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2018年5月22日

咬合論(歯科でもっとも重要かついまだ解明されていない事実)とは?

咬合論とは、歯科医であれば必ず最後は解明したいと思って行き着く理論です。

咬合論とは、人間の歯の噛みあわせをどこに合わせればよいかといった歯科の最重要な命題であり、さまざまな先生がさまざまな理論を取り入れて考察してきたものです。

そもそも、咬合論が始まったのは、噛み合わせの無い総入れ歯の患者さんや、噛みあわせが崩壊した患者さんの噛みあわせの位置を一体どこに合わせ、どう治したら良いかといったことからはじまりました。
そして大まにいうとと、アメリカ発のナソロジー、とヨーロッパ発のシークエンシャル咬合に分けることができます。

私ももともと補綴学出身ですので、咬合にはとても興味があったので、大学院の1年生ぐらいから必死にナソロジーの勉強をし、開業してもシークエンシャル咬合の考え方も学びました。

そして、患者さんや自分自身の咬合の変化を調べてゆくうちに、「どちらの理論も正しいとはいえない」という結論に達したのです。
私が実際に顎関節症の患者さんに行っている治療はとても特殊です。

しかし、どちらの理論でも治療が不可能である症例を必ず成功させる自信があります。

その自信はどこから来るかというと、根本的な発想を変えた点にあります。

一部異論はあると思いますが、基本的にナソロジー、シークエンシャル咬合はどちらも、理想の噛み合わせの位置を先に決めてから、その位置で噛みあわせを完成させることを治療の基本とします。

しかし、患者さんの変化を調べるうちに、噛み合わせの位置が全身のバランスに大きく作用するため、顎の三次元的な位置や筋肉の緊張具合、頚椎の位置関係などから「自分がここが正しい」と思う位置に顎の位置を変化させ、噛めるようにすると、多くの患者さんで身体全体のバランスが変化してしまうのです。

その変化の大きさやかかる時間は患者さんによって異なりますが、1週間から1ヶ月ぐらいは変化し続けた後、安定してきます。

しかし、その安定してきた位置で改めて筋肉と骨格の位置関係を調べて見ると、自分が以前「ここだと」思った位置とは異なった位置に骨格、筋肉のバランスの取れた新しい正しいかみ合わせの位置が出来上がっていることに気がつきます。

つまり、患者さんの身体のズレ具合にもよりますが、かみ合わせに変化を与えると、それに対する全身の揺らぎがある程度収まるまで位置を完全には決めることができないわけです。ということははじめから「ここだ」と決めてかみ合わせの位置を決めて治療を終了すること自体がとても無謀なことだと解ったのです。

このことに気がついた私はかなり衝撃を受けましたし、顎の位置を考えても咬筋あたりまでのことしか考えない歯科医には想像もできないことが歯科治療でおきていることに気がついたわけです。


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