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2009年4月19日

歯の矯正で何を治したいのですか?

矯正の目的は一体何でしょうか?
例えば、笑顔の時に見せるきれいな歯並びでしょうか? 美容でいえば、そうでしょう。

しかし、歯の矯正はそんな単純なものではありません。生半可な気持ちで受けては絶対にいけないものなのです。

特に、かみ合わせをきちんと考えないで治療を行うと、将来歯ぎしりやかみしめがひどくなるぐらいならまだしも、ひどい肩こりが出たり、場合によっては体のバランスさえくるってしまうことがあるのです。

下手をすると、せっかく時間と労力とお金をかけたのに、何の意味もなくなるだけでなく、見た目が少しばかりよくなった代償に体調不良が残ってしまうのです。

よく、肩こりがひどくなって周りに相談すると「年のせいじゃないの?」なんて勝手に判断されてしまうのですが、私自身、矯正治療をして、顎の位置を修正し、整体で固まった筋肉をほぐすと、今までのコリが嘘のように調子が変わりました。

かみ合わせを治すために矯正を時間をかけて行う。

そういった気持が無いと、治療をしても意味がないどころか、かえって治療後に大きな体のダメージを受けてしまうこともあるのです。

かみ合わせも含めた納得のいく矯正治療
「矯正はたいへんだ!」とよくいわれますし、「もっと早く終わらないのか?」という声もよく耳にします。

「短期間で矯正治療が終わる」といった宣伝広告もよく見かけますが、はたしてそれが自分にも適応できるのか、よく調べる必要があります。甘い言葉につられてはいけません。

人のかみ合わせは千差万別、歯の矯正にはそれなりに時間がかかることが多く、すべての症例が短期間で終わるなどあり得ないのです。

こんなことを書くのも、治療をしていくに従って、矯正治療は非常に奥が深いと理解するにいたり、かみ合わせを治すことが非常に難しいことだと理解してきたからです。

ですから、自分としては納得がいくまで治療をさせていただくようにしているのです。

治療を受ける前によく下調べすることをお勧めします。ものなら失敗しても経済的損失で済みますが、矯正治療は体に一生の問題を残します。

私が考える矯正治療とは?

私が考える矯正治療とは?1. かみ合わせを治す
皆さんは矯正治療をすれば、当然、かみ合わせは良くなっているだろうと思うでしょう。しかし、残念ながら必ずしもそうではありません。

矯正治療をして歯並びは一見良くなったように見えるのに、首が痛くなったり、肩が凝るようになったといった問題を抱えた方も少なくありません。これは、かみ合わせと全身の筋肉が大きくかかわっているからなのです。

2.かみ締めを弱める
かみ締めはかみ合わせが悪いと引き起こしやすくなります。かみ合わせの悪い人はより食い縛ったりする癖が多いのです。

これは矯正を行うことで正しいかみ合わせに治していくと自然に少なくなり、それに伴って肩コリや首の痛みがなくなっていくのです。現代人はストレスが多く、かみ締めが強すぎる方がたくさんいます。これを治すのも矯正の役目です。

3. 顔の輪郭が美しくなる
わざわざ美容整形に通って、骨を削ったり、たるんだ頬を引っ張ったりしなくても、歯科矯正でも、あごの筋肉が正常になる場合もあります。

私自身の経験でも、エラが張っている人、頬骨が出ている人が、顔の輪郭がほとんどの場合、良い方に変化してきます。

4. 歯のひび、歯周病の悪化を防ぐ
不自然なかみ合わせからくる強いかみ締めで、歯にヒビが入り、虫歯になりやすくなります。また、奥歯に過大な力がかかるため、歯周病を早める原因となる場合があります。

これらの症状も、かみ合わせを考えた矯正治療で、予防することができるのです。

●このように矯正治療はただ単に見た目を治すだけではなく、かみ合わせを治すことによって、さまざまな効果が期待できるといえるでしょう。

矯正を含んだ噛み合わせの治療による骨格の変化?

噛み合わせと健康

ここで、噛み合わせと身体との関係を分かりやすく説明するため、実際のレントゲンを見てみましょう。

【治療前】
レントゲンの像の変化01このレントゲン写真は、治療前のある患者さまのものです。頸椎(けいつい:頭を支える骨のことです)が後ろ向きに反り、気道(空気のとおり穴)が狭くなっています。

この患者さまは首の痛みや、肩のコリに悩まされていました。
  【治療後】
レントゲンの像の変化02左のレントゲン写真は、治療が終盤に差し掛かっているところです(上下前歯の出っ歯は最終段階で治します)。

みてください。あごの位置が完全に変化し、首の反りがなくなっているでしょう?また気道が治療前と比較するとかなり大きくなっています。

実際、首や、肩の凝りがかなり良くなったそうです。

頸椎のそりが正常になったおかげで、集中力は増し、体も疲れにくくなりました。つまり、噛み合わせと全身の健康状態とは非常に強い相関関係があるといえるのです。

どうでしょうか?患者さまの改善の様子がよく分かったでしょうか?

下に、どのような変化が起こっているのかをわかりやすくイラストにしたものを示します。 normal H explain.png 上のイラストは正常な噛み合せの人の骨格の形態と筋肉の状態を示しています。 「胸鎖乳突筋」、「頚突舌骨筋」、「肩甲舌骨筋」などが正常に緊張がなく緩んでいる状態で、骨格も正常な位置関係となっています。 classn2H.png 一方上のイラストでは、上の奥歯が低いために、噛み合わせが悪くなり、顎が奥に入り込み、さまざまな筋肉が太く緊張し、骨格をゆがめている様子がわかります。 「胸鎖乳突筋」は「胸骨」と「鎖骨」を後上方に引き上げ、「肩甲舌骨筋」は、肩甲骨を前上方に引き上げることによって、胸郭が狭くなり、呼吸が浅くなります。 また「小後頭挙筋」や「上頭斜筋」によって頚椎は後ろに引かれ、首の形状がいわゆる「リバースネック」になってしまいます。 「頚突舌骨筋」および「肩甲舌骨筋」の緊張によって「舌骨」の位置が後下方に移動し、呼吸路が閉塞するように骨格が変化していることがわかります。

矯正治療によって、美しい笑顔、そして歯並びの悪いことからくるコンプレックスから脱出できることは素晴らしいことです。でも、それ以上矯正治療の大切な役割は、健康な体を手に入れることです。ですから、私の場合、あえて審美にこだわった矯正治療は行っておりません。それは審美にこだわるあまり、健康を害する場合がほとんどで、歯科医師の真の目的である矯正を通じて噛み合わせを治し、歯も体も健康になるということに対して意味を持たない治療となることが少なくないと考えるからです。

特に審美を目的として「抜歯矯正」をおこなうと、顎の位置が後ろに入りやすく、また噛み合せが低くなりやすいため、上のイラストのような骨格の変化を生みやすい傾向があります。

矯正治療が、単なる見た目の改善のためと捉えられたり、見た目にこだわるあまりかえって健康を害しているという日本の矯正事情は、歯科医とっては非常に残念な話です。これからは健康のためにも矯正治療が大きな意味を持ってくると考えるのです。

歯と噛み合わせを治すと体調まで変わる?

歯の治療(噛み合わせ治療まで含む)をしただけで体調が変わることがあります!

これは、顎の位置と、顎の周りの筋肉の緊張とは深い関わり合いがあるからです。

顎の周りの筋肉は首の骨や頭の骨についており、噛み合わせが生理的にバランスが崩れた位置にあると、筋肉の緊張がアンバランスになり、頸椎のそり具合に変化を与えたり、頭の骨の変形を生んだりします。

また頭の骨が変形すると、脳の周りをめぐっている脳脊隋液の流れに変化がおこります。

頸椎には体の機能を制御する重要な神経が多く入っているので、これらが圧迫されることによって、内臓の機能を制御する神経が圧迫されると、内臓の運動が制限されることがあります。

一方、脳脊髄液が変化すると、人によっては鬱様の症状が出たり、やる気が起きなくなったりします。これは脳内に循環する脳脊髄液の流れが変わるために、機能が低下する脳の部分ができてしまうことが原因と考えられます。

噛み合わせの治療を通して、筋肉の緊張を積極的にとることにより、不適切な緊張のない首の状態になれば、自然と頸椎のそりは自然なものとなり、頸椎の中の神経も圧迫されることが無くなります。また頚椎が正常なそりになれば、脳脊髄液の循環に変化が現れます。滞りなく脳脊髄液が流れ出し、鬱滞して変形していた頭蓋骨が正常なかたちに戻ってきます。neck1.jpg
これが、体調が良くなるメカニズムです。頸椎の配列のほんのわずかな狂いですら体調は大幅に変化します。
下のイラストは、頚椎の位置が変わることによって、脳脊髄液の流れに変化が起こり、全身にまで大きな影響が出ることを示しています。
brain001.jpg
このような頸椎の位置の変化を私は常にチェックしながら治療を行っています。これが通常の歯科医や矯正専門医との違いですが、これは歯のみならず、全身の状態を大きく左右することですから、非常に重要な治療のチェックポイントでもあるのです。

噛み合わせの治療を通して、体調の改善が可能です
当院ではこのような治療の考え方を使った矯正治療を行うことによって、本人も驚くほどの体調改善することが可能になっております。

噛み合わせがどれほど重要かは、日々、患者さまの変化で目の当たりにしているのです。

また多くの人が自分とは関係ないと思いがちですが、噛み合わせの位置が正常な人は現代人では1%もいないのが実情で、ほとんどの人が自分の噛み合わせの狂いに気が付かないで生活しているのです。

いわゆる現代病として治らない人の多くが、噛み合わせや、それに伴う全身の筋肉の不調和、あるいは不適切な習慣による筋肉の硬直が原因なのです。

勿論、噛み合わせの治療と同時にご自身の生活習慣(喫煙習慣や、暴飲暴食、不摂生、睡眠不足、過度のストレス)などを見つめなおしていただく必要があります。この内容に関しましては、当医院のお願いにも挙げております。


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