顎関節症の原因はいろいろ

  顎関節症の原因はいろいろ

お役立ちコラムCOLUMN

2014.04.28

顎関節症の原因はいろいろ

顎関節症と聞くと、ほとんどの方は、噛み合わせが悪いことが原因とお感じになるでしょう。
確かにそれは正しいのですが、もっとも大切なことは、なぜ噛み合わせが悪くなってしまったのかを考える必要があります。
顎関節症の原因を大きく分けると下のようになります。
1、虫歯や、かぶせもの、入れ歯などの歯の治療で、噛み合わせを狂わされたことが原因で発症
2、矯正治療を行ったことが原因で発症
3、子供のころからの習癖や大人になってからの習慣やなどが原因で噛み合わせが乱れ発症
4、生まれつき敏感で、筋肉や骨格が歪みやすく、特に顎に影響が出てしまって発症。

などの原因が考えられます。
1番目の原因では、保険制度も含めた日本の歯科医療の現状に大きな原因があるといえます。
たとえば、根の治療をする際、日本の歯科医は保険診療では、ラバーダムも使わずかぶせものを外して、かみ合わせがないままの状態で何週間もかけて治療を行う場合がほとんどですが、たとえば、一番奥の歯のかぶせものを外して、何週間も経ってしまうと、顎の奥に筋肉がついている関係で、かみ合わせは必ず狂ってしまいます。それがかみ合わせを変化させるもっとも大きな原因で、これによって噛み合わせの崩壊が始まります。
アメリカでは、ある一定レベルの患者さん(日本でいえば、いわゆる社会保険などの福利厚生がしっかりしている会社の健康保険に加入している一定の収入がある人のことを言う)では根の治療は通常専門医が行います。アメリカの根管治療専門医はほぼ100%ラバーダムと顕微鏡を用いた治療を行うのです。
またかぶせ物を全て外してしまうような治療は絶対にしません。わずかなかぶせものの変化でかみ合わせが大幅にくるってしまうことを熟知しているからです。
また虫歯の治療も昨今の審美治療ブームで、臼歯部に樹脂をつめられることも少なくありません。しかし、樹脂は磨耗のスピードが速いため、噛み合せの部分につめると、どんどんかみ合わせが変化してきます。これも顎関節症になる原因です。
また入れ歯も金属の無い、目立たない入れ歯が流行っていますが、これも入れ歯のかみ合わせがどんどん沈み、かみ合わせを変化させてしまう危険な治療です。
つまり、日本では歯の治療そのものが顎関節症の原因となっている可能性は非常に高いのです。
残念ながら、現在の日本の保険制度では、顕微鏡を用いたり、かぶせものを外さないで根の治療を行うだけのコストと時間をかけられないのが現状です。
2番目の原因ですが、日本では今自由診療を積極的に取り入れるため、インビザラインやクリアライナーのようなきちんとしたかみ合わせを確立できるかいまひとつ確証のない治療が歯科医院で多く行われるようになりました。
患者さんも費用が安くて、お手軽に歯並びが治せる治療として、多く受け入れられましたが、実際はこの治療によって顎関節症になり、本格的な矯正をしなければリカバリーが不能になってしまう人も多くいらっしゃります。
また、抜歯をする矯正も、実は顎関節症の原因となったりします。これは抜歯によって口の中が狭くなり、それによって舌や顎の後ろの筋肉が緊張したり、顎の位置自体が後ろに行ってしまうことによって発症すると考えられます。
そしてもっとも重要なのものが3番目の習癖等が原因の顎関節症です。
これを解決することが最も難しい課題でした。
これは矯正で歯を動かしてゆく際、激しくかみしめたり、かみ合わせの位置をもとの位置にも戻そうとしたりするので、歯の動くスピードが遅くなったり、かみ合わせの後戻り、治療時のブラケットや材料が取れるなどの治療の障害と大きくかかわるために、非常に重大な問題です。
つまり、矯正治療を早く、しかも確実に、そして、顎関節症などを発症しないように行うためには、患者さん自身の生活習慣、生活環境そして精神面の安定がなければ難しいといえるのです。
すなわち、無理な生活習慣や、非常に悪い職場環境、極端に精神的に抑圧された幼少自体の経験(これは子供のころからあったとしても、長く大人になってまで刻みつづけられることがある)などの心に残った問題を本人が認識し、取り除かなければ、かみ合わせの治療をきちんと完成させることは難しいともいえるのです。
そのままの状態で行きますので、結局大人になっても奥に引いた噛み合わせになるのです。
ですから現代人は非常に顎関節症にかかる確率は高くなっているのです。
このことから、当医院では初診の方にシステムとして、健康管理をして頂くことを条件に入れております。なぜなら、健康管理をしていただかないと歯の治療が完結しないことに気付いたからです。

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