- 2010.03.15
- 歯科における感染予防
知っているか知らないか?この境界が大きな差を呼ぶ
滅菌や消毒に関して、私も10年以上も前はずいぶんと無知でした。
特に滅菌などは、現在ヨーロッパで用いられている基準と、日本の基準とでは雲泥の差があることなど、学校で誰も教えてくれませんでした。
また通常医院で使用しているアルコール綿による消毒が気休め程度の消毒にしかならないことも知る由もありませんでした。
滅菌は今外科的な処置を行う場合はクラスB(滅菌庫内を真空にすることと陽圧することを繰り返すことによって、滅菌がすべての器具の面にいきわたる方法)を用いることが必要ですし、唾液、血液などが付着した部分を清拭する際も、アルコール綿ではなく、強酸性水や、イルガサンなどを含んだ液で清拭することが必要です。
また、ユニット内の水には使用しているうちに水カビが大量に発生しており、そのまま使用すると、細菌を吹きかけながら治療しているようになってしまいます。
これらの事実も、開業当時の私は知りませんでした。アメリカでは、これらに対する対応がとられて20年~30年ぐらいたっています。
しかし、日本できちんとした滅菌やユニットの水にまで配慮している医院は一体何件あるでしょうか?(おそらく1,000軒はいかないかもしれません。6万件も歯科医院があるのに)
もちろん、これらの対応は非常にコストがかかるもので、アメリカのそれと単純に比較することは意味がありません。
ですから日本が医療の先進国と比較して20年~30年近く遅れてしまっていることは、経済的側面から見てもある程度致し方ないでしょう。
しかし、今日歯科医院は保険診療で経営が成り立たなくなってきています。多くの歯科医院が自由診療を手がけています。
もしお金を払うのであれば、ものを知って対応している医院を選ぶべきでしょう。知らない医院にはあらゆる情報が不足しているため、もっと良くできる治療法があったとしても、知らないがためにやってもらえないことがあるからです。
私自身も、無知になることを非常に恐れています。知らないということは救えた歯を救えなくなったり、治せたものを治せなくなる可能性があるからです。
その点千代田区に開業していることは非常に有利です。
営業マンも知識が豊富な人が多く、歯科関係の会社も多くが千代田区近辺に本社があるからです。
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