試行錯誤の結果、ついに確実に効果が出る、「生体にバランスの取れたかみ合わせの位置」に誘導する矯正法を見つけることが出来たのです。

以降その位置で噛み合わせを作って矯正治療をおこなうと、まるで魔法のように顎関節症の患者さんが治るようになりました。

そして、矯正治療は「かみ合わせを考慮した技術がなければ顎関節症を発症するリスクが高い治療である」と気がついたのです。
歯科界では、「かみ合わせを制すれば歯科治療を制する」と言われるほど、咬み合わせは難解で理論すら十分に定まっていないのが常識で、実はテレビに出てくる有名な顎関節症治療の名医ですら、「咬合学」(詳しくはこちら)に基づいた噛み合わせの理論を理解していないのです。
そして「噛み合わせを理解しないで行う歯科治療は、顎関節症を作ってしまいかねない治療である」ともいえるのです。

補足

自分のキャリアを生かした治療ができるまで

学生時代からの30年近く、随分回り道をしながらここまで来ました。そして25年以上にわたる顎関節症患者さんの治療経験と成果から、絶対に真似のできない「生理学的に正しい下顎の位置を決める技術」「矯正治療を生かした噛み合わせの治療技術」を完成させてきたのです。(詳しい方法はこちら

そして、スーパーGPとして、矯正専門医にはできない「噛み合わせ治療に関して確実に成果が出せる治療」がおこなえる、おそらく唯一の矯正医になれたのです

この技術が完成するまでは本当に大変な25年間でした。

患者さんが少しでも良くなる方法を実践しながら何度も何度も失敗とやり直しを繰り返し、それでも諦めなかったのは患者さんのためも勿論あったのですが、自分自身が重度の顎関節症であったからなのです。

本当に治療結果が出る歯科医師をみつけるためには?

顎関節症の治療とは実は非常に複雑なメカニズムで発症しています。単に噛み合わせや顎の問題だけでなく、「体質、環境、生活習慣」更にはもっと「深遠な人間そのものの存在理由」まで関与しているため、単純に歯を治せば治るというものではないのです。

医師として、人間として高いレベルの人格を持たなければ、少しぐらいのテクニックを身に着けた自称「名医」では治すことはできません。

患者さんがどのような体質や性格で、どのような人生を送ってきたか?まで理解できる深い洞察力が必要とされるのです。

 

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