歯科医師は器用でなければつとまらない(2008,11,19)
歯科医は、基本的には器用でなければ務まりません。漂白だけをするとか、歯ブラシ指導だけをする、あるいは予防処置(フッ素など)を行うだけの歯科医院であれば例外ですが、ほとんどが、治療をしなければならず、必ず細かい作業が入ってきます。
すなわち、手先が器用でない人は歯科医には向いていないといえます。先日患者さんに、意外なことを言われました「先生の手は器用そうだ。先生のような手の形は器用な人が多いとNHKで言っていた」と、
私も自分が器用がどうかはあまり考えたことがありませんし、本当に器用そうな手をしているか定かではありません。しかし、やはり患者さんにとっては器用な先生に治療してもらいたいようです。患者さんの中にはあからさまに「先生器用ですか?」なんて聞く人もいるから驚きである。
ちなみにその患者さんが私が器用であると判断した理由は、治療を受けたからではなく、指の形を観察したそうです器用な人の手には特徴があり、指先のつめの部分が平べったくなっているそうです。そういえば芸能人などの手が往々にして、丸くてスーとしているのに対して、私たちの職業の先輩たちの手を思い出してみると、器用な先輩はみな平ぺったいのっぺりした爪の形をしていたことを思い出しました。意外なところに、歯医者の見分け方を教えてもらいました。
少なくとも担当の先生が器用かどうかある程度わかるかもしれまいということは実は重要かもしれません。不器用な人が治療が上手とはいえないでしょうから・・。
歯科医師は外科医である(2008,10/22)
歯科医師は実は外科医です。あまりこのことに対する理解がされていないかもしれません。
最近医療の分野では外科的な治療が減りつつあります。あくまでも保存的治療が好まれるようになったためです。華々しく外科手術を行っていた時代が終わり、やがて内視鏡手術や薬物療法、放射線療法などが主流となってくるでしょう。外科的な治療はとにかく患者さんに負担がおおきいのです。
しかし、残念ながら、歯科における外科治療の分野は減っていません。相変わらず削って詰めて治す、とか、切って貼るなどの治療が多いのは、どうしても歯に再生能力が少ないからです。
しかし、将来的には、それでも外科的な処置は減ってくると思いますし、減らすべきだと思います。
外科処置は患者の負担が大きいうえ、危険性も高いです。私自身歯のOPEなどあまり受けたくはありません。
しかし、虫歯や根の治療などは今のところ、虫歯になってしまった以上、どうしてもなくすことができない外科治療です。また外科治療である以上、ドクターの技量は治療成績にダイレクトに影響してきます。
下手なところで詰めたものはすぐに外れてきたり、何年か経ってみると中がボロボロになっていたりしています。しかし、腕のある先生のところでやった治療は、何年たっても壊れたり外れたりしません。
ですから、歯科治療を上手に受けるには腕の良い先生にかかることが最も大切なことです。
そしてその次に自分自身のメンテナンスや医院でのフォローアップが重要です。
どんなにきちんと虫歯を治しても、噛み合わせが変化してきたり、かみしめで歯が割れてきたりして、歯の状態は絶えず変化してゆきます。これは専門家に診てもらわないと、自分では診断できません。
しかし、このようなかみ合わせに対する診断能力がある先生は、残念ながらすくないです。ほとんどの人が、かみ合わせの重要性を知る機会さえ少なかったと思いますが、実際は、噛み合わせが悪いために、虫歯になりやすかったり、歯が折れてしまったり、詰め物が外れやすかったりすることは非常に多いのです。
歯科医師とは?(2008,10/19)
患者さんは歯科医師と言うとどのようなイメージをされるでしょうか?「結構お金持ち」とか、「偉そう」とかいろいろあると思います。
私が歯科医師として診療にあたってきて感じるのは、非常に精神的にも肉体的にもきつい職業であるということです。ただしお医者さんの様に急に夜中に叩き起こされたり、自分の方がどうかなってしまいそうな激務はしなくても、自分のペースで診療ができるという強みもあります。
私自身集中力がそう長く続くほうではないので、夜遅くまで診療をしたり、休みを削って診療をしようとは思ったことはありません。
結局そのようなことをしてしまうと診療の内容が悪くなってしまったり、体調を崩したりしてしまうからです。
また、私自身が前の日夜10時まで診療して翌朝5時からゴルフに行ける程の強靭な体力はないので、夜は早めに休み、朝早くから活動する早寝早起きの日課をもう10年近くもやっています。
皆さんはご存じないかもしれませんが、歯医者さんが診療室で治療をしているのがすべてだと思っているかもしれませんが、実際は患者さんの治療の計画を立てたり、治療途中の写真や模型を観察して今後どのように治療を進めてゆくのか考えたり、場合によっては技工操作と言って、患者さんのお口の中に入れるものを作成したり、仮の歯を作成する準備などをしなければなりません。
私の場合、患者さんが自由診療だけなので、ここの治療計画作成や、技工操作、写真の整理など一部他の人にも任せてはいますが、莫大な量があり、毎朝始発電車で病院に行っていますが、なかなかすっきり仕事がこなせたという実感がわく日の方が少ないです。
また最初に書きましたように、非常に繊細で細かい仕事をしていますし、ちょっと失敗してももうやり直しがききませんから、肉体的にも精神的にも非常に疲れるのです。
また、噛み合わせなど未だに100%理論的に分かっていない疾患にも対応してゆかねばならないので、非常に精神的プレッシャーを感じていることは事実です。
ただ、医科のように人が死ぬということはめったに経験しなくて済むのでそれだけは幸せです。
しかし、それでも事故は起こりかねないので、ISOなどを利用して、少しでも問題があれば対応するようにしてきたおかげで、大きなトラブルには巻き込まれないでいます。
患者さんにおねがいしたいことは、先生はかなりの重労働と精神的に過酷な状態で診療にあたっていることだけは理解して診療を受けてほしいのです。だからと言って自分の苦痛を我慢して言わないでおく必要はないですが・・。また先生だからと言ってすべての疾患を治せるわけではありません。原因が分からないものは直しようがありません。今でも原因不明の疾患は数多くあります。将来は治せるかもしれませんが、今は無理という疾患もたくさんあるのです。