本当の入れ歯とは?

  本当の入れ歯とは?

院長ブログBLOG

2010.04.25
咬合治療

本当の入れ歯とは?

総入れ歯は歯科治療の中でも結構歴史が古く、その治療技術はアメリカではもうかなり昔から完成されています。
最新といっても材料的にも、また治療テクニック的にも、他の治療に比べると、かなり完成されているといっても良い治療なのです。
しかし残念ながらこの貴重な技術もまだ日本には入ってきていません。
総入れ歯は、噛み合わせに使う人工歯が非常に重要です。
私の場合はモノラインといって、咬頭(突起のようなもの)が全く無い人工歯を使います。
この人工歯は扱いが難しく、歯を並べる作業と、削合といって最後の噛み合わせの仕上げはすべて私自身が行っています。なぜなら、この技術は技工士にもまず真似ができない技術だからです。
総入れ歯の患者さんはほぼ全員顎関節症になっています。ですから新しく入れ歯を作成するときはその顎関節症を治療する入れ歯を作成せねばなりません。
残念ながら日本の大学で教育を受けた先生はこのことを全くわかっていません。
顎関節症の人の正しい噛み合わせの位置を見つけようと、ゴシックアーチを書かせたり、顎を押してみたりを、やっても無駄なことをしているのです。
私の総入れ歯はそれ自身が顎関節症のリハビリテーションを行うように作られていますから、うそのように顎関節症の症状が取れてくるのです。
総入れ歯や部分入れ歯があっていない患者さんによくある症状は、首のこりだけではなく、発音障害や、顎がはずれやすい、飲み込むときのどが詰まる感じになる、自律神経の異常などがあげられます。
実は入れ歯が合わないことによる問題は非常に重篤な意味を持っているのです。
またそれを治すためには特殊な技術が必要といえます。
私もこの技術をマスターするのに、大学院時代に30個程度、その後医院に勤めてから30個程度入れ歯を作りました、いずれも私自身がほとんどの作業を行ったので、一個入れ歯を作るのにおおむね4時間としても240時間以上も入れ歯作成にかけたといえます。
本当の技術は努力なしでは身につかないことも実にしみてわかりました。
また治療をすればするほど、難症例がいらっしゃり、精神的プレッシャーも相当なものでした。
やはり、人間は緊張感のある環境で仕事を行わないと上手になりません。
大部分の総入れ歯の患者さんは、何本も歯があるにもかかわらず、顎の問題がひどく、矯正治療で解決できなかったりするため、歯がすべて残っている状態で入れ歯を今ある歯がなくなってた状態で作成しておき、完成したときに、残存する歯をすべて削り取って入れ歯を入れる方法で行うので、絶対に失敗できません。(失敗すれば、患者さんは何も食べることができなくなるからです)
そのようなプレッシャーで作成するので、入れ歯の技工操作には人一倍気を使っているのです。

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