どのような治療を行うにしてもそうですが、治療において診断はもっとも重要なプロセスです。歯やレントゲンに現われているどのようなサインも見逃してはいけません。また原因を理解して診断しなければ、きちんとした治療計画は立てられません。本人の癖や不適切な咬み合わせが、歯並びを悪くする原因だったりするのです。このような大切な診断プロセスを誤ると治療結果はまったく違ったものになってしまうのです。
矯正はよく航海にたとえられます。航海をするのに、自分がどこにいて、一体これからどこに向かうのか、まったくわからないで航海を始める人はいないのと同じ気持ちで矯正治療を行わなければなりません。
セファロレントゲン分析
セファロ分析(下の写真)から、さまざまなことを見て取ることができます。この写真で重要なのは気道(白矢印部分)がずいぶん閉塞しているという点です。これは歯並びが内側に入っているために、舌の収まる位置がないために、舌が喉の下のほうに落ち込んでしまったために起きた現象です(舌根沈下と呼ばれる)。
下の写真が実際の口の中ですが、歯並びのアーチが狭く、舌を置く十分なスペースもありません。このような歯並びのタイプの人は睡眠時無呼吸症候群をおこしやすく、疲れが取れにくい体質になります。また頸椎(緑の矢印)にも正常なS字状のカーブがなく頭を上手に支えることができていません。この患者さんは実際絶えず首のこりや痛みに悩まされていました。
このような状態は矯正治療で改善が期待できます。
ところでこのような症例では歯を抜いて矯正をしてしまうと歯列の幅が狭くなり、舌根沈下は改善されません。ですからこの症例では歯を抜くことはできるだけ避けるべきという診断になります。(このような症例は日本人には非常に多い)
模型による診断
模型には様々な情報が満載されています。歯型を見ればその人の性格、癖、そして習慣がわかるほどです。
模型分析
模型分析では、歯の大きさや咬み合わせの関係のみならず、さまざまなことを知ることができます。
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左の写真は歯ぎしりを分析するものです。赤く染めた薄い膜状の板を歯の形に成型し、夜寝るときにしてもらうと、どこで歯ぎしりをしているかわかるものです。(ブラキシチェッカーと呼ばれる) |
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左の写真は、以前一度矯正治療を行った患者さんを診断したものです。矢印の部分に大きく擦り減りが起きています。矯正を行ったのにも関わらず、不適切な咬み絞めや歯ぎしりが起きていることがわかります。 |
左がレントゲンを分析するための線を引いたものです。右はその分析結果を表にしたもので矢印の部分に、正常とかけ離れたデータがあります。これを正常範囲内に収めるように矯正治療を行ってゆきます。ここまでが通常の矯正の歯科医院で行われている分析です。
実際は、模型やレントゲンから、これ以上の情報を獲得することができるのです。
また矯正は咬み合わせの理解が非常に重要で、それができていない矯正専門の先生が多くいることも事実です。・・・
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