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かぶせものと顎関節症治療
かぶせものが狂うと顎関節症に?
ブリッジや、かぶせものを入れられてから、顎の調子が悪くなったことはないでしょうか?
実は歯は非常にデリケートな組織で、ほんのわずか数十ミクロン(一ミクロンは1000分の一ミリ)の高さの違いで、噛み合わせが変わってしまい、最終的に顎の周りの筋肉に異常な緊張を生んでしまいます。噛み合わせは違和感がなくなるまできちんと調整してもらわないといけません。
しかしながら、この違和感が曲者で、奥歯のブリッジや最後臼歯(7番)の調整の場合、仮歯などを入れない状態で翌週にかぶせものを入れようとすると、ものすごく高く感じることがあります。特に一番奥の歯を含むブリッジで仮歯がきちんと作られなかった場合、ブリッジを入れる際、かなり削って調整されることがあります。
これは仮歯の高さが正確でなかったため、顎の筋肉が収縮してして誤った噛み合わせの高さ(通常低い状態)に慣れてしまったため、正しい高さのものを入れられても高いと感じてしまうのです。このような場合はブリッジを入れられてからしばらくすると、顎の違和感や、全身にわたる症状が起きることがあります。
ところで、噛み合わせがくるってしまっても、まったくなんの問題も出ない人と、大きな問題が出てしまう人とがいます。これは患者さんが神経質であるということもありますが、もともとその患者さんが持っていた噛み合わせのズレの量や噛み合わせの面の狂いなどが、人それぞれで違っているからです。これらの条件が悪い人は僅かな調整の不具合で問題が生じます。
かぶせもので噛み合わせがくるうとどうなるの?
かぶせもので噛み合わせが狂わされてしまうと、かぶせものが高い場合は、顎はできるだけ高いかぶせものに歯が強く当たらないようにしますし、逆に低い場合は、その歯でも噛むように、顎自体を動かし、噛み合わせを変えてしまいます。そのためもともと正常であった噛み合わせが治療をするごとにどんどん狂わされてしまい、顎が体のバランスのとれた位置からどんどん離れてしまうのです。
これが全身にまで影響を与える顎関節症の正体です。またもともと噛み合わせがくるっている人は、今までは狂っているなりに、何とか体の状態を維持していたものが、完全に許容範囲を超えてしまうために、おかしくなってしまいます。実際に許容範囲を超えてしまうと、とても辛くて、我慢できるものではありません。
どんな症状の患者さんが治ってゆかれるのでしょうか?
1、私がはじめて顎関節症(噛み合わせの問題)で悩む患者さんを治療したのは、入れ歯の患者さん(ひどい自律神経失調症と糖尿病に悩まされていた)でした。(13年ほど前です)
この患者さんは噛み合わせの位置が正しい位置から5ミリ以上もずれており、つらい自律神経失調症で悩んで、仕事もできなくなっていました。入れ歯を入れる直前に今まで使っていた入れ歯が使えなくて、かめないためにお酒ばかり飲んでいたために、一時危篤状態になってしまい、私自身相当焦りましたが、なんとかきちんと噛み合わせのあった入れ歯を入れることができ、自律神経失調症や糖尿病の症状が消え、今は以前とは比べ物にならないくらい元気を取り戻しています。
2、また別の人は、根の治療の具合が悪いのと、そのあとのかぶせものの高さが悪く、頭痛やめまい、集中力減退を訴えていた患者さんです。根の治療を6カ月ほどかけて行い、かぶせものの高さを治し、ナイトガードと噛み合わせの調整で噛み合わせを治した結果、今は見違えるように元気になり、笑顔を取り戻しました。具合が悪い時は、勤務中でも集中力に欠け、お客さんとお話している時でも、そのお客さんに早く帰ってくれないかとと思うほど辛かったようです
3、一見噛み合わせに問題がないように見える患者さんでも、噛み合わせが狂っていることがあります。特に首、肩、背中に関連したように痛みがある患者さんは、ほぼ間違いなく噛み合わせに問題があります。
しかし多くの人は誰しも多少は肩や首は凝るものだと考えています。しかし実際、ナイトガードいれたり、矯正治療をを行うとほとんど全員が首や肩そして背中の痛みが和らいだといいます。これは、一見噛み合わせが良さそうに見える患者さんの噛み合わせがほぼ100%の確率でずれているからです。
一般的に矯正治療を行った後でも首の痛みなどが残っているようなケースは矯正が失敗しているといえるでしょう。本当に正しく噛み合わせの位置に矯正されれば、そのような不適切な緊張は取り除かれるはずだからです。実際噛み合わせと首とは非常に深い関係があります。試しに顎の位置を動かしてみると、首の形は変化しますし、押したときの痛みの具合も変わります。
矯正治療を受けている際に、顎が滑るようになる場合があります。これは間違いなく、矯正治療によって、正しい噛み合わせの位置がわかるようになったために感じている症状です。
これを無視して噛み合わせを仕上げると、首の痛みがひどくなったり、集中力が落ちてきたりします。しかし実際は噛み合わせのせいとはふつう考えないので、そのまま矯正治療が終わってしまうのです。
どんな人が顎関節症になるのでしょうか?
顎関節症になる患者さんの傾向は似ています。
1、前歯の治療を大々的に行われた場合。(審美治療など)
歯の治療の中で、前歯の治療は非常に重要かつデリケートに行う必要があります。見た目の並び(斜めになっているとか内側に倒れているなど)をまっすぐしようと歯を削って治療をすることは相当の命取りになってしまいます。多くの患者さんがこのような審美治療によって、顎関節症になってしまい非常に苦労されています。削って被せて見た目だけを治す治療は非常に危険です。また一度顎関節症の症状が出てしまうと治療に費用も時間も相当かかります。
2、奥歯にセラミックのブリッジなど、審美性のかぶせものを入れた場合
奥歯にセラミックのブリッジは非常に危険です。セラミックは、噛み合わせの調整が非常難しいので、ほとんどの場合調整が不十分で、そのために顎関節症が引き起こされてしまいます。セラミックのブリッジ等をかぶせられた後に噛み合わせに違和感があった場合、早急に処置をしないと顎のみならず全身にまで影響が出てしまいます。
3、噛み合わせがもともと悪かったが出産を機に発症。
出産を機に発症するのは、おそらく出産によって骨盤の形態が変わってくるからだと思います。このような場合、全身的な骨格の調整も必要になるのではないかと思います。
4、もともと噛み合わせが悪かったが、加齢とともに発症。(女性は35歳前後、男性は40歳前後が多い)
噛み合わせが悪くても、人間はある程度調整できる能力があります。発症するのは体力が落ち始めたころです。 またパソコンばかりしている人も非常に偏った体の使い方をしているために発症しやすいです。水泳などの全身を使う運動をすることをお勧めいたします。
5、奥歯(特に一番奥の歯)にかぶせものをされたり、長期間被せものを取った状態で、根の治療を行われたり、左右7番を同時に治療をされたあとに発症。
前歯と同様、一番奥の歯は噛み合わせにとって最も重要な歯です。特に一番奥の歯にセラミックを入れられたり、高さが低かったりすると顎関節症を発症することが多いです。
6、奥歯にレジンやセラミックの材料を入れられた患者さん。特に最近審美歯科をうたい文句に、奥歯にレジンを入れたり、レジンインレー、セラミックインレーを金属アレルギーでもない患者さんに入れる無責任な先生が多くおり注意が必要です。
残念ながら材料学的な問題から、高さの調整が難しいセラミックは審美的には良くても治療に必ずしも最適の材料とは言えません。しかし、この不調も患者さんによってまちまちで、ほんのわずかの治療で顎関節症を発症する人もいれば、いくら治療を受けてもまったくなんともない人もいます。しかしなんともない人でも、正しい噛み合わせにすると良くなることが多く、多くの患者さんは自覚していないだけです。
個人的にはアレルギーがあるか、欠点を説明してそれでもセラミックにしてほしい人のみ、奥歯にせセラミックを使用します。
レジンは臼歯には最も適さない材料で、割れる、二次カリエスになる、すり減りが早いなどの理由から、ごくわずかな小さい虫歯以外で使用することは適切とは言えません。
また一番奥の歯はとくに金属で詰め物やかぶせものをした方が絶対に安全です。
なぜなら当医院に訪れる顎関節症の患者さんの多くがセラミックの治療や、レジンの治療を受けたことが原因で顎関節症になっているからです。
7、裏側から矯正された、もしくはマウスピース型の矯正装置で矯正された人、下の顎が小さいともしくは上の顎が大きいと診断され、上の歯のみ抜かれて矯正された人。
特に下の顎が小さいもしくは上の顎が大きいと診断され、抜歯をされた患者さんは、睡眠時無呼吸症候群の症状が悪化し、ひどい場合はふだんから突然眠気が襲ってくる、などの症状がおこることもあり、非常に恐ろしいものです。
これは顎の位置がもっと前であるにもかかわらず、歯を抜いて無理やり顎を後ろの位置できちんと噛み合うようにされるからです。ひどい先生はインプラントまで使って無理やり後ろに引くので、耐えがたい苦痛を訴える人もいます。そもそも矯正治療にインプラントを多用するなどおかしな話です。インプラントを用いるような強い力を矯正治療では絶対にかけてはいけないと思います。
また裏側から矯正治療を行うことは、確実な噛み合わせを作ることはほぼ不可能で、裏側から治療をするくらいなら治療しない方が体に害がないと思います。
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