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2012年2月24日

かみ合わせの治療は昔から非常に難しいといわれてきました。

この理由の一つに、どの位置が正しいかみ合わせかわからないということです。

歯科では100年以上に渡って、ナソロジーやシークエンシャルなど様々なかみ合わせ理論を展開してきましたが、実際はほとんどうまくいっていないのが現状です。

それはかみ合わせ自体が常に変化する可能性があるからです。
すなわち、正しいかみ合わせは治療の最初から終わりまで同じと考えている先生がほとんどであるからに他ならないのです。

私が治療を行ってきた患者さんを見ていると、ほとんどが、顎や、歯の高さ、そして場合によっては頭の骨まで変形しています。

このことについてはムーシルードの講習会でお話ししたのですが、いまひとつ理解できる先生が少なかったようです。

かみ合わせを正しい位置に誘導し、そこでかめるようにしてあげると、今まで不適切な力で引っ張られていた、あごの骨の変形が治ります。

その際、当然頭を支えていた、首の骨にも変化が出るので、手がしびれたり、頭が痛くなったり、おなかの調子が悪くなったりするのです。

これは普通の人はちょっと焦るのですが、正しいかみ合わせにする過程では仕方のないことなのです。

このような変化がかみ合わせに治療をますます難しくしているのです。

2012年2月12日

よく患者さんから、アマルガムは危険な材料ではないでしょうか?

と聞かれることがあります。

全く害が無いとは私は言いません。
ただ、歯の治療を行う上でこれほどよい材料はありません。

虫歯を治療する場合、通常は感染に対する治療と、機能をもとに戻すため治療の両方を同時に行わねばなりません。

感染に対する治療では虫歯を取り除いたのちに、ただちに材料を詰め、治療後の感染を防がねばなりません。

たとえばインレーなどの型を取って行うような治療の場合、どうしても仮止の歯を入れる必要があり、日本では型をとって一週間後に入れるといった風習があります。

しかしアメリカの一流の歯科医は型を取るとそのあと自分で技工をして、翌日にインレーを歯にセットします。

このようなことが望ましいのですが、現在の日本の歯科医療の仕組みの中では、なかなか難しいのが現状です。

一方レジンや、アマルガムは、治療時即座に詰めることができるので、感染に対する治療と、機能回復の治療がただちに行えます。

後は、どちらの材料が、口の中で長持ちし、あるいは適合し、そして、体に安全かという議論になります。

アマルガムも水銀というあまりうれしくない材料が入っています。それに対しては様々な議論もあるでしょう。

かといってレジンが安全かというと、これも非常に疑問です。材料自体がMMAという樹脂であり、その材料でかぶれてしまう人はたくさんいます。水銀でかぶれる人などいませんが・・。

実際、レジンを詰めたのち、歯が異常にしみてきたり、痛くなったりすることは、よく見られる現象ですが、多くの先生は、虫歯が深いことを理由にして、神経を抜いています。

アマルガムも金属ですから、しみてくることはありますが、私の感覚ではレジンのほうがその確率は高いと思います。

一方レジンは吸水性があるのと、耐摩耗性が低いので、削れたり、再治療が必要になったり、かみ合わせが変化して、全身の問題が起こる可能性が非常に高くなります。

つまり、アマルガムのリスクを避けるためにレジンを使えば、レジンが持つ問題が生じ、それがかみ合わせや、再治療の可能性など、アマルガムで治療を行った場合より、はるかに高いリスクが生じる可能性があるわけです。

最近セラミック治療も出ていますが、こちらのほうは適合性や強度、接着に結局レジンを使うなどの理由でまだまだ選択できる材料とは言えない事情があります。

このように考えると、いずれにしても、全く安全に歯の治療を行う方法は今のところないわけですから、自分の歯を絶対虫歯にしない、子供の歯を虫歯にさせない、といった考えが最も大切です。

また万が一虫歯になった場合でも、このようなリスクを天秤にかけて選択するしかないわけです。
そのような理由から、私は一番にアマルガムを使うわけです。

食品の添加物と違って、それを食べなくて済む、というわけではなく、治療は何がリスクがあったとしても、治療をしなければ健康そのものの維持できなくなります。

そう考えると、余計な治療は一切しないほうがよいと言えるでしょう。

先生の治療に対する、姿勢をよく見極めてから、治療を受けるべきでしょう。

2012年2月11日

体の治療でも歯の治療でも治療には原因療法と対症療法が必ずあります。

残念ながら現代医学の治療の多くは対症療法にすぎません。

もちろん必要な対症療法もありますし、それによって自己治癒力がアップして治りが早くなったり、苦痛が軽減するばあいがあるのは勿論です。

しかし、対症療法と、原因療法との区別して考えなければなりません。
とくに整形外科、皮膚科などは、かなりの部分が対症療法で構成されており、中には治療とすら言えるるのか疑問になるような治療が保険制度下には数多くあります。

たとえば、「腰が痛い」という訴えに対して、湿布を貼る、痛み止めを出す、これは治療とはいえません。むしろ痛み止めによる体の副作用のほうが強い場合があります。

もともと腰が痛くなった理由を考えれば、体の姿勢が正常ではなくなり、無理な力や負担が特定の筋肉にかかってしまうために、痛みが起こります。

ということは、一生動いたり、運動したりしないのであれば問題ありませんが、生きている限り、その姿勢を直さない限り、痛みは消えません。

湿布や、痛み止めはその痛いのを止めているにすぎないのです。

皮膚科の薬も、何らかの体の問題(多くは体内の毒物や、異物の排除が行いきれなくなっておきるのですが)が皮膚に現れたに過ぎず、たとえば肝臓の機能が限界に来ると、アトピーや、湿疹などの症状が出ることもあります。

ですから、その症状を薬で抑えても、かゆいのは止まりますが、治療としての原因療法の意味は全くありません。

とくにステロイドは、体の反応を抑えるために、免疫機能を抑えてしまうため重篤な副作用が出てしまいます。(人によっては何十年もその副作用が抜けない場合があります)

このような危険な薬を赤ちゃんにまで平気で出し続ける皮膚科医の医師としての発想を疑います。

歯を治すことで、歯とは一見関係のなさそうな問題が解決してゆく場合があるのは、歯の治療が原因療法であることの裏返しです。

はっきり言いますと、歯科医師の治療は全身に対して、かなり重要な治療行為の位置を占め、対症療法を一歩ぬきんでた感があるのです。

医師の治療がほとんど対症療法であるのに対して、歯科の治療はきちんと行えば、そのほとんどが原因療法に当たるのです。

勿論、医師の治療でも、食事療法や、栄養指導、適切なリハビリテーション、運動指導など、原因療法も多くあります。しかしどちらかといえば地味であることは否定できませんし、何より、それらのもっとも重要な技術に対する報酬が少なすぎるのです。


このようなことが理解されているので、アメリカでは、医師と歯科医師では歯科医師が社会的地位が上にあるようです。

もちろん今の日本の目立つ歯科医師にあまりお勧めできる歯科医師はいらっしゃいません。(インプラントの良さを誇張したり、審美治療、審美矯正を宣伝したりと、枚挙にいとまがありません)

せっかく勉強して歯科医になったのですから、原因療法のできる歯科医師になりたいと誰でも思うでしょう。

残念ながら、原因を考えながら治療をしている医師や歯科医師は非常に少なく、それが民間療法を受ける人を増やす続けるわけで、医療従事者自体が考え方を変革しないと、なかなか医療費の削減は難しいといえるでしょう。

2012年2月 8日

歯の治療は本来歯の失った機能を取り戻す作業であり、非常に精密なかみ合わせの知識、そして作業技術が必要になります。

一方審美歯科はどうでしょう?

これはいわばファッションのようなもので、治療技術とは程遠いものです。

たとえば、車を例にとって考えましょう。

すごくかっこよくデザインが最高の車があったとします。
これは誰も憧れます。そしてそれをデザインした人がいます。
しかし、斬新なデザインのせいで全体に克服できない駆動系に問題が生じ、時速10キロも出ません。

こんな車があったとして、これは果たして車でしょうか?
そしてそれをデザインした人が車を作る能力があったと言えるでしょうか?
また本当の技術者がそんな車、お金をもらって作るでしょうか?

逆にそんなものを車を作る能力と技術がある人間に作ってくれと頼む非常識な人がいますでしょうか?

歯も同じことが言えます。審美を売りにしている先生はたいてい技術がありません。
なぜなら技術を持ち、かみ合わせや、治療精度を大切にし、知識がある人なら、審美材料は、機能的に問題があると知っているからです。

実際は前歯ですら、本来はすべて金でできたかぶせ物がよいのです。
昔はよくいました。

しかし、さすがに現代人はそうもいかなくなったので、白い材料が出てきました。
確かにさすがに前歯まで金歯にするのは、現代では少し難しいと言えるでしょう。

でも、それほど目立たない小臼歯より奥であれば、白い歯にするのは危険です。レジンはすり減りますし、セラミックは堅すぎて割れたり、歯との適合が悪くて虫歯になる、などの問題が必ず起こりますし、それよりなによりかみ合わせの機能回復が不完全になります。

つまり、奥歯に白い歯を薦めること自体、機能を回復することとは相反する行為なのです。
技術を持っている人なら、あるいは歯科治療の恐ろしさを知っている先生なら絶対薦めないでしょう。

それは技術者の歯科医というより、むしろデザイナーが行う治療と言えるからです。

歯科治療はあくまで治療であり、ファッションではありません。
治療技術が無い人に限って、ファッションに走るしかなくなります。なぜなら、治療してもその治療効果を患者さんが実感できるだけの技術を持たないからです。

もうひとつの問題は、患者さん自身の感覚鈍化です。
感覚がマヒしてしまうと、自分がどんなおかしな治療を受けても具合が悪いと感じなくなる、これも大きな問題です。

感覚が鈍化してくるとそのような現象が起こります。

たとえば、インプラントを打たれた患者さんは痛みに鈍感になります。

インプラントをたくさん植えられた患者さんの中には、歯茎が炎症だらけで、歯石を取ると、血まみれになっているのに、平気で寝ている人がよくいると聞いたことがあります。

これがインプラントの恐ろしさです。

とにかく、歯を失ったり、虫歯になっても、「白く輝く綺麗な奥歯」なんて言葉に踊らされないことです。

2012年2月 4日

最近やっとインプラントの問題が皆に知れ渡るようになってきました。


私自身は10年以上も前からインプラントは無理と言い続けてきましたが、つい先日いらした患者さんも、「先生が5年前に言っていた通りになってきましたね。」といっていました。

インプラントに技術による優劣があるかと言われればそれはあると言いますが、「体に良いインプラントがあるか?」と聞かれても答えは「ノー」です。

そもそもこれほどの市場規模になったしまった、インプラントをいまさらだめだったなんて一体誰が言えるでしょう。

そんなこと言ったら、総計、兆規模の損害賠償額になるのではないでしょうか?とても怖くて考えられません。

私がインプラントが無理だと思う理由は、

1、骨にきちんと固着することが技術的に難しい。固着しないと、持続的力をかけることによって抜けてしまう。

2、万が一、固着した場合、その結合が強すぎて、歯根膜というクッションの無いインプラントでは、物凄い力がインプラントの上部構造にかかってしまい、上部構造は破壊する。

(実際、インプラントをうまく固着できている先生の上部構造はしょっちゅう壊れていると技工士からよく聞く)

3、感染に対するリスクが高すぎる。(骨に向かって直接穴があいているので、通常では考えられない、感染症が容易に起こる。)

といった事がありますが、そもそも、自分で歯を失ってしまうような、健康状態、あるいはひどい健康管理しかできなかった人(事故で失った人は除く)が、健康管理できるもしくは健康な人でもリスクが非常に高い治療法を選択すること自体がどだい無理な話です。

物事の根本を考えれば簡単にわかることですが、自分の行った過ちを、間違った形で補おうとするような治療法で、ますます泥沼にはまってゆくのです。

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番町デンタルクリニック理事長 吉田敦志(よしだあつし)

番町デンタルクリニック
理事長 吉田敦志

番町デンタルクリニック公式サイト

皆さんは何のために歯科矯正をお考えでしょうか?
美しい笑顔のため?コンプレックスを解消するため?
確かに矯正治療には、そういった役割もあるといえます。

しかし、私が考える矯正治療の目的とは、健康な体を手に入れること。

私は10年以上前から、かみ合わせと体の関係を研究してきました。その結果、
矯正治療で適切なかみ合わせに導けば、体の状態は必ず改善するという自信を持つようになりました。

実は、矯正治療というものは奥が深いものなのです。